CSCH-56を装着したμTOUGH-8000。CSCH-56の価格は5,250円 |
梅雨が空けたらいよいよ夏本番。海や山でのレジャーで活躍するのが、いわゆる防水デジカメだ。私も今年はμTOUGH-8000を購入してみた。2mからの対落下衝撃、100kgfの耐加重構造、水中10mの防水性能、マイナス10度の耐寒性能を備える地上最強のタフネス性能。そしてそれを裏付けるようなゴツい外観が気にいっている。とりわけ、どんなにハードに使っても内部はビクともしないであろう、プロ用デジタル一眼レフカメラ真っ青の分厚い外装がたまらないのだ。さらにデジタルカメラでは珍しい、ボディ前面の鏡面仕上げにも惹かれて購入した。一見してただ者ではない風貌を持つカメラなのだ。
ただしその鏡面仕上げが曲者で、光の加減によっては細かい傷が目につきやすい。どうも爪が当たったところが傷になっているようだ。目につきやすいといっても、よほど光の角度を限定しないと視認できないし、おそらくこの程度の傷はほかのデジタルカメラでもついているのだろう。とにかく鏡面仕上げはおおいに魅力的なのだが、傷がつくのは気に入らない。iPod touchの裏面と同じジレンマだと説明すればわかってもらえるだろうか。カメラにとって傷は勲章のようなものだと思うが、ことこのカメラについては、気になって仕方がない。
μTOUGH-8000ブラック。一見すると傷ひとつない美しいボディだが…… | 光の加減で細かい傷が見えることも。ふとした拍子に気になり出すととまらない |
というわけで、購入してしばらくは常にキルティングのポーチに入れて持ち運び、爪を切ってヤスリをかけてからでないと使わなかった。地上最強のタフネスカメラなのに、どのカメラよりも慎重に扱っていたわけ。さすがに空しくなり、専用のシリコンジャケット「CSCH-56」を購入してみた。
携帯オーディオプレーヤー向けのアクセサリーとしてよく知られているシリコンジャケットは、デジタルカメラの世界でも結構古くから存在している。有名なのは、デジタル一眼レフカメラ用の「カメラアーマー」だろう。コンパクトデジタルカメラ用では、デルキンデバイセズの製品をデジカメWatchでいくつか紹介したことがある(7月8日付けで生産終了が発表された)。
CSCH-56のパッケージ | 専用設計だけに、ボディにあった開口部が設けられている |
正面 | 背面 |
装着したところ。モードダイヤルと液晶モニターは露出する | ストロボやマルチコネクタカバーに加え、電源ボタン横の水中検知センサーもオープンになっている |
電池/カードカバー部や三脚穴もジャケットから露出。ジャケットを装着したまま三脚が使えるのはうれしい |
装着方法は、液晶モニターに合わせた開口部を大きく伸ばしてグイと開き、ボディ側面から突っ込む。その後は微調整で合わせる。
さすが専用設計だけあって、μTOUGH-8000用のボディにピッタリフィットする。レンズ、ストロボ、バッテリーおよび記録メディア室など以外が白いシリコンにすっぽり覆われ、一見すると別のカメラのようだ。装着前のハードな雰囲気は消え、求肥で覆われた和菓子のような、大人しい見た目になってしまった。
それよりも気になるのは、ジャケットによる操作性の変化だろう。モードダイヤルは露出しているので変わりなし。シャッターボタンは防水デジカメなので元来固く(それでも以前のモデルに比べると普通のデジカメに近くなった)、レリーズの感触は装着前と大きく変わらない印象だ。4方向ボタン中央のMENU/OKボタンも問題ない。4方向ボタン周囲にあるMENUボタン、再生ボタン、DISPボタン、OR/消去ボタンも慣れれば困るほどではない。はっきりと押しにくくなったと感じるのはズームボタンだ。
表面素材のおかげで、グリップしやすくなるのは好ポイント。ちなみにジャケット装着時にも、μTOUGH-8000の特徴であるタップコントロールも可能だった。
柔和な見た目は若干寂しいものがあるが、傷に強くなったのは素直にありがたい。ポーチなしで持ち歩けるようになったし、最近になって持ち出し頻度が増えたのは、何よりもこのシリコンジャケットのおかげだと思う。たまにシリコンジャケットを取り外し、鏡面仕上げを眺める日々だ。
2009/7/16 00:00