リコーGR DIGITAL III【第1回】

買ってみました、そして使ってみました

Reported by 種清豊


オプションの専用フードを装着した「GR DIGITAL III」

 いままで「GR DIGITAL」、「GR DIGITAL II」が出るごとに購入を検討してきたのだが、結局今回の「GR DIGITAL III」が初めてのGRとなった。GR DIGITALの場合、写真家の助手(当時)としてはかなり高価な買い物であり、かつ、それを使っての撮影時間も無く購入は自然と流れた。GR DIGITAL IIに関しては、当時シグマ「DP1」を使っていたので特に購入する必要も無くなり、所有までには至らなかった。

 しかし、そろそろDP1も2年近く使い、新しいコンパクト機を考えていた時にちょうどGR DIGITAL IIIの発売となり、購入したわけだ。ただDP1の代わりにということではなく、DP1のシャープな画質はほかのコンパクト機とは少し違うはずで、GR DIGITAL IIIに求めるのは単純にDP1よりレスポンスが良く、よりスナップ撮影に向いているだろうと考えたからだ。DP1との細かな違いや比較は、別の機会でできればと思っているが、とりあえず使ってみての印象を簡単に書いてみようと思う。

 初めてのGRとはいえGR DIGITAL、GR DIGITAL IIとも自分の持ち物ではないが、ある程度使っていたので、実際操作する際に特に困ることは無かった。GR DIGITAL IIと比べて、低輝度時や暗いシーンでのAF精度が上がった点や、ISO400以上の高感度時の輝度ノイズがかなり軽減されているのはスナップ撮影に威力を発揮してくれる。


機能を割り当てられるファンクション(Fn)ボタンが2カ所に増えた
Fn1にはホワイトバランスを、Fn2にはISO感度を割り当てている

 また、露出補正やホワイトバランスの変更、感度変更をファンクションボタン(Fn)に好みで割り当てられるのは、操作性の向上につながってくれる。ちなみに自分の場合はFn1にホワイトバランス、Fn2にISO感度、そして、拡大サムネイルボタンで露出補正が呼び出せるようにセットしている。ただホワイトバランスについてはGR DIGITAL IIIから新たに搭載されたマルチパターンWBで撮影することがほとんどなので、一応割り当てているといった程度である。

右手親指位置にくる拡大サムネイルボタンには、露出補正を呼び出せるようにしている

 それとオプションで用意されている外付けファインダーは、装着した姿はカッコいいようだが、個人的には実用性はあまり感じないので使っていない。フードはデザイン性や小型さが損なわれてしまうが、どうも遮光効果が高いようなので必ず装着して撮影している。

 GR DIGITAL IIIを購入してまだ1カ月半であるが、撮影に出るときは毎回持ち歩いている。細かな機能や、操作が豊富な本機をまだまだ使い切れていないが、いろいろな条件、設定で撮影を重ねて報告できればと思う。


作例

※作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

GR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/620秒 / F1.9 / +1.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/36秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/90秒 / F5.6 / -1.7EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/153秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/189秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO64 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F1.9 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/203秒 / F1.9 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/23秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/52秒 / F8 / +1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/64秒 / F5 / +1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/23秒 / F5 / -0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/440秒 / F7 / +1.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/26秒 / F6.3 / -1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/380秒 / F7 / +1EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/24秒 / F1.9 / -0.7EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/26秒 / F1.9 / -0.7EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/79秒 / F1.9 / -1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/111秒 / F1.9 / +0.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/45秒 / F1.9 / -0.7EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 3,648×2,736 / 1/270秒 / F1.9 / -0.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm
GR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/1620秒 / F1.9 / -1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mmGR DIGITAL III / 2,736×3,648 / 1/97秒 / F1.9 / -1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 6mm





種清豊
(たねきよ ゆたか)1982年大阪生まれ。京都産業大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、写真家竹内敏信氏のもとで約3年間のアシスタントを経て、2007年よりフリーランスに。主に日本各地に残る明治、大正、昭和初期のクラシックな素材から現代の街まで幅広く撮影中。また人物撮影や、東京の下町の祭も撮影。キヤノンEOS学園講師、NPO法人フォトカルチャークラブ講師。ブログはこちら

2009/10/21 00:00