気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
リコーGR【第2回】
「Eye-Fi mobi」カードを試す
Reported byHAMACHI!(2013/7/24 08:56)
第1回目のレポートでは、おかげさまで、とてもポジティブな反応、応援のツイートや建設的なご意見、アドバイスなどをたくさんいただきました。ありがとうございます!
さて、これまでのGR DIGITALに比べて、やや高めのスタート価格設定に、まだもう少しだけ“待ち”の状態の方も多いのではないかと思いますが、本レポートのネタを考えつつ、予約特典でもらった「GRオリジナルREDリング」を装着して、毎日持ち歩いています。作例写真というよりは、ライフログ的な日常的な写真のサンプルが今回はメインになりますが、これからリコーGRユーザーになる、あるいはすでにユーザーになった方の参考になれば幸いです。
ブロガーとしては、速報性がけっこう大事だったりします(後追いも多いですけれどね)。感激を持続させるのは難しいので、イベントなどでもその場で写真と共に文章で保存しておきたくなります。TwitterやInstagram、Facebook、LINEなどのSNSに速報として流しておいて、後から自分のストリームを確認しながらブログ記事を書くことも多くなりつつあります。必要な写真が揃って頭の中が整理できたら、なるべく早くブログ記事にするように心がけています。これはSEO(検索エンジン最適化)的にも多少有効なようです。
で、GRは新しくEye-Fiカードとの連携機能が強化されています。
これまでのGR DIGITALやGXRなどでもEye-Fiカードが使えなかったわけではありませんが、GRの発表時には、「スマートフォンに簡単転送、Eye-Fiカード連動機能」として、「接続先の確認、選択画像転送、2サイズの縮小転送」が可能と発表され、使用できるカードとして、Eye-Fi Pro2 X2シリーズで動作確認ができているといいます。ブロガーでなくてもSNSで頻繁に投稿している人は、やはりEye-Fiカードとの連携、気になりますよね。
読者のみなさんの中にも、これまでのEye-Fiカードを購入した方も多いかと思いますが、ちゃんと使いこなせてました?
僕は、すっかりオチコボレ組だったんですよ。モニターで1回お借りして、その後、自分でも購入して使ったのですが、なにしろ、撮ったすべての写真がクラウド、または自分の使っているFlickrなどに自動的にアップロードされるというのは、便利なようで、後で写真をセレクトするのにインターネットにその都度アクセスしなくてはならず、実はとても面倒でした。
さらには、どのタイミングでアップロードされるのかもよくわからなかったので、デジカメの電源もモバイルWi-FiルーターのスイッチもOFFにしにくかったり、ファームウェアのアップデートでダイレクトモードができるようになった頃には、僕のEye-Fiカードがとても不安定になってしまったことや、保存先がパソコンかスマートフォンかの選択を迫られたり……なんてこともあり、結局あきらめて、使わなくなってしまっていました。
そんな経緯もあって、GRはそのままでは画像をアップロードする機能がないので、ブロガーとしては再びEye-Fi X2を購入したほうがよいものか、悩んでいたところでした。
で、GRが発売になってからすぐにEye-Fi mobiが発表されました。
これは、Eye-Fi X2のサブセット版のようで、Eye-Fiのオフィシャルサイトからサポートに問い合わせをしたところ、GRでの動作も確認されているとのことで、アプリを通して、スマートフォンやタブレットへの「画像選択転送機能」が使えると聞いて、冒険してみることに。
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mobiと、これまでのX2の大きな違いは、パソコンへの画像ファイル転送ができないこと。RAWファイルもワイヤレス転送できません。Eye-Fiのアプリが対応しているのは、iOSは5.1以上、Androidは2.3以上からの対応なので、ご注意を(実は僕の持っているAndroidノートが2.2で、アクティベーションコードの入力画面にたどり着けませんでした……)。なので、本稿では、iPhone 5で試した動作になります。
画像のスマートフォンへの転送機能は、GRの他にも、ソニーのNEX-5R/6でも便利に使っています。普段使いのカメラとしては、必携(もちろんユーザーによりますが)の機能なので、比較してみたいというのもありました。
Eye-Fi mobiは、パッケージを開けるのにハサミが必要な他は、セットアップは、とても簡単です。
転送時の使い方も簡単です。
これで、無線LAN環境が無くても、スマートフォンとEye-Fi mobiで、GRの写真を転送できるようになりました。といっても完全に自動ではなくて、iPhoneではWi-Fiの設定画面を、転送時に毎回表示させて、Eye-Fiとの接続を確認するようになります。
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さてさて、前置きが長くなりましたが、実際に小旅行にEye-Fi mobiを入れたGRを持って行って、どの程度使えるか試してみることにしました。
すでにSNSでフォローしていただいている方は、この時の様子をInstagram経由でスクエアフォーマットの写真として、すでに見ていただいているものもありますが、このレポートでは、転送する前のオリジナルの写真をお見せします。
