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アスカネット、CEATEC JAPAN 2017で空中結像技術を紹介

宙に浮き表示される写真 デジタルサイネージや端末UIを想定

日本の大手IT企業が中心に、最新のテクノロジーやデバイスの展示を行う見本市「CEATEC JAPAN 2017」が、10月3日に開幕した。会場は幕張メッセ。開催時間は10時〜17時。10月6日(金)まで開催されている。

昨年、製品展示からソリューション・事例紹介へと大きく路線を変えたCEATEC。今年もその傾向は変わっておらず、多くの出展社がVR、AR、AI、IoTの事例や、それにまつわるデバイス、アプリケーションなどを紹介していた。

特に盛んにとり上げらていたのがAI。あらゆる分野での応用例が揃い見応えがある内容だったが、イメージング関連で人気を博していたデモは、アスカネットのAI(Aerial Imaging) Plateだった。ん?

AI Plateは、直交する2つの鏡面が光を反射することで像を形成する「2面直交レフレクター」を原理としており、液晶ディスプレイなどの表示デバイスから出力された光を、空中に結像させることができる。本来2面必要なミラーを1枚のプレートにしたものがAI Plate。映像を表示するディスプレイの前に45度で設置することで、迎角20度の空中に映像が結像するのが基本的な利用法だ。

表示する内容は静止画、動画を問わない。写真を表示させると空中に写真が浮かんだような見た目になり、その不思議な感覚は、実際に見てみないとわからないだろう。手や身体が写真を突き抜ける点も、他の表示デバイスにない特徴といえる。

会場ではタッチパネル代わりの使用例を示していた。映像を手で触ると結像する位置に仕込まれた空間センサーが反応し、UIが作動する。その様子は映画の「マイノリティ・リポート」のようだ。手を触れずに作業を行いたい、医療や飲食といった分野におけるタッチパネルの置き換え需要を見込んでいるという。

表示されているこの映像が……
正面からだと手の位置にあるように見える。

特に面白かったのは、大型壁面にAI Plateを埋め込んだデジタルサイネージの例。壁面に沿って移動してみると、壁面から垂直に写真が突き出ているように見える。

壁面に相対すると、奥に液晶ディスプレイが仕込まれているのがわかる。

狭い通路など、動線が決まっている場所でのデジタルサイネージを想定した例だったが、将来画質がもっと良くなれば、写真展などにも応用できそうだ。

本誌:折本幸治