気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
リコーGR【第1回】
ブロガー目線で試す“新生スナップシューター”
(2013/6/20 00:00)
こんにちは。はじめまして。フォト・ガジェット系ブロガーのHAMACHI!です。リコー「GR」の「長期リアルタイムレポート」を担当することになりました。
なぜ、おまえが? という声も聞こえてきそうですが、ちょうどデジカメWatchの編集部では、GRの長期レビュアーに、「ブロガー」を考えていたとのこと。古くは「RDC-7」、もうちょっと近くでは「Caplio R7」から、最近の機種では「GXR」のユーザーとしても、拙ブログの「まわりぶろぐ」のトピックとして更新してきたのを、ありがたいことに目に留めていただいたようです。で、自腹でGRを買ったところもチェックされたという……。
メーカーとは全く利害関係がない独立したブロガーなので、編集部からも「何を書いても良い」と言われています。この長期レポートで、GRに馴染んでいくサマを、とくにGRを購入された方、検討している方はぜひ一緒に、オンでもオフでも、ツッコミを入れつつ、楽しんでいただければ幸いです。
で、GRといえば、ご存じの通り、リコーブランドのカメラのフラッグシップモデルです。でも、冷静に考えると良質のレンズとAPS-Cサイズのセンサーを搭載したGXRのA12、A16ユニットの方が、これまでの「GR DIGITAL」に比べて高画質な写真が撮れるはずなのですが、フラッグシップと言われることもなくGXRは、そのユニークなコンセプトから、いろいろと揶揄されつつも、実を取りつつ、微妙な立ち位置でこれまで頑張ってきています。
GRユーザーでも、GXRや一眼レフを別に持っている方が多いのも、やはりそのあたりで使い分けているユーザーさんが多いからですよね。僕がこれまでGR DIGITALを買うまでに至らなかったのも、やはり「画質」はスペック的にフラッグシップではなかったという想いからなわけです。
しかし、5月24日に発売された、最新のGRには、歴代最高、しかも世界最高レベルの「GRレンズ」が搭載されて、さらにこれまでの1/1.7型センサーの約9倍も大きな、APS-Cサイズで有効1,620万画素のCMOSセンサー内蔵で登場してきました。
もう、フラッグシップの画像がどうこうと言い訳もできず、“もはや後に引けない”状態になったというわけです。ちょうど東京で開催された「GR 体感&トークライブ」でセミナーを聴いて、実機を確認、予約して発売日当日に購入しました。
このレポートでは、GRをGXRと比較しつつ、一般ユーザーに近いブロガー目線で、画質、使い勝手、新機能などを紹介していく予定です。
今回は、GRで「オート」か「プログラムオート」、あるいはデフォルトに近い状態で“撮ってみました”的写真をお届けします。基本的に「撮って出し」のJPEGで、ブログには載せていない写真がメインになります。ブログと併せて読んでいただけると、何か見えてくるかもしれませんよ。
まず、GRを持ってみると、意外な軽さに驚きます。APS-Cセンサーが入ってこのコンパクトさだから、ずっしりしているのかと思いきや、あっけないくらい軽い。ってことは、まだまだ小さくできるってことですね。まぁ、でも小さくしなくても良いので、やはり手ブレ補正機能は欲しいかな。
GRのレンズの画角は、伝統的にちょっと広角な28mm相当で統一されてきました。見たもの、目に入るものは何でも写真に残したいというブロガー気質にも、とてもマッチするカメラでもあります。今までのGR DIGITALに比べて、実焦点距離が長くなっている分、被写界深度は浅くなり、ボケ方が大きくなるので、より伝わる写真が撮りやすくなるはず!
AFのエリアは、なんと7種類から選べます(GXRは5種類)。僕自身は、さらっと状況をスナップする時はカメラ任せの「マルチAF」、被写体が決まって撮る時はGXRよりもやや大きめサイズの「スポットAF」、被写体の一部などを息を止めて本気で撮る時は、「ピンポイントAF」というように使い分けています。
デフォルトの「マルチAF」は、9カ所のAFエリアからもっとも近い部分にピントを合わせます。「スポットAF」と「スナップ」のフォーカスエリアの大きさは同じですが、スポットAFではAFエリアが中央固定に、スナップは、あらかじめ「スナップ時フォーカス距離」をカメラ内の「撮影設定」で選択した距離でピントが合います。ピンポイントAFは、スポットAFよりもさらに小さいエリアでピントを合わせてくれます。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
- 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
簡単に撮影したい時、あわてている時などは、「オート撮影モード」(緑のカメラマーク)で。近接撮影(マクロ)も自動的に対応してくれますので、カメラをまだ使い始めの頃は、これでもあまり問題ないでしょう。オートといえどもさすがGR、露出補正も、画像の色合い設定も、エフェクトも、ダイナミックレンジの補正機能も、35mmクロップも使えます。AFエリアがマルチAFで顔認識優先になります。
「プログラムシフト(P)モード」にすると、「適切な絞りとシャッタースピードの組み合わせ」が選べるようになるので、ボケ具合を調整して楽しめるようになります。また、ISO感度を設定することもできるようになるので、画質にこだわった撮影が可能になってきます。その他、AFエリアの設定や測光モードの変更ができます。
電源ON時のPモードの絞りのデフォルト値はF4のようです。なので、より背景をボカしたいという時は、シャッターボタンを半押しして、前面にあるダイヤルで絞りを調節する必要があります。電源を入れたらF2.8で撮りたいという場合は、Av(絞り優先)モードで設定しておけば、前回の電源オフの設定値で立ち上がるので、そちらの方が便利かもしれませんね。あとは、マイセッティングにF2.8の絞り値も込みで覚え込ませておくという手もあります。
AFの合焦スピードは、光の量が十分あれば、気持ちよく素早く合ってくれます。が、光の量が減ってくると、やや遅くなります。マクロのAFは、行ったり戻ったりを1回半くらいしてから合うので、これはGXRユーザーとしては我慢できるスピード(笑)なのですが、そうではないとちょっと遅く感じるかも。でも、きっと大丈夫! GRには機能拡張ファームウェアのアップデートがあります。期待していいですよね?>関係者各位。
まずGRで僕が最初に目指しているところは、GXRと同じくらいに料理が美味しそうに撮れる条件を探すこと。ライフログデバイスとしてのGRにも期待しています。
GRには、「エフェクトモード」が用意されていて、白黒、白黒(TE)、ハイコントラスト白黒、クロスプロセス、ポジフィルム調、ブリーチバイパス、レトロ、ミニチュアライズ、ハイキーが選べます。
GXRでは、「画像設定」に入っていた白黒、白黒(TE)はこちらから、また、シーンモードに入っていたミニチュアライズ、ハイコントラスト、クロスプロセスもエフェクトモードに統一されました。エフェクトモードは、どの撮影モードからも選べます(動画は一部制限あり)。
で、買って早々に小さなトラブルが。
GRの充電は、買ったままだと充電器が付属していません。充電池をGR本体に入れて、付属のUSBケーブルで接続して本体で充電するという最近よくあるパターン。ただし、コネクタ形状が特殊なので、他のUSBケーブルと共用はできなさそうです。ノートパソコンなどと一緒に出かけるときは、PCから充電できるのでちょっと便利な面もあるのですが、僕のMacBook Proの場合、最初は認識されるものの、数分でエラーが出て充電されなくなります。付属のアダプターでコンセントに差し込めばよいので、それほど困ってはいないのですが、いつか解決したい問題ではあります。