レンズの教科書

被写体&シーン別・レンズワークの実践:町

フットワークで軽快にスナップする

カメラを手に町歩きをしているときは、できるだけレンズワークはシンプルにして、フットワークを積極的に生かして見つけた被写体にアプローチするといいでしょう。ショーウィンドウで目に留まったこの被写体も、撮影ポジションやカメラアングルを工夫して、いちばん魅力的に見えるポイントを見つけました。

28mm相当・プログラムオート・F5.6・1/1,000秒・ISO100・WB:太陽光・シングルAF

1.標準レンズで自分の足を生かしてシンプルにとらえる
2.縦向きの画面で切り取ると主観的な表現になる
3.広角レンズは一歩引いた感じで切り取ることができる

町でのスナップ撮影ではさまざまな被写体やシーンに出合えます。目に留まったものはできるだけ写真に収めましょう。撮る、撮らないなどあれこれ難しく考えないで、とにかく行動して感じたままをストレートに切り取ることがポイントです。

レンズ交換やズーム操作はできるだけ控えめにして、自分のいちばん好きな画角でアプローチするといいでしょう。50mmでもいいですし、28mmや35mmが自分にとっての標準レンズという人もいます。そのほうが被写体やシーンをストレートに切り取りやすく、伝わりやすい表現になります。

フットワークの軽快さも大切です。移動速度が速くなるほど目に留まるものが少なくなったり、シャッターチャンスに対応しづらくなります。電車やバスなどを利用すると、その間に出合うはずの被写体やシーンを追い越してしまうので、できるだけ自分の足で移動するようにしましょう。

  • レンズワーク:ズームを操作したり、レンズを交換したりなど、焦点距離を変えて写したい範囲(画角)を選ぶことです。
  • スナップ:人物などの被写体の瞬間的な動作や表情を、自然な形や雰囲気の中ですばやく撮影した「スナップ写真」「スナップショット」の略です。
  • フットワーク:距離や高さ、角度など撮影する位置を変えるために、自分の足を使って動くことです。

1.標準レンズで自分の足を生かす

50mmの標準レンズだけで町歩きを楽しむのもいいでしょう。レンズが自分の視線の延長となって自然に足が動くようになり、フットワークを生かしたアプローチが行いやすくなります。あとは目に留まったものをシンプルに切り取るだけです。

50mm相当・プログラムオート・F8・1/250秒・-0.3補正・ISO200・WB:太陽光・シングルAF

2.縦向きで切り取ると主観的な視点になる

客観的な視点だと横向きの画面で切り取ることが多いです。縦向きにすることで主観的な視点になります。どちらが適しているのかすぐに判断できないときは、あれこれ考えすぎないように両方で撮ってみるといいでしょう。

50mm相当・プログラムオート・F4・1/125秒・-0.7補正・ISO400・WB:オート・シングルAF

3.広角レンズで一歩引いた視覚で切り取る

28mmや35mmのほうがスナップ撮影に最適だという人もいます。被写体との距離感は50mmのほうが近い印象ですが、視野は狭く感じます。一歩引いた感じになりますが、広角レンズのほうが目に留まったものをストレートに切り取りやすいこともあるでしょう。

28mm相当・プログラムオート・F4・1/500秒・ISO100・WB:太陽光・シングルAF

この連載は、MdN刊「レンズの教科書 撮る楽しさを味わうための写真の手引き」(岡嶋和幸 著)から抜粋・再構成しています。

本連載で紹介しているレンズ焦点域や撮影シーンごとのレンズワーク解説だけでなく、レンズ本体や表現効果の基礎知識、レンズのポテンシャルを引き出すワンランク上の使いこなしなど、全6章で構成されています。

10月7日には著者の岡嶋和幸氏を迎えた出版記念セミナーを開催。2部構成のセミナーに加え、質疑応答と懇親会が行われます。

レンズの教科書 撮る楽しさを味わうための写真の手引き(MdN刊、税別2,000円)

(岡嶋和幸)