気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

リコーGR【第1回】

ブロガー目線で試す“新生スナップシューター”

 こんにちは。はじめまして。フォト・ガジェット系ブロガーのHAMACHI!です。リコー「GR」の「長期リアルタイムレポート」を担当することになりました。

カタログの表紙と同じポーズで。やってみるとわかりますが、この手のモデルさん、けっこう手が大きいヒトですよ。

 なぜ、おまえが? という声も聞こえてきそうですが、ちょうどデジカメWatchの編集部では、GRの長期レビュアーに、「ブロガー」を考えていたとのこと。古くは「RDC-7」、もうちょっと近くでは「Caplio R7」から、最近の機種では「GXR」のユーザーとしても、拙ブログの「まわりぶろぐ」のトピックとして更新してきたのを、ありがたいことに目に留めていただいたようです。で、自腹でGRを買ったところもチェックされたという……。

 メーカーとは全く利害関係がない独立したブロガーなので、編集部からも「何を書いても良い」と言われています。この長期レポートで、GRに馴染んでいくサマを、とくにGRを購入された方、検討している方はぜひ一緒に、オンでもオフでも、ツッコミを入れつつ、楽しんでいただければ幸いです。

“DIGITAL”の文字がなくなりました。この次のバージョンのネーミングが気になりますよね。

 で、GRといえば、ご存じの通り、リコーブランドのカメラのフラッグシップモデルです。でも、冷静に考えると良質のレンズとAPS-Cサイズのセンサーを搭載したGXRのA12、A16ユニットの方が、これまでの「GR DIGITAL」に比べて高画質な写真が撮れるはずなのですが、フラッグシップと言われることもなくGXRは、そのユニークなコンセプトから、いろいろと揶揄されつつも、実を取りつつ、微妙な立ち位置でこれまで頑張ってきています。

GRと「GR LENS A12 28mm F2.5」ユニットを装着したGXR。意外とサイズは似通っていて、幅はGXRの方が短いのです! 奥行きはだいぶ違うけど。

 GRユーザーでも、GXRや一眼レフを別に持っている方が多いのも、やはりそのあたりで使い分けているユーザーさんが多いからですよね。僕がこれまでGR DIGITALを買うまでに至らなかったのも、やはり「画質」はスペック的にフラッグシップではなかったという想いからなわけです。

「GR」の文字が赤に。“赤”よりは若干“朱色”かな。

 しかし、5月24日に発売された、最新のGRには、歴代最高、しかも世界最高レベルの「GRレンズ」が搭載されて、さらにこれまでの1/1.7型センサーの約9倍も大きな、APS-Cサイズで有効1,620万画素のCMOSセンサー内蔵で登場してきました。

 もう、フラッグシップの画像がどうこうと言い訳もできず、“もはや後に引けない”状態になったというわけです。ちょうど東京で開催された「GR 体感&トークライブ」でセミナーを聴いて、実機を確認、予約して発売日当日に購入しました。

 このレポートでは、GRをGXRと比較しつつ、一般ユーザーに近いブロガー目線で、画質、使い勝手、新機能などを紹介していく予定です。

この緑に光る電源ボタンが、やる気にさせます。

 今回は、GRで「オート」か「プログラムオート」、あるいはデフォルトに近い状態で“撮ってみました”的写真をお届けします。基本的に「撮って出し」のJPEGで、ブログには載せていない写真がメインになります。ブログと併せて読んでいただけると、何か見えてくるかもしれませんよ。

 まず、GRを持ってみると、意外な軽さに驚きます。APS-Cセンサーが入ってこのコンパクトさだから、ずっしりしているのかと思いきや、あっけないくらい軽い。ってことは、まだまだ小さくできるってことですね。まぁ、でも小さくしなくても良いので、やはり手ブレ補正機能は欲しいかな。

右手の親指でほとんどの操作が可能なのもありがたいですね。

 GRのレンズの画角は、伝統的にちょっと広角な28mm相当で統一されてきました。見たもの、目に入るものは何でも写真に残したいというブロガー気質にも、とてもマッチするカメラでもあります。今までのGR DIGITALに比べて、実焦点距離が長くなっている分、被写界深度は浅くなり、ボケ方が大きくなるので、より伝わる写真が撮りやすくなるはず!