iPhoneの場合、各種SNSアプリから写真をアップロードするには、「カメラロール」か、「Eye-Fi」のアルバムから選択します。「写真」アプリからも確認できます。
画像再生モードで、カメラのサイドにある「Effect」ボタンを押すと、「Eye-Fi送信画像サイズ選択」画面が表示されます。ここで「送信画像サイズ」を「サイズ変更なし」、「S」、「XS」の項目から選んで、「確定」すると画像ファイルの作成と送信が始まります。画像ファイルはオリジナルファイルの「サイズ変更なし」の場合以外は、一時的に画像ファイルが作られるだけで、メモリーカード内には残らない仕様のようです。
GRで、撮影画像フォーマットのフォーマットサイズを「L」、アスペクト比を「3:2」にした場合、画像のサイズは「サイズ変更なし」が4,928×3,264ピクセル、「S」が2,912×1,936ピクセル、「XS」が1,280×864ピクセルになります。
Instagramのみにアップロードする場合は、Webからだと612×712ピクセルでシェアされる(画像そのものは、612×612ピクセル)ことを考えると「XS」サイズでも構いませんが、Facebookにもポストするのであれば、Facebookの現時点での最高解像度が横2,048ピクセルであることも加味して、「S」サイズでスマートフォンに転送しておくのが良いかと思います。
Google+はInstagram経由の投稿ができないので、写真の標準サイズである、長い辺が2,048ピクセルに近い「S」の方が良いですね。LINEなら「XS」でも良さそうです。ちなみに、iPhone 5/4Sの背面カメラの解像度は2,448×3,264ピクセルです。
トリミングがどうしても嫌なヒトは、GRの撮影画像フォーマットのアスペクト比をデフォルトの3:2から、1:1へ変更しておいて撮影すれば良いですね。
最終的にどこに送るかで、その場でサイズを選べるので、これはこれで親切な設計だと思います。NEX-5R/6などが最初にカメラを使い始める時に、転送するサイズを決める方式なのは、思想の違いだと思います。どちらでもあまり不便は感じません。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
“GRに三脚は似合わない”(と勝手に思いこんでる)ので、暗いシーンでは、どうしてもISO感度を上げざるを得ない部分もあり、夜空のグラデーションにノイズが乗るのは、仕方ないですね。ノイズの出にくくなる設定方法も、また探ってみましょう。
おかげさまで、半日の小旅行でしたが、天気も回復して、良い旅になりました。ありがとうございます!
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GRは、スナップシューティングに強いカメラなので、スマートフォンとつなげるEye-Fi mobiとは、とても相性はいいですね。画質ももちろん、スマートフォンよりも自然なボケを活かした、クオリティの高い写真をSNSに送ることができるというのが、ポイント。
1枚ずつでも、数枚(20枚まで可)まとめてでも、スマートフォンに転送して、各種SNSへアップロード可能です。画像は1枚だけならカメラのサイドにあるEffectボタンを押して、送信画像サイズを指定するだけ、複数枚なら再生時に表示される「再生設定」メニューで「Eye-Fi選択画像送信」から選ぶだけ。
Eye-Fi mobiは、これまでのEye-Fiの面倒な部分をすっきり省いてくれたので、かなり使いやすくなったと思います。もちろん現時点で、スマートフォンとGRとできめ細かい連携をさせようとするとEye-Fi以外の選択肢がないというのもあります。
が、僕の環境では、転送するまでに早くて30~40秒。遅いときは、3分近く接続に時間がかかるので、ちょっとした運も味方につけないと、次のシーンにたどり着いてしまうことも。
同時にiPhone側で立ち上げているアプリやWi-Fiの電波状況、iPhone側のWi-Fiの更新タイミングなどによって、接続→転送までの時間は影響を受けるようです。また、サイズを縮小してから転送する場合は、10秒程度余分に処理時間がかかるようです。
iPhoneやiOS側にも問題があるのかもしれませんが、より接続しやすい仕組みなど、ペンタックスリコーイメージング側が対応するのかEye-Fi側が対応するのかわかりませんが、さらなる改善を期待しています。
Eye-Fiは、カメラ側の電池を使うので、持ち時間も気になるところですが、mobiの場合、かなりの枚数をスマートフォンに転送するのでなければ、カタログ記載の撮影可能枚数(約290枚)以上に使えることがわかりました。
この日は、約半日で9枚転送して、382枚撮ったところで、電源が落ちました。スマートフォンのバッテリーの方が、もたないくらいですね。
と、ここまで書いてきて、気がついたのですが、固定電話を持つヒトが少なくなっていると同じようにパソコンを持っているヒトも減少しているそうです。ということは、スマートフォンと連携がとれるEye-Fi mobiというよりは、“パソコン要らずのEye-Fi mobi”というだけでも、十分訴求性は高いですね。いや、パソコンがメイン世代だとどうしても、面倒がなくなったと考えがちですが、パソコンを必要とするEye-Fiじゃ、時代にそぐわないという意見も、開発の経緯では出てきたのではないかと想像しています。
GRがだんだん手放せなくなってきました。次回もお楽しみに!