【女性向け講座】富士フイルムLOVE PHOTO

きょん♪さん「が」行く 遠足同行フォトツアー 銚子電鉄編

富士フイルムイメージングシステムズが運営するXセミナーズ【LOVE PHOTO】は、同社のミラーレスカメラのユーザーや購入を検討している人向けの女性限定の写真講座です。

今回は、4月より新たに始まった川野恭子さんこと、きょん♪さん「が」行く 遠足同行フォトツアーをレポートします。

銚子電鉄 仲ノ町駅できょん♪さんと一緒にパチリ♪
講師の川野恭子先生こと、きょん♪さん。ゆるかわ写真家。日常生活に見え隠れする「かわいい」や「すてき」を夢ごこちなやわらかいトーンで切り取るのが得意。講師だけでなく、雑誌・書籍への作品掲載や執筆など幅広く活躍しています。

旅のキーワードは「レトロ」

きょん♪さん「が」行く 遠足同行フォトツアーとは、その名の通り講師のきょん♪さんが撮影したい場所へ遠足に行き、その後を参加者がついて歩くというコンセプトの撮影ツアー。

第1回目の遠足は、千葉県のレトロな雰囲気が漂う銚子電鉄に乗って、某女性向けガイドブック「こと○っぷ」のようなかわいい写真を撮るというもの。

お天気はあいにくの雨模様でしたが、みなさんワクワクしながらJR銚子駅に集合しました。

参加者には希望カメラ1台とその標準レンズ、さらに希望レンズ1本の貸出がありました。いちばん人気のカメラはFUJIFILM X-T1。また自分撮り機能が搭載された最新のFUJIFILM X-A2を希望される参加者もいました。

最初に銚子電鉄のオランダ風駅舎で、きょん♪さんお手製の遠足のしおりが配られ、撮影のポイントとX-T1のオススメの設定を学びました。

遠足同行フォトツアーの行程は以下のとおりです。


    11:00 銚子駅に集合
    11:40発 銚子電鉄に乗車
    11:59着 終点の外川駅でレトロな駅舎と漁師町探索
    14:29発
    13:35着 犬吠埼駅でぬれ煎を食べ、駅舎周り探索
    14:29発
    14:43着 仲ノ町駅で車庫見学と醤油工場
    15:37発
    15:39着 銚子駅
    16:00 講評
    17:00 解散
いちばん人気のX-T1。外川駅のホームで撮影。
A6サイズのかわいい遠足のしおりが配られました。しおりには、電車や町並みを撮る撮影のポイントと、きょん♪さんのかわいい作例が載っています。
雨が降っていたので駅舎のカナでカメラの使い方を習いました。この日は基本の設定として、撮影モードは絞り優先モード。露出補正+2EV前後。ISO感度はAUTOに設定しました。

きょん♪さん流 かわいいガイドブックのような写真のポイント

1)ガイドブックのキーワードを決めて撮る

ガイドブックのキーワードを決めて撮ると、写真の方向性がつくりやすくなります。今回の遠足ツアーはレトロな銚子電鉄や町並みが楽しめます。「レトロ」をキーワードに、被写体を探してみましょう。

2)その場所に特徴のあるものを撮る

大きなボケはかわいい写真のテッパンテクニックですが、ぼかしすぎるとどこに行ったのかわかりません。出かけた場所を撮るときは、特徴のあるものを入れて行き先がわかるようにしましょう。ただし、写真に目立つように入れてしまうと残念な記録写真に。写真の一要素として、こっそり写し込むのがコツです。

3)人物はわからないように

人の顔は、写真に写っているとどうしても目線を集めてしまう強い要素です。また肖像権も気をつけなければいけないので、人を入れるときはぼかしたり、前ボケで隠したり、後ろ姿を狙って撮りましょう。特定できないように撮れば、ブログなどにアップしやすくなります。また、人をしっかり撮りたいときは、きちんと声をかけて。

4)車窓を活かしてフレーミング

四角い車窓を額縁に見立てて外の景色を撮ると、旅感がグッとアップしてすてきな写真に。ピントと露出は外の景色に合わせましょう。

5)ゆるくかわいい写真の設定

Xシリーズのカメラでゆるかわ写真を撮るなら、ダイナミックレンジを「400%」に。これでプラス補正をしても色が残りパステル調のかわいい色がつくれます。また、フィルムシミュレーションは、やわらかい色が特徴の「ASTIA」(アスティア)がオススメ。コントラストが弱いのでやさしい雰囲気になります。