焦点距離は「GR DIGITAL IV」の6mmから18.3mmに。35mm版換算で28mmなのは変わらず。明るさは開放F2.8のGRレンズ。

 AFのエリアは、なんと7種類から選べます(GXRは5種類)。僕自身は、さらっと状況をスナップする時はカメラ任せの「マルチAF」、被写体が決まって撮る時はGXRよりもやや大きめサイズの「スポットAF」、被写体の一部などを息を止めて本気で撮る時は、「ピンポイントAF」というように使い分けています。

 デフォルトの「マルチAF」は、9カ所のAFエリアからもっとも近い部分にピントを合わせます。「スポットAF」と「スナップ」のフォーカスエリアの大きさは同じですが、スポットAFではAFエリアが中央固定に、スナップは、あらかじめ「スナップ時フォーカス距離」をカメラ内の「撮影設定」で選択した距離でピントが合います。ピンポイントAFは、スポットAFよりもさらに小さいエリアでピントを合わせてくれます。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
「マルチAF」では撮影者が意図したところにピントが合うわけではないのと、オートでもISO感度が低いと手ブレしやすいのには、要注意。GR / 約5.9MB / 4,928×3,264 / 1/5秒 / F4 / +0.7EV / ISO320 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm

 簡単に撮影したい時、あわてている時などは、「オート撮影モード」(緑のカメラマーク)で。近接撮影(マクロ)も自動的に対応してくれますので、カメラをまだ使い始めの頃は、これでもあまり問題ないでしょう。オートといえどもさすがGR、露出補正も、画像の色合い設定も、エフェクトも、ダイナミックレンジの補正機能も、35mmクロップも使えます。AFエリアがマルチAFで顔認識優先になります。

 「プログラムシフト(P)モード」にすると、「適切な絞りとシャッタースピードの組み合わせ」が選べるようになるので、ボケ具合を調整して楽しめるようになります。また、ISO感度を設定することもできるようになるので、画質にこだわった撮影が可能になってきます。その他、AFエリアの設定や測光モードの変更ができます。

 電源ON時のPモードの絞りのデフォルト値はF4のようです。なので、より背景をボカしたいという時は、シャッターボタンを半押しして、前面にあるダイヤルで絞りを調節する必要があります。電源を入れたらF2.8で撮りたいという場合は、Av(絞り優先)モードで設定しておけば、前回の電源オフの設定値で立ち上がるので、そちらの方が便利かもしれませんね。あとは、マイセッティングにF2.8の絞り値も込みで覚え込ませておくという手もあります。

 AFの合焦スピードは、光の量が十分あれば、気持ちよく素早く合ってくれます。が、光の量が減ってくると、やや遅くなります。マクロのAFは、行ったり戻ったりを1回半くらいしてから合うので、これはGXRユーザーとしては我慢できるスピード(笑)なのですが、そうではないとちょっと遅く感じるかも。でも、きっと大丈夫! GRには機能拡張ファームウェアのアップデートがあります。期待していいですよね?>関係者各位。

夕景。GRは、ビビッドな画像設定が、GXRよりやや控え目なような気がします(これは、この連載で要検討)。GR / 約4.7MB / 3,264×4,928 / 1/60秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
料理写真その1。28mmの画角でレンズ先端から10cmまで寄れるのは便利だったり、でも逆に余計にまわりが入り込みすぎてしまったり、画像の隅まで気を配る必要があります。GR / 約5.7MB / 4,928×3,264 / 1/15秒 / F4 / 0EV / ISO160 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
料理写真その2。キャベツの千切り。これは、比較的みずみずしく撮れました。35mmクロップモードで、絞り開放にしたのが功を奏したようです。GR / 約3.7MB / 2,608×3,936 / 1/160秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 18.3mm
マクロ撮影。でスクエアフォーマット。GRはデフォルトが3:2のアスペクト比です。GRでも28mmモードのまま寄る方法の1つでもあります。これ以外に、使用する画素数は減りますが、4:3のアスペクト比も選べます。GR / 約3.3MB / 3264x3264 / 1/45秒 / F4 / -1.3EV / ISO320 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
夕方の日が落ち始めた時間の花。若干、ホワイトバランスがおかしいようですが、許容範囲でしょうか。GR / 約5.7MB / 4,928×3,264 / 1/60秒 / F4 / -0.3EV / ISO320 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
木製の階段の手摺り。暗いところで、ISO感度が上がるスピードは、個人的にはもうちょっと粘ってくれればいいのにと思います。が、感度を上げた方がスナップ写真の成功率は高くなるので、そのあたりのバランスかな。感度の上がり方を調整できればいいのですが。GR / 約6MB / 3,264×4,928 / 1/10秒 / F4 / -1EV / ISO3200 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
ロゴ。これも薄暗いところで、粘って撮りました。高感度で粒状感が出てくると思えば、ISO2500あたりでも楽しく思えてきたりしますよね? ね? GR / 約6MB / 4,928×3,264 / 1/40秒 / F4 / -1EV / ISO2500 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
広角なレンズでは、なるべく撮りたいものに寄って、遠近感や形の変化の面白さを1つの画面のなかに写し取ることができます。GR / 約6MB / 3,264×4,928 / 1/30秒 / F4 / +1EV / ISO3200 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
旬なので。小雨が降る日の道ばたのアジサイですが、最近は沿道の方が世話をしているのか、ずいぶん立派なものを見かけるようになりました。GR / 約5.6MB / 4,928×3,264 / 1/125秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO320 / 絞り優先AE / WB:オート / 18.3mm

