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エツミ ボールヘッドシュー「E-6116」

カメラ2台で「静止画+動画」の同時記録に挑戦

上段に動画用のIXY DIGITAL 210 IS、下段に静止画用のEOS 5Dという組み合わせ。2台をつなぎ止めているのがボールヘッドシューのE-6116だ。価格は2,625円

 今回紹介するエツミの「ボールヘッドシュー」(E-6116)は、重さ約60g、高さは52mmという小さなアイテム。しかし、使いようによっては三脚1本に匹敵する優れモノだ。外観は小型ボールヘッド雲台(自由雲台)とよく似ているが、よく見ると下部にあるべき三脚に取り付けるネジ穴がなく、その代わりにストロボなどを差し込むホットシュー用クイックシューが設けられていることに気付く。

 使い道は色々ありそうなこのアイテム、今回はデジタル一眼レフカメラの上面にコンパクトデジタルカメラを取り付けることで、デジタル一眼レフカメラで静止画、コンパクトデジタルカメラで動画を撮るという使い方を試してみた。そのメリットは3つ。1つ目は静止画と動画をほぼ同じアングルで同時に撮影できること。2つ目は静止画撮影中に動画撮影が負担に感じられないこと。3つ目はコンパクトデジタルカメラを三脚で固定するため、手持ちで撮影した動画に生じやすいアングルの不安定なブレをほぼ排除できることだ。

 使用方法は極めて簡単。上部のボールヘッド状の取り付け台は側面にあるネジを使って固定・回転を行なう。コンパクトデジタルカメラの取り付けは三脚用の自由雲台と同様に、取り付け台を回転させてネジを差し込む。下部のクイックシューはストロボと同様に、デジタル一眼レフのホットシューに差し込んだ後でネジを回転させて固定する。

 E-6116本体には十分過ぎる強度が与えられているようで、筆者が入手した個体の化粧箱には「Made in Japan」と記されている。手で持ってみるとスペック以上に重く感じると同時に、かなりの強度と精度を併せ持つという印象を得た。今回はキヤノンIXY DIGITAL 210 ISを装着したが、調子にのってもう少し重めのカメラを取り付けても耐えられるだろう。しかし度を超した使い方をすると、デジタル一眼レフカメラのホットシューの方がダメージを受けてしまうかもしれない。

 また、E-6116の化粧箱の解説には、「ビデオのライトや液晶モニターをセットしたり、シュー付きブラケットに取り付けたりと、アイディアしだいで用途はいろいろに。」と書かれているだけで、なぜか「カメラの上にカメラを取り付ける」という使い方が紹介されていない。おそらくデジタル一眼レフカメラのホットシューとしては想定外の使用法であり、エツミとしても保証を考えていないのだろう。取り付けるコンパクトデジタルカメラは、なるべく軽量なモデルが好ましいと思われる。試される方は自己責任でお願いしたい。


上部が撮影アクセサリーを取り付けるボールヘッド状の取り付け台、下部がホットシューに差し込むためのクイックシューという構成になっている

 ちなみに、E-6116を使った筆者の動画・静止画同時撮影では、デジタル一眼レフカメラのシャッターを切るときに、もっぱらレリーズケーブルを使っている。コンパクトデジタルカメラで撮影する動画のブレを避けるためだ。シャッターボタンを直押しすると、押す度に時計回りにアングルが傾く恐れがあり、さらにレリーズ待機中に手から伝わる振動をコンパクトデジタルカメラに拾われてしまう可能性もある。

 もしコンパクトデジタルカメラがレリーズケーブルに対応するなら、デジタル一眼レフとの2台体制による静止画撮影も可能かもしれない。しかし、液晶モニターのタイムラグなどを考慮すると、筆者としてはコンパクトデジタルカメラの方は動画撮影に徹したほうがよいと思う。

 実際の撮影はシンプルだ。デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジタルカメラのアングルを決定したら、時刻表で撮影したい鉄道車両が撮影スポットを通過する時間をチェックする。コンパクトデジタルカメラの方は通過時間のちょっと前から動画記録状態で放置する。鉄道車両が通過して静止画の撮影が終わったら、次にコンパクトデジタルカメラの録画を停止する。これでお終いだ。

 録画開始後のコンパクトデジタルカメラを放置状態にする理由は、静止画と動画という「二兎を追って一兎も得られなかった」という最悪の事態を避けるためである。なお、動画ファイルの容量は前後の余計な時間も撮影することになるので少しだけかさむ。だから不要な部分は帰宅後にPCで編集してカットすることが前提となる(掲載した動画は編集前のもの)。

