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プロフォト、ソニーα用の無線ストロボコントローラーを発表

TTL調光に対応 ソニーの仕様公開によって実現

ブースの大半が客席という作りのプロフォトブース。ステージは盛況だった

フォトキナ2016でプロフォトは、ソニー製カメラに対応したワイヤレスリモートコントローラー「Air Remote TTL-S」を発表した。国内では2017年初頭に発売する。価格は未定。

Air Remote TTLはカメラのホットシューに装着することで、プロフォトの対応ストロボ(Profoto AirTTLストロボ)を無線でコントロールできるアクセサリー。シンクロだけで無く、TTL調光およびハイスピードシンクロにも対応しているのが特徴で、これまでにキヤノン用とニコン用が発売済みとなっていた。

今回、このAir Remote TTLにソニー用が登場した。対応カメラはα7 II、α7R II、α7S II、α99 II。

ブースではα7R IIに装着して展示されていた

TTLモードでは、被写体にカメラを向けてシャッターを切るだけで適正露出が得られるとする。その露出値をベースにマニュアルで調整することもできる。そのため撮影時間の短縮が可能という。

ハイスピードシンクロでは、カメラと全速同調(最高1/8,000秒)が可能となっている。

2.4GHz帯を使用し、最大300mまで通信できる。「世界各国での使用認証取得済み」としている。8チャンネルを用意し、3グループに分けてストロボをコントロールできる。コントロールするストロボの灯数に制限は無い。

Air Remote TTLのキヤノン用とニコン用については、プロフォトがストロボ制御信号を独自に解析した上で製品化していた。

しかしソニー用では両社のコラボレーションが実現。ソニーはプロフォトに対して、レンズ交換式カメラの技術仕様を公開し、プロフォトはそれをもとに製品化した。

プロフォトCEOのAnders Hedebark氏は、「近年、イメージクリエイターが使うカメラでソニーのシェアが上がっている。そこで我々からソニーにコラボレーションの話をした。ソニーもプロ市場で存在感を高めたいとのことで、ポジティブな反応だった」と経緯を話した。

また、「ソニーからはTTL調光の仕様などを頂いているが、それ以上に共同で開発をしていく方向を考えており、ディスカッションしているところだ」とのこと。

キヤノン、ニコン、ソニー以外のカメラに対応する考えについては、「現状ではイメージクリエイターはキヤノン、ニコン、ソニーを使っている人が大半。多くのイメージクリエイターが使っているカメラをサポートする事を考えており、今後シェアを伸ばすメーカーがあれば対応を考える」とした。

Hedebark氏が言う「イメージクリエイター」とは、単に写真を撮るだけの「イメージテイカー」とは異なり、自分で考えたイメージを光を操って写真で表現する人のことを指す。「写真のエッセンスはライティングにある」(同氏)。

一方ソニー DI事業本部の氏家康一氏は今回のコラボレーションについて、「α7を出した頃から、スタジオ用ストロボへの対応を望む声が出ていた。スタジオで使ってもらうためのノウハウは無かったが、αのフィールドを広げるものになると判断した。そうした市場に入る有効な手段と考えている」と話した。

ソニーブースではプロフォトの機材を使ったステージが行われ、多く来場者が詰めかけていた

なお、TTL調光を利用しない場合は「Air Remote」を使えば、キヤノン、ニコン、ソニー以外のカメラでも無線シンクロ可能となっている。

プロフォトブースには、同じくフォトキナに合わせて発表されたモノブロックストロボ「D2 AirTTL」とジェネレーター「Pro-10」も展示されていた。いずれもAirTTLに対応している。

D2 AirTTLは最短閃光時間が1/6万3,000秒と短く、高速に動く被写体を静止したように写すといったテクニックが使える。毎秒20回という連続発光性能も特徴とする。国内では9月15日に発売した。

Pro-10は、最大出力2,400Ws×2のジェネレーター。最短閃光時間1/80,000秒を実現し、「世界最速のスタジオフラッシュ」を謳う。こちらもAirTTLに対応する。国内では9月20日に発売済み。