 まずGRで僕が最初に目指しているところは、GXRと同じくらいに料理が美味しそうに撮れる条件を探すこと。ライフログデバイスとしてのGRにも期待しています。

居酒屋でのひとコマ。GRは、一般的なコンデジの画質を、当然のことながら遙かに超えています。でも、見た目はコンデジ。ってところが、男心(きっと女心も)をくすぐります。GR / 約5.9MB / 3,264×4,928 / 1/40秒 / F4 / -0.3EV / ISO500 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
みるからに枝豆。GRは産毛までちゃんと写しとってくれています。GR / 約5.8MB / 4,928×3,264 / 1/40秒 / F4 / -0.3EV / ISO1100 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm

 GRには、「エフェクトモード」が用意されていて、白黒、白黒(TE)、ハイコントラスト白黒、クロスプロセス、ポジフィルム調、ブリーチバイパス、レトロ、ミニチュアライズ、ハイキーが選べます。

 GXRでは、「画像設定」に入っていた白黒、白黒(TE)はこちらから、また、シーンモードに入っていたミニチュアライズ、ハイコントラスト、クロスプロセスもエフェクトモードに統一されました。エフェクトモードは、どの撮影モードからも選べます(動画は一部制限あり)。

エフェクトモードから選べるようになった白黒は、多少高感度の設定でも、かえって雰囲気のあるモノクローム写真になります。光が反射しているエッジの描写が気持ちいいですね。GR / 約6.5MB / 3,264×4,928 / 1/10秒 / F4 / -0.3EV / ISO3200 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
やや明るいうちにハイコントラスト白黒で撮影すると、こんな感じに。露出補正で、もっと飛ばしたり、逆に沈み込ませたりするのも面白そうです。GR / 約6.2MB / 3,264×4,928 / 1/40秒 / F4 / +1EV / ISO1000 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
低ISOで、消えては現れる泡を撮影。低感度の白黒は、解像度は高いまま階調滑らかな描写になります。GR / 約5.6MB / 4,928×3,264 / 1/40秒 / F4 / -0.3EV / ISO560 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
タイルで彩られた象を、ブリーチバイパスで。これも露出補正を変えるとずいぶんと印象が変わります。最近、好みのエフェクトです。きっと誰でも1度は通る道。GR / 約6.2MB / 4,928×3,264 / 1/50秒 / F4 / -1EV / ISO320 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm
雨に濡れた木肌に光が反射して綺麗だったので、1枚。リコーのブリーチバイパスは、ペンタックスでいう「銀残し」。リコーのブリーチバイパスの方が、効き方がわかりやすいと思うのですが、気のせいでしょうか……。GR / 約6.1MB / 3,264×4,928 / 1/40秒 / F4 / 0EV / ISO1600 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm

 で、買って早々に小さなトラブルが。

 GRの充電は、買ったままだと充電器が付属していません。充電池をGR本体に入れて、付属のUSBケーブルで接続して本体で充電するという最近よくあるパターン。ただし、コネクタ形状が特殊なので、他のUSBケーブルと共用はできなさそうです。ノートパソコンなどと一緒に出かけるときは、PCから充電できるのでちょっと便利な面もあるのですが、僕のMacBook Proの場合、最初は認識されるものの、数分でエラーが出て充電されなくなります。付属のアダプターでコンセントに差し込めばよいので、それほど困ってはいないのですが、いつか解決したい問題ではあります。

HAMACHI!

ハロウィン、グルメ、旅、デジタルガジェットをこよなく愛するフォトブロガー。学生時代はボートを専攻、都代表で国体出場経験も。夜は暗室にこもりつつ昼は戸田で釣り人とのコミュニケーションを学ぶ。「まわりぶろぐ」は毎日更新、もうすぐ10年。Twitter:HAMACHI!