 最初に実戦投入した撮影場所は、インド・ウエストベンガル州のダージリン・ヒマラヤン鉄道。デジタル一眼レフカメラにEOS 5D、コンパクトデジタルカメラにIXY DIGITAL 210 ISを使用した。結果からいうと、使用感は極めて良好だった。

 ボールヘッド部は三脚用の雲台と同じ構造であることから、設定角度は自由自在。IXY DIGITAL 210 ISの格子表示モードも併用することで、簡単に水平をとることができた。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、撮影画像を別ウィンドウで表示します。
  • 静止画はPhotoshop Lighroom 2.0で現像したものです。
  • 再生の都合上、動画はFLVに変換しています(別途、1,280×720ピクセルの元画像へのリンクも用意しました)。

 初撮影はバタシア・ループ。以前に三脚が1本しかなかったために、動画をあきらめて静止画撮影に専念するしなかなった。しかし、今回はE-6116があるので問題なく静止画と動画の撮影ができた。

ダージリン・ヒマラヤン鉄道の蒸気機関車牽引列車。背後の雪山は世界第3位の高峰カンチェンジュンガ。静止画と動画ともに横位置で撮影
EOS 5D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約7.3MB / 3,888×2,592 / 1/1,250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / 32mm

 

 

004.mov(変換前・撮影後そのままの動画:約232MB)

 

 E-6116を使っているときにデジタル一眼レフカメラを縦位置にすると、コンパクトデジタルカメラも縦位置になってしまう。それでは動画まで縦位置で撮影されてしまい、自宅のテレビで観賞する時に困るだろう。そこで筆者はE-6116の上に、小型のボールヘッド雲台をもう一つ取り付けることにした。

静止画を縦位置で撮影するデジタル一眼レフカメラにコンパクトデジタルカメラを取り付ける場合、ボールヘッド雲台などを間に装着することで、コンパクトデジタルカメラを横位置にすることができる。動画が縦位置にならない

 そうすることでEOS 5DとIXY DIGITAL 210 ISが、お互いに干渉し合うことなくアングル調整ができた。むしろ調整可能箇所が増えることから操作性が向上するとも思える。しかし、デジタル一眼レフのホットシューへは複雑な圧力が加わっていると思われるので操作には細心の注意が必要だだろう。

ダージリン・ヒマラヤン鉄道の蒸気機関車牽引列車。ダージリンの街中を路面電車の様に走り抜ける。静止画は縦位置だが、動画は横位置で撮影
EOS 5D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約2.8MB / 1,728×2,592 / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO500 / 58mm

 

006.mov(変換前・撮影後そのままの動画:約195.2MB)

 なお、E-6116の土台となるデジタル一眼レフカメラに超望遠レンズなどを装着して全長が長くなった場合、コンパクトデジタルカメラの動画にケラレが生じる可能性に気付いた。そこで、下段はキヤノンEOS 5D+EF 70-200mm F2.8 L USM+純正レンズフード+シグマ2倍テレコン、上段はキヤノンIXY DIGITAL 210 ISを水平に取り付けて検証。IXY DIGITAL 210 ISはズームをワイド端にして最高画質で動画を撮影してみた。この場合、結果はケラレなしと出た。ケラレが心配なら小型のボールヘッド雲台などをもう1台間にいれて、コンパクトデジタルカメラの位置をもう少し高くしてみるのも悪くないかもしれない。

  今回の撮影はインドの山奥やタイの田舎で行なった。どちらも公共交通を利用して訪れる撮影地であり、雨具、飲料水、ちり紙などを優先的に持ち運ぶ。2本目の三脚の携帯は事実上不可能な撮影旅行だった。だから被写体を静止画とともに動画でも記録できたのは、E-6116があったからこそといえる。

 もちろん動画的にはちょっと物足りない点があることも確かだ。1つ目はズームやパンなどの操作が利用できないこと。2つ目は、デジタル一眼レフカメラのシャッター音も動画の音声に記録されてしまうことだ。しかし、それでも動画撮影ができないよりマシだろう。せっかくの撮影チャンス、動画と静止画の両方を容易に残せる魅力は大きい。いまや筆者の持つ撮影用品の中でも、出動回数が多いアイテムだ。

鉄道撮影地での決戦時にもE-6116は有効だ。ケンコーマルチアーム(テッチャンバー)で1本の三脚に取り付けた複数台のデジタル一眼レフカメラの上に、さらにコンパクトデジタルカメラを追加することができる ソニーや旧コニカミノルタのデジタル一眼レフカメラでE-6116を使用する場合、ホットシューの変換アダプターが必要になる

(斉藤博貴)

2010/1/15 00:00


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