写真展

企画写真展「ピクトリアリズム」− 近代写真の夜明け −

(フジフイルムスクエア)

©エミール・コンスタン・ピュヨー 《無題》1900年頃 モダン・プラチナ・プリント

ピクトリアリズム(絵画主義)とは1800年代末期に一世を風靡した写真の潮流です。当時、写真はその記録性のみが注目されており、その「画(え)」は芸術作品としての認識や評価はなされておりませんでした。そんななか写真を芸術と認知させるべく、絵画的な写真を目指す動きが広がりました。ヨーロッパに端を発したこの活動はやがてアメリカへ展開し、ニューヨークではアルフレッド・スティーグリッツらが「フォト・セセッション」(写真分離派)を作り活動しました。

この写真展では、スティーグリッツをはじめとするピクトリアリズムの写真家たちの作品を展示して、近代写真の夜明けから絵画の模倣に決別を告げるまで、ひたすらに美を追い求めた写真家たちの思いを感じていただける写真展です。

(写真展情報より)

©バロン・アドルフ・ド・メイヤー 《室内装飾》1905-10年 プラチナ・プリント
©アルフレッド・スティーグリッツ 《マリー・ラップの肖像》1914年 プラチナ・プリント

プロフィール

アルフレッド・スティーグリッツ (アメリカ、1864-1946)
富裕なユダヤ系ドイツ人家庭に生まれる。ベルリンで機械工学を学び、写真へも興味を抱く。1890年ニューヨークでスタイケンらと「フォト・セセッション」を結成。写真と絵画とを完全に分離させ、写真の芸術性や社会的地位を高め、精神性の高い写真独自の芸術表現を目指した。常に芸術論争の中心人物であり、「近代写真の父」と称される。

エミール・コンスタン・ピュヨー (フランス、1857-1933)
1885年頃から写真を始め、1894年芸術写真を追求するパリ写真クラブに参加。ピクトリアル写真家と称されるロベール・ドマシーをサポートし、第一回パリ写真サロンを開催する。ドマシーとゴム印画やオイル印画などの技法について共同で実験を行い、ポートレイトや田園風景など絵画的な要素を強く感じさせる作品を制作した。

バロン・アドルフ・ド・メイヤー (ドイツ、イギリス、アメリカ、1868-1946)
ドイツ生まれ。1896年イギリスで写真家としての活動を始める。やがて、スティーグリッツ主宰のギャラリー「291」(NY) にて展覧会が開催されるなど高い評価を得る。『ヴォーグ』や『ヴァニティ・フェア』などで活躍。グラマラスなスタイルと洗練された写真はファッション界と初期のハリウッドに極めて大きな影響を与えた。

会場・スケジュールなど

  • ・会場:フジフイルムスクエア(写真歴史博物館)
  • ・住所:東京都港区赤坂9-7-3東京ミッドタウン・ウェスト
  • ・会期:2015年2月3日火曜日〜2015年4月30日木曜日
  • ・時間:10時〜19時(入館は18時50分まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

(本誌:折本幸治)