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ソニーα55【第7回】

新ファームウェアの「ピクチャーエフェクト」を試す

Reported by 伊達淳一


 2011年6月20日、ソニーから「α55」と「α33」の新ファームウェアVer2.00が公開された。α55およびα33では初となるファームウェアアップグレードだが、いわゆる不具合解消のファームウェアではなく、以下のように実に盛りだくさんの機能が追加されていて、ユーザーとしてはちょっと得した気分になる。

  1. 「ピクチャーエフェクト」機能の追加
  2. D-RANGEボタンによく使う別の機能を割り当てることができる機能を追加
  3. ファインダー上ですべての撮影情報を表示させないモードを追加(FINDER情報なし設定)
  4. メニュー選択の操作性向上(メニュー表示画面を、常に先頭から表示するか、前回選択した項目を表示するかを選択可能)
  5. 対応する外部フラッシュを使用して、ワイヤレス発光でハイスピードシンクロ撮影できる機能に対応(“α55”のみ)
  6. クリップオンLCDモニター「CLM-V55」などの外付けモニターを接続して使用した際の水準器対応

 今回のファームウェアアップグレードの目玉は、「NEX-C3」で採用された「ピクチャーエフェクト」への対応だろう。ポスタリゼーションやパートカラー、トイカメラ、ハイコントラストモノクロなど、NEX-C3と同様、全11種類の映像効果が楽しめるモードで、モードダイヤルの「SCN」モードにピクチャーエフェクトが追加される。

新バージョンはVer.2.00。目玉は「ピクチャーエフェクト」への対応だが、個人的にはHDMIの外付けモニター使用時に、縦位置撮影すると水準器が斜めで止まってしまうという仕様が改善されたのがもっともうれしかったりする ピクチャーエフェクトは、SCNモード内に組み込まれている。搭載されているピクチャーエフェクトはNEX-C3と同様、全11種類。静止画だけでなく動画撮影でもピクチャーエフェクトを活かした撮影が可能だ

 SCN/ピクチャーエフェクトの切り換えはFnボタン+コントロールボタンで行なうが、既存のSCNモードのように効果例を示す背景グラフィックは表示されず、映像効果が適用されたライブビューが表示される。効果は実際にライブビューで確かめろ、ということなのだろう。

 また、AUTOやSCNモードと違って、ピクチャーエフェクトは、露出補正とホワイトバランスを変更できるのが魅力だが、惜しむらくは、フォーカスエリアが[ワイド(測距点自動選択)]に固定されているのが超不満。自分の意図しない箇所にピントが合ってイラッとしてしまうので、結局、MFで撮影することが多くなる。MF撮影といえば、NEX-5、NEX-3のファームウェアアップグレードで提供されている「ピーキング」がα55にもあれば……と思うことしきり。ぜひ次回のアップグレード(があればだけど)でMF時のピーキング機能を追加するか、ピクチャーエフェクト時のフォーカスエリアを変更できるように仕様変更してほしいと思う。

 前述したようにピクチャーエフェクトは全部で11種類あるが、ポスタリゼーションはカラーと白黒、パートカラーはレッド/グリーン/ブルー/イエローのバリエーションなので、実質的な表現効果としては7種類。静止画だけでなく動画撮影時にもピクチャーエフェクトの効果を楽しめる。

D-RANGEボタンに割り当て可能な機能は、ドライブモード、フラッシュモード、オートフォーカスモード、フォーカスエリア、顔検出、スマイルシャッター、ISO感度、測光モード、調光補正、ホワイトバランス、DRO/オートHDR、クリエイティブスタイル、SCN/ピクチャーエフェクト、スイング撮影 前回選択したメニュー項目から表示するモードを追加。一時的に設定を変えて撮影し、すぐに元の設定に戻したいときに便利だ

 なお、ピクチャーエフェクトモードでは、RAW+JPEGに設定されていても自動的にJPEG記録となり、他の撮影モードに切り換えると再びRAW+JPEGで記録する設定に戻る。ぜひこうした配慮をオートHDRの設定にも採り入れてほしい。というのも、画質がRAW+JPEGに設定されていると、D-RANGEでオートHDRを選択しようとしても、オートHDRが淡色表示になっていて機能を選択することすらできないのだ。ピクチャーエフェクトのようにオートHDRを設定したら自動的にJPEG記録に切り換え、HDRを解除したら前の設定に戻してくれれば、もっと便利になると思う。

 それと、連続撮影優先モードのAF-C時のISO感度手動設定と、AUTO/AUTO+モードでの露出補正およびホワイトバランスの手動設定、それとPモードでのプログラムシフト、この3つの機能制限を(少なくともα55の後継モデルでは)解除してほしいものだ。

ピクチャーエフェクトの実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし補正なしの撮影画像をダウンロード後、長辺800ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置の画像は、非破壊で回転させています。

・ポスタリゼーション

 階調を単純化してメリハリを効かせた抽象的な仕上がりになる。わずかな露出レベルの違いで、仕上がり結果が大きく変化するので、露出補正もしくはAEロックを使って露出レベルを変えて撮影するのがコツだ。カラーと白黒が選択できる。

ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(カラー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/40秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO100 / オート / WB:太陽光 / 18mm ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(カラー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/160秒 / F13 / -0.3EV / ISO100 / オート / WB:オート / 60mm
ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(カラー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/60秒 / F5.6 / 0EV / ISO1600 / オート / WB:オート / 75mm ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(カラー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/40秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO200 / オート / WB:オート / 20mm
ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(カラー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/80秒 / F7 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 35mm ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(白黒)α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/60秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 30mm
ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(白黒)α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/80秒 / F9 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 22mm ピクチャーエフェクト:ポスタリゼーション(白黒)α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 55mm

・ポップカラー

 彩度を強調して色鮮やかに再現される。クリエイティブスタイルのビビッドに近い仕上がりだ。

ピクチャーエフェクト:ポップカラー / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/250秒 / F7 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 18mm ピクチャーエフェクト:ポップカラー / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/100秒 / F5 / +0.3EV / ISO250 / オート / WB:太陽光 / 60mm
ピクチャーエフェクト:ポップカラー / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 3,264×4,912 / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 60mm

・レトロフォト

 褪色した写真のように、彩度とコントラストが低めで、全体にセピアがかった写りになる。

ピクチャーエフェクト:レトロフォト / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/60秒 / F7 / +0.3EV / ISO100 / オート / WB:太陽光 / 22mm ピクチャーエフェクト:レトロフォト / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/60秒 / F5 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 26mm
ピクチャーエフェクト:レトロフォト / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 50mm

・パートカラー

 選択した色のみ残し、他の部分はモノクロに再現される。選択できる色はレッド、グリーン、ブルー、イエローの4色のみで、ニコン「D5100」のセレクトカラーのように撮影者が選択した色を残すことはできない。操作が複雑になるのを避けたかったのだろう。ある意味、割り切った仕様だ。

ピクチャーエフェクト:パートカラー(レッド) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/100秒 / F8 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 26mm ピクチャーエフェクト:パートカラー(グリーン) / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/160秒 / F10 / -0.3EV / ISO100 / オート / WB:5,000K / 18mm
ピクチャーエフェクト:パートカラー(ブルー) / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/125秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / オート / WB:オート / 80mm ピクチャーエフェクト:パートカラー(ブルー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/200秒 / F11 / +0.3EV / ISO100 / オート / WB:オート / 100mm
ピクチャーエフェクト:パートカラー(イエロー) / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/160秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / オート / WB:4,000K / 80mm ピクチャーエフェクト:パートカラー(イエロー) / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/125秒 / F4.5 / 0EV / ISO320 / オート / WB:オート / 70mm
ピクチャーエフェクト:パートカラー(イエロー) / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/100秒 / F9 / 0EV / ISO100 / オート / WB:オート / 30mm

・ハイキー

 明るめの露出で撮影されるが、単なる露出レベルをオーバー気味にするだけではなく、キー(ゾーン)をコントロールして中間調も明るめに再現しているものと思われる。

ピクチャーエフェクト:ハイキー / α55 / AF SOFT FOCUS 100mm F2.8 / 4,912×3,264 / 1/160秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO125 / オート / WB:太陽光 / 100mm ピクチャーエフェクト:ハイキー / α55 / AF SOFT FOCUS 100mm F2.8 / 4,912×3,264 / 1/160秒 / F2.8 / -0.3EV / ISO160 / オート / WB:太陽光 / 100mm
ピクチャーエフェクト:ハイキー / α55 / AF SOFT FOCUS 100mm F2.8 / 3,264×4,912 / 1/320秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO100 / オート / WB:5,000K / 100mm

・ハイコントラストモノクロ

 硬調な白黒写真に仕上がるモードで、クリエイティブスタイルの[白黒]よりも黒がグッと引き締まる感じだ。

ピクチャーエフェクト:ハイコントラストモノクロ / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/125秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO125 / オート / WB:オート / 70mm ピクチャーエフェクト:ハイコントラストモノクロ / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/50秒 / F4 / +0.3EV / ISO160 / オート / WB:オート / 30mm
ピクチャーエフェクト:ハイコントラストモノクロ / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/50秒 / F4 / -0.3EV / ISO160 / オート / WB:オート / 30mm

・トイカメラ

 周辺光量がグッと落ちて独特の枯れた色合いに再現される。コントラストも少し高めの仕上がりだ。

ピクチャーエフェクト:トイカメラ / α55 / DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA / 4,912×3,264 / 1/100秒 / F5 / -0.3EV / ISO100 / オート / WB:オート / 60mm ピクチャーエフェクト:トイカメラ / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/250秒 / F13 / +0.3EV / ISO100 / オート / WB:太陽光 / 60mm
ピクチャーエフェクト:トイカメラ / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/60秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / オート / WB:5,300K / 18mm ピクチャーエフェクト:トイカメラ / α55 / AF 18-250mm F3.5-6.3 Di II LD Aspherical [IF] Macro / 4,912×3,264 / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO200 / オート / WB:5,300K / 18mm



伊達淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌でカメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自らも身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。ただし、鳥撮りに関してはまだ半年。飛びモノが撮れるように日々精進中なり。

2011/8/2 00:00