デジカメドレスアップ主義
ありそうでなかったα7 IIの後付けグリップ
α7 II + FL 58mm F1.2
2016年11月28日 08:00
- ボディ:ソニー α7 II
- レンズ:キヤノン FL 58mm F1.2
- マウントアダプター:mukカメラサービス muk FD-NEX P
- グリップ:SHOTEN HG-SA7
- ストラップ:0291factory RING STRAP BLACK
α7 IIならびにα7R IIは、どちらも大きなグリップを備えたミラーレス機だ。そのためサードパーティー製の後付けグリップはあまり見かけない。そうした中、焦点工房からオリジナル商品としてα7 II/α7R II用の後付けグリップが登場した。今回はこのグリップを軸にしてドレスアップしていこう。
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焦点工房のHG-SA7は同社オリジナルの木製グリップだ。グリップ部は血檀という高級木材を使っている。血檀は耳慣れない木材だが、二胡という胡弓に似た中国の楽器でよく用いられる木材だ。赤みを帯びた色が特長で、使い込むと黒ずんでいく。HG-SA7の木製パーツはこの血檀をハンドメイドで加工している。かなり複雑な形状だが、指を添えると自然な握り心地でしっかりとホールドできる。大口径レンズや望遠レンズなど、ウエイトのあるレンズと組み合わせるとよいだろう。
プレート部分はアルカスイス互換になっている。同規格の雲台にすみやかな着脱が可能だ。また、バッテリーにイージーアクセスできる設計になっており、実用性への配慮がうかがえる。価格もこなれていて導入しやすい後付けグリップだ。
ストラップは0291ファクトリーのリングストラップブラックを合わせてみた。同ブランドのストラップは本連載でも何度か紹介しているが、実はブラックというカラーバリエーションがなかった。今回、リングストラップを筆頭に、ボトルダウン、エイトノットといった3シリーズにブラックバージョンが登場し、ブラックストラップというシリーズ名で展開している。同ブランドはカメラストラップにあえて金属パーツを多用するのが特長だが、このリングストラップブラックでもそのテイストは健在だ。真鍮パーツと赤錆加工した金具を用い、ヘビーデューティーかつビンテージな雰囲気を醸している。
レンズはキヤノンのFL 58mm F1.2を選んだ。FLマウントはFDマウントと互換性があり、FLマウントレンズは原則的にFDマウントアダプターに装着可能だ。ただし、一部のFLマウントレンズはレンズ後端に段差があり、FDマウントアダプター内部のピン(絞り連動ピンを抑え込むためのピン)に干渉してしまう。そのためFLマウントレンズには装着不可のものがあり、オールドレンズの中では鬼門と目されていた。ここで用意したFL 58mm F1.2もレンズ後端に段差のあるタイプだ。オーソドックスなFDマウントアダプターには装着できない。
そこで今回は、mukカメラサービスのポーランド製FDマウントアダプターを用いた。このマウントアダプターは奥まった位置にピンがあり、段差ありのFLマウントレンズでも装着が可能だ。オールドレンズマニアからすると、段差ありFLマウントレンズを無改造で装着できることに、ちょっとした感動すらおぼえる。
ただし、このマウントアダプターならすべてのFLマウントレンズが使えるということではない。段差なしのFL 50mm F1.8を試したところ、レンズの絞り連動ピンとマウントアダプター側のピンが噛み合いがいまひとつで、装着できなかった(ピンを回避して取り付け、レンズ側をMモードにすれば実絞りで使用可能)。mukカメラサービスに問い合わせたところ、やはり付くレンズ付かないレンズがいろいろとあるようだ。このあたりがFLマウントレンズの鬼門たる由縁だろう。しかしながら、とりあえずは段差ありFLマウントレンズに活路があることをよろこびたい。