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写真甲子園2018、和歌山県立神島高等学校が2連覇

桐木憲一さん作で漫画化も決定

優勝した和歌山県立神島高等学校のメンバー。左から松下莉子さん、平阪瑠菜さん、岡田あかりさん、恵納崇監督。

北海道東川町で開催されていた「写真甲子園2018」(第25回全国高等学校写真選手権大会)の本戦が8月3日に閉幕。近畿ブロック代表の和歌山県立神島高等学校が優勝し、2連覇となった。

写真甲子園は、全国高校写真部などのグループが3人1組となり、組写真で競う大会。エントリー513校から地区ごとの予選を経て、本戦に勝ち残ったのは19校。7月31日(火)から8月3日(金)にかけて"写真の町"北海道東川町を中心に、決勝戦となる撮影と講評が行われた。

今回設定されたテーマは、カラー写真限定の「色」、モノクロ写真限定の「光」、カラー/モノクロ自由の「自由(フリー)」だった。今回は珍しく、夕刻の撮影も行われた。

審査委員長は立木義浩氏。審査委員は長倉洋海氏、鶴巻育子氏、公文健太郎氏、小髙美穂氏(フォトキュレーター)、野勢英樹氏(北海道新聞社写真部次長)。各審査員は各日「心・技・眼」の3つのポイントで点数評価し、合計得点により優勝が決まる。

本戦の撮影は、全校が同一条件(撮影場所、使用するカメラ機材)で行う。指定されたテーマに沿った組写真(8枚)を制作し、毎日の公開審査会で講評を受け、翌日以降の撮影・制作に反映させていく。

優勝チームのコメント

松下さん:連覇できると思っていなかった。この2人と一番長い時間を過ごしてきたから、一緒に参加できて嬉しい。1年生のときに『みんなで優勝できたらいいね』と話していた夢が叶った。自分達は3年生だから、後輩に3連覇を目指して頑張ってほしい。

平阪さん:(本戦撮影の3日間は)長かった。今回のために頑張ってきたことが、この3日間の作品に発揮できた。自分たちの納得できた作品で優勝できたことが嬉しい。

岡田さん:1年生の頃からずっと、先生も家族も、自分がやりたいことを好きなようにやらせてくれて、学校だけでなくほかの学校のライバルもいたから、ずっと頑張ってこれた。みんなのおかげで獲れたような賞。

審査委員長の立木義浩氏が優勝旗を手渡した。

結果発表

副賞として、協賛しているキヤノンマーケティングジャパン、サンディスク、ヴァイテックイメージングの製品や、ご当地の特産品詰め合わせなどが贈られた。

優勝

・和歌山県立神島高等学校(4年連続4回目)

準優勝

・神奈川県立横浜清陵高等学校(2年連続2回目。選抜枠)

優秀賞

・東川町長賞:香川県立坂出商業高等学校(3年ぶり3回目)
・美瑛町長賞:愛知県立豊橋南高等学校(初出場)
・上富良野町長賞:埼玉県立芸術総合高等学校(3年ぶり3回目)
・東神楽町長賞:沖縄県立浦添工業高等学校(2年連続7回目)
・旭川市長賞:東京都立総合芸術高等学校(2年ぶり2回目)

特別賞

町民が選ぶ特別賞として、小学生以上30名が学校に投票。
・ファースト公開審査会:香川県立坂出商業高等学校(3年ぶり3回目)
・セカンド公開審査会:神奈川県立横浜清陵高等学校(2年連続2回目。選抜枠)
・ファイナル公開審査会:島根県立大田高等学校(2年ぶり2回目)

キヤノンスピリット賞

高校生らしく既存概念にとらわれない斬新な取り組みに対し贈られる賞。
・唐渡祐汰さん(香川県立坂出商業高等学校)

各校の予選から本戦までの作品は、写真甲子園のWebサイトに掲載されている。

漫画化の詳細が発表

2017年公開の映画「写真甲子園 0.5秒の夏」に続き、2019年に漫画化が決まった。作者は「東京シャッターガール」の作者である桐木憲一さん。小学館から発刊予定だという。

本誌:鈴木誠