デジカメアイテム丼
時代はフィルムからガラスへ…業界最薄0.15mmの魅力とは?
ゴリラガラス4を採用 ケンコーZeta Super Slim液晶保護ガラス
Reported by 礒村浩一(2015/8/28 07:00)
みなさんはデジタルカメラの液晶モニターを保護するカバーをお使いだろうか。頑張って手に入れた大切なデジタルカメラだけに、液晶モニターの傷つきはなんとしても避けたいところだ。それゆえに新しく購入したカメラには保護カバーを必ず貼付けるという人も多いことだろう。
しかし液晶モニターになにかを貼付けることで表示された画像の見え方が緩くなってしまったり、周囲の明かりが反射してしまい見にくくなってしまった経験もあるのではないだろうか。かくいう筆者も液晶モニターに保護フィルムを貼ったこともあるのだが、その見にくさに使用をやめてしまった経験がある。
だが最近、フイルムタイプより画質の変化が少ないガラスタイプのものが出回り始めているという。また同じガラスタイプでも、以前と比べると飛躍的に強度が高まっているとのことだ。
そのなかでも先日ケンコー・トキナーから発表された「Zeta Super Slim液晶保護ガラス」は、強度が大幅に向上したうえに、フイルムタイプの見えにくさという不満を大きく改善してくれる製品だという。そこで今回は実際にデジタルカメラの液晶モニターに「Zeta Super Slim液晶保護ガラス」を装着してその見え具合を検証してみることにした。
最新のゴリラガラス4を採用
今回取り上げる「Zeta Super Slim液晶保護ガラス」はデジタルカメラの液晶モニターを保護する強化ガラス製のカバーである。強化ガラスのなかでも非常に強度が高いとされる米コーニング社製の高強度薄型ガラス「ゴリラガラス4」を採用していることが特徴だ。
ちなみにゴリラガラスとは特殊な製法によって作られ、衝撃や傷に非常に強いことで知られる。主にスマートフォンの画面に採用されており、そのなかでも昨年発表された「ゴリラガラス4」はそれまでのゴリラガラスと比較しても大幅に強化されており、より割れにくく傷つきにくいガラスとして各方面から期待が高まっている素材である。
これが、ケンコー・トキナーよりあらたに発売されたZeta Super Slim液晶保護ガラス。素材に米コーニング社製の高強度薄型ガラスゴリラガラス4を採用したことで厚さ0.15mmという薄さと表面鉛筆硬度9Hを実現している。
保護ガラス本体に加え、アルコール清掃紙、クリーニングクロス、ホコリ取りシールがセットになっている。保護ガラスには、貼り付け時に使用する「シール1」と「シール2」がセットされている。
まずはアルコール清掃紙で保護ガラスを貼付けるカメラの液晶モニターの指や鼻の頭などの油脂汚れを丁寧に拭き取る。
次に、クリーニングクロスでアルコールの拭きムラをしっかりと拭き取る。
必要に応じてホコリ取りシールでモニター面のホコリを吸着除去する。
保護ガラスを貼付ける直前にブロワーの風で液晶モニター面にホコリが付いていない状況を保つ。
保護ガラス表面を覆っているシール1を剥がし、ガラス面に指を振れないように注意してカメラの液晶モニターに慎重に貼りつける。
Zeta Super Slim液晶保護ガラスはガラス製でありながら、その薄さゆえ、若干の反りであれば割れることもない。液晶モニターの端にガラスの端をそろえたうえで、付属のクリーニングクロスで空気を押し出しながら少しずつ貼付けるのがキレイに貼付けるコツだ。
保護ガラスを液晶モニターの全面に貼付けたらクリーニングクロスで均一に押さえて気泡が残らないようにする。
最後に保護ガラスのフィルム2を剥がして完成。フィルム式よりも気泡も入りにくく意外な程簡単に貼付けられる
液晶モニターを表示させてモニターとガラスの間にホコリが挟まっていないことを確認する。
貼付けた保護ガラスをカメラ斜め上から見てみるとその薄さがよく判る。厚さは0.15mmというガラスカバーとしては特筆すべき薄さ。これまでフィルムタイプでしか対応出来なかったバリアングル液晶モニターにも使用可能だ。
またガラスのエッジはきれいに面取りがされているラウンド加工。安全面とデザインが両立されている。
画質・見え方に一切の妥協なし
Zeta Super Slim液晶保護ガラスの大きな特徴のひとつとして、ガラスならではの透明性とそれによる画質劣化の少なさが挙げられる。
