- ボディ:ソニー NEX-5N(ブラック)
- レンズ:カールツァイス ゾナー 50mm F2
- マウントアダプター:三晃精機 Eマウント用ロボット(ローヤル)マウントアダプター
- EVF:ソニー FDA-EV1S
- ストラップ:マップカメラ HARVEST LABEL FLYER'S カメラストラップ(セージグリーン)
以前、「ギミック満載のマウントアダプター」や「ロボットレンズはNEXでこそ活きる」にて、ロボット用マウントアダプターを紹介したことがある。ロボットマウント自体、相当にマニアックだが、今回はさらに上をいくマニアなマウントアダプターをピックアップしてみよう。三晃精機のロボットロイヤル用マウントアダプターだ。
ロボットロイヤルはロボットの後継モデルで、オットー・ベルニング社が1950年代に投入したレンジファインダーカメラだ。元々同社のカメラはゼンマイ仕掛けによる連続撮影を得意とし、主に監視カメラや軍事用途で活躍してきた。こうしたバックグラウンドを持つため、前身となるロボットは、目測式でホビーカメラとしてはずいぶんと素っ気ない仕様だ。ところが、折しもライカの人気が急上昇していくにつれ、オットー・ベルニング社も距離計連動式カメラに本腰を入れる。それがロボットロイヤルというわけだ。
ロボットロイヤルのマウントは、スクリュー式をバヨネット化しためずらしい様式だ。レンズとボディ側マウントに互い違いにねじ切りがある。ボディのレバーをスライドすると、両者のねじ切りが噛み合う仕組みだ。バヨネットというよりも、スライド式スクリューマウントとでもいえばよいだろうか。
このようにロボットロイヤルは独自スタイルのマウントだが、基本的にスクリュー式であることには変わりない。そのためマウントアダプター自体はシンプルにねじ切りが施してある。ただし、そこは三晃精機の製品だけあって、アダプター外周にパンチングをあしらい、他に類を見ない迫力に満ちた仕上がりだ。こうした奇抜なアイディアは、いつもながら驚かされる。
ストラップはミリタリー調のものを合わせてみた。これはマップカメラがハーヴェストレーベルに特注した製品で、初期のMA-1(アメリカ軍のナイロン製フライトジャケット)をイメージしている。マテリアルはハーヴェストレーベルお得意のフライヤーズナイロンを使用し、定番のセージグリーンをはじめ、ブラック、エアフォースブルーの全3色展開だ。MA-1は80年代頃に流行し、現在40代前後の男性諸氏であれば、ずいぶんと懐かしい気持ちになるのではないだろうか。
HARVEST LABEL FLYER'S カメラストラップは4,980円。マップカメラの特注ストラップだ | ハーヴェストレーベルのタグが縫い付けてある。レザーパッチの質感も秀逸だ |
カラーバリエーションは全3色。軽量なわりに耐久性にある素材だ |
レンズはカールツァイスのゾナー50mm F2を選んでみた。ロボットロイヤルはカールツァイス製レンズとシュナイダー製レンズが豊富にそろっており、ゾナー50mm F2は定番どころの標準レンズだ。今回はあいにく曇天下での作例撮影となったが、光量の乏しい条件でもコントラストが安定し、発色も力強さがある。開放ではわずかに甘さがあるものの、ゾナーらしいシャープで精細な表現だ。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
さて、NEX-5Nは本コーナー初登場となるが、オールドレンズと組み合わせた際の操作性はきわめて快適だった。まず、ある程度絞って撮影する場合は、ピーキング機能でざっくりとピント合わせできる。開放撮影のように厳密にピント合わせしたいときは、タッチパネルで手際よく拡大表示に切り替えることが可能だ。このタッチパネルの拡大表示がことのほか快適で、液晶上でお目当ての被写体をタッチするだけで、すぐさまその部分を拡大してくれる。ピント合わせしたあとはシャッター半押しで通常表示に戻ることができ、拡大表示の呼び出しが苦にならない。
また、NEX-5Nは電子ビューファンダー「FDA-EV1S」に対応しており、ファインダー派のニーズにも応える。XGA有機EL約235万ドットのパネルを採用するだけあって、のぞいたときの精細さは格別だ。オールドレンズ撮影の快適さという点において、NEX-5Nはトップクラスの性能といえるだろう。
2011/10/28 00:00