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プロフォト日本法人が10周年、今後の戦略を明かす

コンシューマー市場も見据えた展開へ 新たにショールームを開設

左からプロフォト株式会社の河原克浩代表取締役、ProfotoのAnders Hedebark CEO

プロフォト株式会社は9月11日、創立10周年を記念したレセプションをスウェーデン大使館で開催。スウェーデン本国よりCEOのAnders Hedebark氏が来日し、基調講演の中で今後の展開にも触れた。

意外と歴史ある日本とプロフォトの付き合い

スタジオ用のストロボとそのアクセサリーで知られるプロフォト。日本との付き合いは以外と古く、1971年にはPro-1の輸入販売が行われていた。その後、2005年5月に現地法人としてプロフォト株式会社が設立。同年9月より事業を開始し、いまに至っている。

その間、無線によるAir Systemや、デジタル用モノブロックストロボD1 Air、TTL対応モノブロックストロボB1 500 AirTTLなどヒットを飛ばすことに。売上高は、創立から10年で約7倍に膨れ上がったという。2015年3月にはTTL対応のバッテリーストロボ&ヘッドB2 250 AirTTLを発売。これまでにないシステムが話題になった。

登壇した日本法人代表取締役の河原克浩氏によると、海外では写真家専属のアシスタントが、写真家のそれぞれの作風に合わせてライティングのアレンジをする。一方日本では、写真スタジオ専属のアシスタントが機材に詳しく優秀とのこと。こうした違いはあるものの、輸入当初よりプロフォトの機材はレンタルスタジオでの引き合いが多く、その結果、日本市場は世界でも有数のシェアを誇ったという。

また「日本人は器用なので、ライトシェーピングアイテムは自作する人が多い。海外よりも売れない傾向がある(笑)」との内幕も明かした。

現在はワークショップなど啓蒙活動を矢継ぎ早に行っており、近いところでは、都電荒川線の中でポートレート撮影を行うといった、斬新なイベントが好評を博している。

9月28日からは、全国6都市を回る「Profoto Japan Tour 2015」を実施。セミナー、ワークショップのほか、自社製品、協賛カメラメーカーや周辺機器メーカーの製品展示などを行うイベントで、プロやハイアマチュアを対象としている。入場は無料。仙台、小樽、京都、門司港、名古屋、東京といった各地で繰り広げられる。詳しくは「プロフォトが全国6都市で撮影イベントを開催」で。

コンシューマーを含むすべてのセグメントに進出

これまでプロ市場に注力していたプロフォトだが、TTLに対応したB1 500 AirTTL、B2 250 AirTTLのヒットもあり、コンシューマー市場への進出ももくろむ。本イベントに招聘された本社CEOのAnders Hedebark氏は、「将来的にすべてのセグメントに製品を投入したい」と、その意向を発した。具体的な製品内容やスケジュールは未定。来場者に「キヤノン、ニコン以外に、どのブランドのTTLに対応してほしいでしょうか」と尋ねるなど、TTL戦略に積極的な様子だ。

現在、プロフォトでは売上高の約10%を製品開発に投資しているという。本社の社員数は約110名。製造は契約メーカーに委託するなど、小回りの効く典型的なファブレスメーカーだ。

また、Anders氏はプロフォトの理念として、特に高いデザイン性を挙げている。「技術が芸術を支配することは許さない」とまで述べ、デザインへのこだわりを強調。イメージ戦略も大事にしており、カール・ラガーフェルドら一流フォトグラファーが愛用しているという。加えて製品には、「企業カラーでもある“黒”を使い続ける」との宣言もあった。

イベントでは、写真家の馬場道浩氏とコマーシャル・フォト編集長の上松清志氏によるゲスト対談も行われた。プロフォトユーザーの馬場道浩氏は、B2 500 AirTTLなどの機材を「小さくてテレビ局などでの撮影に便利」「デザインが美しく、チャージ完了音も好き。スウェーデンらしいこだわりが気に入っている」と評した。

左から写真家の馬場道浩氏、コマーシャル・フォト編集長の上松清志氏

ショールーム兼トレーニングスタジオを新設

10周年を機に、プロフォト株式会社は東京都中央区にショールーム兼トレーニングスタジオを開設。店頭で見る機会の少ないオプション類も含め、ほぼすべてのアイテムを確かめることができるようになった。また、今後はワークショップなどを自前で行うことが可能に。様々な展開を予定しているという。

住所は東京都中央区湊1-1-12 HSB鐡砲洲。

ショールーム兼トレーニングスタジオ
セミナールーム
サービス窓口
執務室では日本時間とスウェーデン時間の両方を確認できる

(本誌:折本幸治)