LUMIX DMC-LX3のファームウェアが6月2日、Ver.1.2からVer.1.3へとアップデートされました。これまでにも2008年12月にVer.1.1、2009年1月にVer.1.2と、比較的頻繁に新ファームウェアを公開しているDMC-LX3ですが、今回の変更点は次の5つになります。
- オートホワイトバランスを改善。
- 「夕焼けモード」のホワイトバランスを改善。
- レンズキャップを外し忘れたときの復帰方法の改善。
- MFアシストとAFエリア選択の操作性を改善。
- マニュアル露出アシストの表示方法を改善。
ファームウェアのアップデートそのものは簡単で、差分ファイルをダウンロードしたのち解凍し、SDHC/SDメモリーカードにコピーします。後は再生モードにして起動すれば、アップデートの画面が出てきます。詳しくはパナソニックの解説ページを参照していただくとして、この手の作業に慣れた方でならごく簡単に行なえるでしょう。バッテリーを満充電にするか、ACアダプターDWM-AC5の使用を忘れないでください。
では、改善点を順に検証してみましょう。
1. オートホワイトバランスの改善
変化はわずかだが、従来より色かぶり対策が向上し、青みがかる点が改善されているようだ。青みが減っている分、空はあっさりしています。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。
DMC-LX3(Ver.1.3) / 約3.2MB / 3,968×2,232 / 1/800秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.1mm | DMC-LX3(Ver.1.2) / 約3.2MB / 3,968×2,232 / 1/800秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.1mm |
DMC-LX3(Ver.1.3) / 約4.0MB / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.1mm | DMC-LX3(Ver.1.2) / 約3.6MB / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 5.4mm |
DMC-LX3(Ver.1.3) / 約4.3MB / 3,968×2,232 / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 12.8mm | DMC-LX3(Ver.1.2) / 約4.3MB / 3,968×2,232 / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 12.8mm |
2. 夕焼けモードのホワイトバランスの改善
こちらは逆に、夕焼けらしく濃い色に仕上がるようになりました。忠実な色再現という観点で見れば従来のファームウェアに軍配が上がりますが、期待される色再現としては、新しいファームウェアが一般的に好まれるでしょう。シーンモードの考え方自体、期待色が求められる機能なので、こちらも望ましい改善だといます。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。
DMC-LX3(Ver.1.3)夕日モード / 約2.8MB / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 12.8mm | DMC-LX3(Ver.1.2)夕日モード / 約2.7MB / 3,968×2,232 / 1/1,000秒 / F4.5 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 12.8mm |
3. レンズキャップを外し忘れた時の復帰方法の改善
これは結構大きな変更です。DMC-LX3のレンズキャップは手動で取り外す方式のため、はめたままうっかり電源を入れると、エラーメッセージが表示されてしまいます。そうなったときの復帰方法は従来「右矢印を押す」(=電源オフになる)だったのですが、「いずれかのボタンを押してください」という表示に変更されました。
撮影しようとして電源を入れるわけですから、もっとも素直な選択はシャッターボタンを押すことです。わかっていればどのボタンでも良いわけですが、何も考えなくてもスムーズに撮影モードへ復帰できるようになったのは、結構ありがたい改善点です。
Ver.1.3 | Ver.1.2 |
4. MFアシストとAFエリア選択の操作性の改善
MFアシスト時にAFエリアを移動させたとき、Ver1.3ではVer1.2よりも細かく移動できるようになっりました。筆者の感覚では3〜4倍の精度向上が感じられます。
MFアシストをオンにするとターゲットエリアが拡大表示され、矢印キーなどで拡大エリアを移動させることができるのですが、従来はその移動量が割にアバウトでおおまかでした。つまり移動量が大きく、少しだけ動かしたいのに動きすぎてしまうことがよくあったわけです。パナソニックではどの程度細かい移動量にしたかを数値化してないとのことですが、かなり細かく移動できるようになり、実用性が増しています。
Ver.1.3では、MFアシスト時のAFエリアを細かく動かせるようになった。写真は最小ステップを動かした状態 |
5. マニュアル露出アシストの表示方法の改善
これにより、マニュアル露出での使い勝手が向上しました。具体的には、Ver.1.2ではシャッター半押しするまでマニュアル露出アシストが表示されませんでしたが、Ver.1.3では選択しただけで最初からマニュアル露出アシストが表示されるようになりました。
やってみればわかると言えばそれまでなのですが、最初にマニュアル露出アシストが表示されるのは心強いものです。マニュアル露出といっても、外部露出計を使用したり、熟練の経験値で露出が決められる人は、少数派でしょう。おそらく今日では、逆光・順光・あちこち向けても露出が変化しないようにという目的でマニュアル露出を使う方が多いと思うので、マニュアル撮影派には大きな改善点といえます。
これらの改善点は、小さいようですがうれしい改良です。さらにノウハウが蓄積されて、これからのパナソニックの製品に反映されるのなら、今後も楽しみです。
Ver.1.3のマニュアル露出アシスト。シャッターボタンを半押しせずとも露出がわかるようになった |
2009/6/10 00:00