ニュース

「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2015」日本部門賞贈呈式が開催

世界最大規模の写真コンテスト ハービー・山口さん「どこに出しても恥ずかしくないクオリティ」

ソニーは6月20日、「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2015」の日本部門賞贈呈式を東京・銀座のソニーイメージングギャラリーで開催した。

ソニーワールドフォトグラフィーアワードは、ソニーがスポンサーを務める世界最大規模の写真コンテスト。今回で8回目を数え、世界171の国と地域から、過去最高となる約17万3千点が集まった。

プロッフェッショナル部門と一般公募部門に分かれているのが特徴で、応募総数8万点の一般公募部門のうち、日本部門賞3名をハービー・山口さんが選出。20日に受賞トロフィーの贈呈式が行われた。

日本部門賞の最優秀賞に輝いたのは八木進さん。廃館が決まった映画館の中で、子供との不思議な2ショットを作品に仕上げた。ハービー・山口さんは、「技術と遊び心が両立したトータルで素晴らしい作品。ドキュメンタリーとしても面白い。非日常のファミリーというテーマで撮り続けて欲しい」と評価。八木さんは「大賞をいただきモチベーションが上がった。今後も背伸びしながら写真を撮っていきたい」と抱負を述べた。

ハービー・山口さん(左)と最優秀賞の八木進さん
受賞作品を解説する八木進さん

2位は、アーバンスケープを得意とする高上顕さんの作品。建築に携わる高上さんらしく、構造物を美しくとらえた作品だ。ハービー・山口さんも「日常的な風景を不思議な写真に変える力。建築の専門家による眼差しが、新しい発見を見せてくれる」と解説。高上さんも「エンジニアが考える視点でメッセージを伝えられたら」と応えた。

高上顕さん(右)
「建築家らしい視点」とハービー・山口さん

3位は、日本建築が好きだという小池美波さん。広島県の宮島で撮影された作品で、欄干にたたずむ同じモデルが画像処理で向かい合うという印象深いものとなっている。「日本の古い建築を自分の解釈で作品にしている。左右対称の特徴を凝縮した作品」(ハービー・山口さん)。小池さんによると「女の子が対峙しているのは、自分が自分自身に問いかけるという表現」だそうだ。

小池美波さん(右)
日本建築(安芸の宮島)とモデルをシンメトリーに配した作品

ハービー・山口さんは、「どこに出しても恥ずかしくないクオリティ。いいスタートになったことで、このまま撮り続けて欲しい」と総評した。

次年度「ソニーワールドフォトグラフィーアワード2015」の応募が、6月1日から開催されている。世界的なコンテストでありながら、最優秀賞の八木さんも「Webから応募できるのが手軽だった」というほど気軽に参加できるのが特徴。腕に覚えのある方は、挑戦してみてはいかがだろうか。

現在ソニーイメージングギャラリーでは、「ノンライツRF友の会とハービー・山口 作品展 ― それぞれのα7 ―」を開催中だ。ライカマウントレンズを愛好するノンライツRF友の会がα7シリーズで撮影した作品群に、ハービー・山口氏と市川泰憲氏(日本カメラ博物館)がゲスト参加したグループ展になっている。

(本誌:折本幸治)