実は筆者はデジタルカメラの背面モニターには保護するためのガラスやプラスチック板、フィルムは貼付けない主義だ。過去になんどかこれらの製品を使用した経験もあるが、いずれも撮影画像の精細感が損なわれてしまったり、色味やコントラストが変化してしまったことがあったからだ。
今回、Zeta Super Slim液晶保護ガラスを試用するにあたり、いちばんの不安点はやはり画質の変化であった。しかし、実際にZeta Super Slim液晶保護ガラスを貼付けた液晶モニターを見ても画質の劣化はほぼ見られず、また明るさやコントラスト、色味さえも何も貼付けていない状態との差を見いだすことはできなかった。
下の写真は、液晶画面の左側半分にのみZeta Super Slim液晶保護ガラスを貼付け、なにも貼っていない右側の画像との見え方の違いを確認しているところだ。
空の明るい部分のヌケ具合、雲のトーン、岬のシャドウの締まり具合、海面の色の発色のいずれを見ても左右で差はほとんど認められないのはすごい。
次に気になるのが、カバーを貼付けることにより周囲のものの映り込みや、指や鼻の頭がモニターに接触することによって付着する油汚れによって引き起こされる液晶モニター画像の見えにくさだ。
ところがこの杞憂を軽く払拭するほど、このZeta Super Slim液晶保護ガラスは、映り込みおよび油汚れによる影響は少ない。それもそのはず保護ガラスとしては類を見ないほど協力な反射防止コーティング「ARコート」と防汚コーティング「ASコート」が施されているのだ。
Zeta Super Slim液晶保護ガラスを貼付けた液晶モニターをほぼ正面から撮影してみた。
通常であれば撮影しているカメラや撮影者、その周囲のものがモニターに映り込むところだが、このようにほとんど映り込みが見られない。表示された画像も非常にクリアでコントラストも高い。静電容量式タッチパネルにも対応している。
次に、Zeta Super Slim液晶保護ガラスを貼付けた背面モニターに、親指で直接触れたうえで、指を少しずらして指紋の付き具合をみた。
よく見るとうっすらと指紋が残っていることが判るが、その影響は驚く程にちいさい。
光学製品の域に達した保護ガラス
今回試用したZeta Super Slim液晶保護ガラスは、これまでに液晶モニター面の保護と画面の見え方のどちらを優先するか、といった際に怒っていたジレンマを、一挙に解消してくれる強度と画質を兼ね備えた製品だ。
先にも述べたが筆者はモニターの見え方を優先すべくモニター面を保護する製品の類いは使わない派であった。だが画質にも影響がなく、それどころか汚れや映り込みの悩みをおおきく改善してくれるこの製品は、これまでの認識を改めざるを得ないほどの能力をもっている。
それは高性能なフィルターを開発販売しているケンコートキナーが目指すところの「光学製品」だといえるだろう。同社が開発販売する高性能レンズフィルターZetaシリーズの名前を液晶保護ガラスに冠していることこそが、何より自信の現れだといえる。
メーカー希望小売価格が4,200円(税別)と保護ガラスとしては決して安い製品ではないがその効果は十分に実感することが出来ることだろう。
発売時期
ニコン用
D7200/D7100用 (ZCG-ND7200):8月21日発売
D5500/D5300用 (ZCG-ND5500):9月中旬発売予定
D3300/D3200用(ZCG-ND3300):8月21日発売
D4S/D4用(ZCG-ND4S):9月上旬発売予定
D810用(ZCG-ND810):9月上旬発売予定
D750用(ZCG-ND750):9月上旬発売予定
キヤノン用
EOS 7D Mark II用(ZCG-CEOS7D2):8月21日発売
EOS 70D用(ZCG-CEOS70D):8月21日発売
EOS Kiss X8i/X7i用(ZCG-CEOSKISS8I):8月21日発売
EOS-1D X用(ZCG-CEOS1DX):9月上旬発売予定
EOS 5Ds/sR/Mark III用(ZCG-CEOS5DS):9月上旬発売予定
EOS 6D用(ZCG-CEOS6D):9月上旬発売予定
ソニー用
α7S/7/7R用(ZCG-SA7S):9月上旬発売予定
サイバーショットRX100 Ⅳ用(ZCG-SCSRX100M4):9月上旬発売予定
オリンパス用
E-M10/E-M1用(ZCG-OEM1):9月上旬発売予定
E-PL7用(ZCG-OEPL7):9月上旬発売予定
富士フイルム用
X-T10用(ZCG-FXT10):9月上旬発売予定
ペンタックス用
K-3 II/K-3用(ZCG-PEK32):9月上旬発売予定
(制作協力:株式会社ケンコー・トキナー)