キヤノンは2月18日、デジタルカメラ新製品の発表会を都内で開催した。ここではその模様をお伝えする。ここの製品については、記事末のリンクを参照されたい。
なお、これら新製品は2月25日から開催するCP+2016で展示される。
国内の市場動向を説明したキヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の坂田正弘氏は、「2015年は本格的な需要回復には至らなかったが、秋以降は戻ってきており潜在需要はある。2016年後半から回復のペースが上がるだろう」とした。
キヤノンマーケティングジャパン代表取締役社長の坂田正弘氏 コンパクトデジカメ市場は縮小傾向だが、「ここ3年の平均単価は上昇している。高級機や高倍率機の販売が好調なためだ」(坂田氏)という。なお、2015年はレンズ交換式、コンパクトともシェアトップだったとした。特にコンパクトデジカメのシェアは3割で過去最高のシェアという。
2016年はオリンピックイヤーとあって、同社のスポーツやスポーツ報道への取り組みを説明 発表会場には、スポーツ大会などで設置されるキヤノンのサービスデポが登場。取材者のカメラのクリーニングを行った。発表会でこうしたデポが置かれるのは初めて 「EOS 80Dは上位機に迫る性能」
製品説明はキヤノン専務取締役 イメージコミュニケーション事業本部長 眞榮田雅也氏が行った。眞榮田氏は3月の取締役会議などを経て、代表取締役社長COOに昇格することが内定している。
キヤノン専務取締役 イメージコミュニケーション事業本部長 眞榮田雅也氏 2月18日発表の「EOS 80D」は、「前モデルからキーデバイスを一新し、上位機に迫る性能を実現した」と紹介。デュアルピクセルCMOS AFや新レンズによる動画撮影のしやすさもアピールした。
EOS 80Dは下位モデルに対してAFやファインダー内情報を充実。動く被写体に対しては、EOS 8000Dより追従性で優れるという 同時に発表された新レンズ(キットレンズ)「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USM」 新レンズはナノUSMを初搭載し、動画でも静かで滑らかなAFが可能としている 同レンズをパワーズームとして利用できる「パワーズームアダプターPZ-E1」もリリース 側面のボタンでパワーズームが可能。ズーム速度は可変できる PZ-E1のギアがレンズの溝に噛み合ってズームリングを動かす。接点でテレ端、ワイド単に達したことをアダプターに伝える PZ-E1を装着したところ。スイッチの切り替えで、装着したまま手動ズームも可能 EOS 80Dのコミュニケーションパートナーは妻夫木聡さん また、2月2日に発表済みのプロ機「EOS-1D X Mark II」については、「最高レベルの一眼レフ。究極のフラッグシップ機を完成させた」と自信を見せた。センサーやAFも一新し、テストしたカメラマンからはAFなどについて従来機を上まわる性能との評価を受けたという。
デジタルレンズオプティマイザーをEOSで初めて内蔵した 新AFでは、近づいてから遠ざかる被写体への追従性が特に高まったとしている デュアルピクセルCMOS AFをフルサイズEOSで初めて搭載 デジカメ市場縮小への対策について眞榮田氏は、イメージングの技術を元にビジネス向けやインダストリー向けを含めた全体として事業を膨らませて行きたいとの考えを述べた。
また会場では、同日発表されたコンパクトデジタルカメラやプリンターも展示された。
1型センサー搭載の高級コンパクト「PowerShot G7 X Mark II」 PowerShot G7 X Mark IIは、デュアルセンシングISにより4段分の手ブレ補正を実現した PowerShot G7 X Mark IIでは、EOS同様カメラ内RAW現像なども可能となっている ポケットサイズの40倍ズームコンパクト「PowerShot SX720 HS」 グリップが付いた高倍率の入門機「PowerShot SX420 IS」 スタイリッシュモデルIXYの新機種「IXY 190」 2月16日発表のA2対応プリンター「PRO-1000」も展示。業務向けの他、写真愛好家もターゲットとしている。※この写真でプリントしているのはA3サイズ バッテリーで動く小型フォトプリンター「SELPHY CP1200」 新製品に合わせて各種のキャンペーンも開催する。
EOS 80Dのキャンペーン。購入でバッテリーパックなどがもらえる PowerShot G7 X Mark IIのキャンペーン。名前入りのパイロット製万年筆などがもらえる 3月12日からは、大阪・梅田で新製品の展示会を行う