撮影の基本を学んだら、電車に乗って遠足のはじまりです。最初は終点の外川駅に向かう車中や車外の撮影を楽しみました。

1日乗車券「弧廻手形」(こまわりてがた)を買って、乗り降りします。1日乗車券には犬吠埼駅の売店で使える、銚子電鉄名物のぬれ煎餅1枚引き替え券がついていてます。
車窓の景色を撮影するきょん♪さんと参加者のみなさん。
銚子電鉄には車両のどこかにハート型の吊革があります。ピンクのかわいいハート型の吊革は参加者に大人気!
奥行きをつけて撮影すると背景が大きくぼけて、ハート型がより浮かび上がって写すことができます。
外川駅ホームから菜の花の前ボケにして休車となったデハ801を撮影。
外川駅の駅舎は開業時より建つ木造平屋建て。きょん♪さんがモデルになり、ガイドブック風の写真にみんなで挑戦しました。
駅舎から坂を下り、外川漁港を目指してお散歩撮影。キーワードの「レトロ」を探しながら歩いていきます。
猫だまりを発見! 猫たちも人間に慣れていて寄ってきてくれました。
外川漁港に到着。船のカラフルな部分を強調して撮るとかわいらしい印象がアップするそうです。
きょん♪さんと参加者で撮りあいっこ。遠足の楽しい雰囲気も写真に撮っていきます。
遠足のお約束ではおやつは300円まで。外川駅近くの駄菓子屋さんで酢イカをパクリ。
1日乗車券のぬれ煎餅をもらうために犬吠埼駅を下車。通過する電車撮影を楽しみました。
ぬれ煎餅を手に入れて、みんなでハイ、チーズ♪
電車撮影は、時刻表で通過時刻を事前に調べ、構図を決めてから撮影にのぞむといいそうです。きょん♪さんは電車通過30分前から構図を吟味しながら通過を待っていました。どんな写真が撮れたのでしょうか?
犬吠埼で写真を選び、スタッフにデータを渡しプリントしてもらいます。みなさん写真選びには苦労しているようでした。
仲ノ町駅で下車して、仲ノ町車庫見学。点検中の車両や銚子電鉄名物、日本一小さな電気機関車デキ3号などを間近に見ることができます。
車庫から仲ノ町に入る電車を撮影。ホームの反対側から撮影できるベストスポットです。
車庫の入場券はレトロな切符。絵柄は3種類から選べました。電車を背景にパチリ。

Xセミナーの講評会は、セミナー近くのパレットプラザ55ステーションで2Lにプリントしたものを見ながら行います。

この日はひとり2枚ずつプリントし、お気に入りの1枚を講評に出しました。キーワードの「レトロ」を意識した作品が出そろいました。きょん♪さんはひとりひとりの作品を丁寧に講評しアドバイスしていました。

ひとり2枚をプリント。自分で講評に出す作品が選べない人は、ほかの参加者全員によいと思う作品を指さしてもらい、多数決で講評する作品を選びました。

きょん♪さん「が」行く 遠足同行フォトツアーに参加した方の作品と感想をご紹介します。

Tokkyさん。「きょん♪さんお手製の『遠足のしおり』を片手に、初めて銚子電鉄に乗って、レトロな電車や街並みをのんびり撮影。X-T1に搭載されているフィルムシミュレーション「クラシッククローム」をメインに、より雰囲気を出してみました。写真は終着駅で乗客が降りた後の、空っぽの車両に男の子が飛び乗って来た瞬間です」
マスダユリさん。「かわいい銚子電鉄の電車や駅舎などを撮るきょん♪さんの遠足について行って、ゆるかわ写真のコツや『レトロ』というテーマにあった作品づくり、そしてお借りしたX-T1の機能のすごさなどを楽しく勉強できました!」
照井さん。「雨がパラつくあいにくのお天気でしたが、雨の日コースを考えて下さっていたおかげもあり、楽しく過ごすことができました。かわいい電車も漁港も撮影できて、遠足気分を存分に味わえました」
清水史子さん。「初めての銚子。お天気は……イマイチでしたが、楽しく撮影できました。『レトロ』をキーワードに、車内、駅舎と電車、猫と街並み、漁港と盛りだくさんでした。きょん♪さんに撮影のポイントや方法を教えていただき、勉強になりました。撮影に夢中になり、キーワードの『レトロ』をすっかり忘れてしまいました。今回参加できてよかったです」

最後にきょん♪さんにお話を伺いました。

「銚子のレトロな街並みを撮り歩くツアーでしたが、最初は何を撮ってよいのかわからない方も、ガイドブックを作る視点で……とアドバイスするうちに、撮りたいものが見えてきたようでした。今回は曇りだったので、Xシリーズで撮る青空の美しさを体感して頂けなかったのが心残りではありましたが、少人数でリラックスして楽しんで頂けたのではないかと思っております」

撮影:きょん♪さん。「レトロな車両と小さな駅のプラットホームを、ふんわり菜の花と一緒に。季節の花を入れると旅した時期が伝わりますよね」

「写真家の目線で撮りたい場所・被写体をみなさんに知ってもらうきっかけになれば……という思いで、このツアーは生まれました。写真家 川野恭子がどのような目線で撮影するのか? どんな被写体に惹かれるのか?ツアーに参加することで写真家の目線を感じ取って頂けるのではないかと思っています。ワタシなりのXシリーズの使いこなしを知ることができるのもこのツアーの魅力です」

撮影:きょん♪さん。「昔ならではの硬券をレトロな車両と一緒にパチリ。撮った場所の雰囲気と旅情が伝わるので、旅先ではあえて切符を買うことも」

「季節ごとの旬な場所、写真家として目線で興味のある場所へと皆さまをお連れしたいと思っております。今後のツアーもぜひ楽しみにして頂ければ嬉しいです。ぜひ、皆さまのご参加を心よりお待ちしております!」

撮影:きょん♪さん。「線路横でカラスノエンドウを見つけたとき、子どもの頃の記憶がふっと蘇りました。そんな懐かしい気持ちをあたたかい色味でパチリ」

次回のきょん♪さん「が」行く 遠足同行フォトツアーは、5月20日の熱海のぶらりハーブ&ローズガーデンことりたびです。興味のある方は参加してはいかがでしょうか。

(2015/4/24)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!