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スマホ転送に特化した「Eye-Fi mobi」、14日に国内発売
(2013/6/12 17:11)
アイファイジャパンは、Wi-Fi対応SDメモリーカード「Eye-Fi mobi」を14日に発売すると発表した。直販サイトでは12日から予約受付を開始している。価格は8GBが4,980円、16GBが7,980円。ともにSDスピードクラスClass 10に対応する。
6月3日に米国で発表した製品。Eye-FiのWi-Fi機能をスマートフォンへの転送にフォーカスし、PCレスで煩雑な設定なく使い始められる点が特徴。発売済みのEye-Fi Pro X2は9,980円で併売。mobiとの違いは、Pro X2はPC転送、RAW転送、クラウドバックアップにも対応する点。
12日に都内で行なわれた製品発表会では、4月にEye-FiのCEOに就任したMatt DiMaria氏が登壇。同氏はかつてRoxioで6億枚のソフト販売に携わっていたという。
DiMaria氏は「写真を愛しているのでEye-Fiに参加できて嬉しい」とコメントし、人生の大切な瞬間を記録してくれるデジタルメディアに対し、情熱をもっていると述べた。
製品を取り巻く概況について、デジタルカメラの重要性は疑いようがないが、パソコンからモバイルへの移り変わりが急激だとした。例として、写真を楽しむアプリとしてポピュラーなFacebookやInstagramなどのほとんどが、オンライン共有にモバイルを使うと説明した。
またユーザーの心理として、いままではデジタルカメラでいい写真を撮るか、共有に便利なモバイル端末で撮影するかの二択だったとし、全てのユーザーに向けたという製品「Eye-Fi mobi」を披露した。
Eye-Fiは2007年に米国で最初の製品を発売。日本での発売開始は2008年だった。発売以来Eye-Fiカードでは5億枚以上の写真が撮影され、クラウド、モバイル端末、パソコンに転送されたとCEOのDiMaria氏は話す。また、主要なカメラメーカーほぼ全社とパートナーを結び、戦略的パートナーとしてNTTドコモと協業できることを誇らしく思うと述べた。
ここ数年の変化の一例として、もともとほとんどのEye-Fiユーザーは撮影画像をパソコンに転送していたが、年々モバイル端末への転送が増え、現在では半数以上のEye-Fi X2(スマホ直接転送に初対応)ユーザーが撮影後にモバイルへ直接転送しているという。タブレット端末の出荷台数がパソコンを抜いたことも、環境変化を示す一例として紹介した。
また質疑応答において「撮影画像が全てアップロードされることを望まない人が多い。タブレットに転送し、ピックアップするユーザーが増えている」とのユーザー動向を紹介。そうした理由もあり、Eye-Fi mobiをカメラからモバイル端末に送る専用デバイスに位置づけたという。
また、「スマートフォンの進化でデジタルカメラがいらなくなるのでは?」という意見にEye-Fiは同意しておらず、スマートフォンおよびタブレット端末のユーザーが「もしデジカメに通信機能がついていたらカメラの使用頻度は上がるか?」という質問への回答を根拠に示した。
続いて発表会ではEye-Fi mobiのデモを実施。Eye-Fi mobiでは製品が入ったカードケースの裏に10桁のアクティベーションコードが書かれており、初回起動時にEye-Fiのアプリに入力することで自動でセットアップが行なわれる。従来のようにSSIDなどを手入力する必要がない点が最大の特徴。
また、アプリ左上にEye-Fiカードの転送状況が表示されるようになった。接続前は赤、接続すると黄色、転送中は緑となる。mobiは購入時からダイレクトモードがONになっており、ルーター経由の転送ができないという。
転送後は、iOS 6以降であれば右上のシェアボタンから任意のSNSなどに転送可能。iOSではカメラロールに写真や動画が保存され、iCloudのフォトストリームにも自動的に流れる。Android環境ではEye-Fiフォルダが新たにでき、画像が保存されるという。
質疑応答では、「非上場のため正式な販売枚数は言えないが」と前置き、数十万枚のEye-Fiカードをすでに販売してたといい、mobiではその倍以上の販売枚数を見込むとした。「世界のデジカメ市場は今年1億台と考えられており、microSDを含まないSDカードは2,800万枚の世界シェアがあるとみている」(DiMaria氏)。