「キャメラびと」と巡るカメラ女子旅 世羅高原

カメラ女子の元気なパワーで町おこし♪

10月12日・13日、カメラ女子に人気の山本まりこさん、きょん♪さん、むらいさちさんの写真家ユニット「キャメラびと」と一緒に広島県・世羅高原を巡るカメラ女子旅ツアーが開催されました。

カメラを持った女子48名が世羅高原に集まり、撮って、食べて、笑った女子旅をレポートします。

ダリア祭りが開催されている世羅高原農場の入口で、キャメラびと(山本まりこさん、きょん♪さん、むらいさちさん)、木下アツオ先生、参加者のみなさんで記念撮影!

カメラ女子の元気が世羅高原を盛り上げる

今回の「キャメラびと」と巡るカメラ女子旅 世羅高原(以下、カメラ女子旅)は、国土交通省観光庁が観光地の魅力開発と旅行商品化を推進するモニターツアーを募集し、700以上の観光地の応募の中から選ばれた78カ所のモニターツアーのひとつです。

今回のカメラ女子旅の企画を考えたのは、世羅高原農場の吉宗五十鈴さん。吉宗さんご自身も写真が好きで、普段はカメラ女子のひとり。吉宗さんに、モニターツアーが開催される経緯や、開催までの道のりを伺ってみました。

「世羅高原は、一年中花が咲き乱れ、古民家を改装したおしゃれなカフェも多く、写真に撮りたくなる場所がたくさんあります。カメラ女子は、本当に元気で明るくて、とてもパワフル。そのカメラ女子のパワーで世羅高原を盛り上げられないかと思いモニターツアーに応募しました」

「モニターツアーに選ばれてからは、世羅に住んでいる私たち自身が写真を上手くなろうという活動が始まり、今年の1月から月1回、神戸の波止場の写真学校を運営する木下アツオ先生をお招きして、世羅高原の風景や花、食べ物、人などの撮り方を習いました。また、外から来た観光客の方に“美味しい食べ物” “花の見ごろ” “おすすめの撮影スポット”などを聞かれても、すぐに答えられるように、町コンシェルジュとして世羅高原の魅力を勉強する取り組みも行ってきました」

「カメラ女子に人気のキャメラびとさんが世羅高原に来てくれたら、カメラ女子旅はもっと楽しく盛り上がるだろうなぁと思っていましたが、広島の小さな町に呼ぶのは無理だろう……と。しかし、いろいろな人が協力してくれて、キャメラびとさんが世羅高原に来てくれることになったんです。キャメラびとさんが世羅高原に来ると決まったときは、本当にうれしかったです」

カメラ女子旅には、日帰り22名、1泊2日26名、合計48名のカメラ女子が集まりました。今回のツアーは世羅町役場の現地集合、もしくは広島駅の集合にも関わらず、東京、兵庫、京都、福岡などの全国から参加があり、一番遠いところでは福島から参加している方もいました。このことからも、カメラ女子の行動力の高さと、好きなことに注ぐパワーの強さがうかがえます。

初日は、キャメラびとのトークショーから始まり、旅館 玉乃家で昼食、世羅ゆり園、ジェラート工房ドナ、世羅高原農場を巡りました。その後、日帰りツアーの人は講評会をして、解散。一泊二日ツアーの人は、親睦パーティー、講評会、せら夢公園の星空ツアーを楽しみました。また、深夜にはキャメラびとのUstream配信が行なわれ、配信の様子は参加者にも公開されました。

カメラ女子旅の企画を発案した吉宗五十鈴さんと、カメラ女子をもてなしてくれた【カメラ女子旅】実行委員会のみなさん。左から吉宗誠也さん(世羅高原農場)、眞田玄さん(はな工房ばく)、眞野恵理さん(とうふ工房ちだち)、浅井直子さん(カリフォルニア・ドリーミン)、橘高知栄(四季園にしおおた)、風呂元一真さん(世羅ゆり園)。
キャメラびとのみなさん。左からむらいさちさん、川野恭子(きょん♪)さん、山本まりこさん。キャメラびとには、それぞれのポーズがありカメラを向けたらポーズを取ってくれました。
世羅町役場で、キャメラびとが事前に世羅高原を撮影した写真を見ながらトークショーが行われました。司会は、波止場写真教室を主宰する木下アツオ先生。トークショーはツアー参加者だけでなく、町の人たちも観覧することができ、多くの人が集まりました。
カメラ女子旅を開催することが決まったときから、女子限定の撮影会を開いたり、町コンシェルジュのみなさんが木下アツオ先生から月1で写真を教わったりと、「カメラ女子旅 実行委員会」として本格的に活動していきました。その活動レポートが展示されていました。
トークショーの最後は、カメラ女子全員と世羅のみなさんで「ドスコイ」ポーズをしました。キャメラびといわく、みんなで同じポーズを取ると心が開きやすく、すぐに仲良くなれるそうです。約50名のドスコイは圧巻でした。
昭和2年創業の老舗旅館玉乃家で、世羅高原で取れたお米や旬の野菜、お豆腐などを使った昼食をいただきました。昼食の最中もキャメラびとのメンバーは、参加者と積極的に交流し、質問などに答えていました。
初日のカメラ女子は48名(日帰り:22名、一泊二日:26名)。大型バス2台で移動しました。バスガイドを務めた木下アツオ先生のトークがとてもおもしろく、笑い声が絶えませんでした。また、移動中にキャメラびとから、かわいい写真の撮り方がレクチャーされました。
約100種類のゆりが植えられている世羅ゆり園。品種によって咲く時期が違うので、春から秋まで常にゆりを楽しむことができます。ほかにも季節の花々が植えれており、ツアー中ではコスモスとサルビアが見ごろでした。フラワートンネルや、ゆりの摘み取りなども人気があります。
ジェラート工房ドナ。絞りたてのミルクで作られたジェラートを食べることができます。牧場が併設されており、ヤギや馬などの家畜も飼われています。ヤギはカメラ女子に大人気でした。
ダリアの花びらを練りこんだピンクのジェラートが参加者全員にふるまわれました。カップの裏に、キャメラびとの「きゃ」印が付いているジェラートは当たり♪ 当たりのジェラートを引いた参加者には、後日キャメラびとからの直筆メッセージポストカードが送られるそうです。
木漏れ日で玉ボケを作る方法を、山本まりこさんが教えてくれました。玉ボケを作るコツは、主役の被写体と木漏れ日(点光源)の距離を離すこと。逆光になるのでプラス補正で明るくするとフンワリ撮ることができます。きれいな丸ボケを撮ることができるたびに、「わ〜〜〜!!!」っと歓声が上がっていました。
「まりこ先生に玉ボケの撮り方を教えていただきました。紙カップに入った普通のジェラートなのに、こんなにかわいく撮ることができました。すごく感動です」 撮影:mihoさん
約400品種のダリアが咲く世羅高原農場。ダリアの品種はとても多く、品種の1つひとつに名前が付けられていて、「土俵入り」というユニークなものも。名前を読みながら、撮影を楽しんでいる人も多くいました。
8,000輪のダリアの花を使った花絵。まるでお花の絨毯みたい。毎年この時期にダリア祭りが開かれ、花絵制作は今年で5回目。花絵の寿命は約3日間と短く、今年はモニターツアーに合わせて作られました。
1泊2日ツアーの人たちは、親睦パーティーの後に講評会が行なわれました。テレビに作品を写された人は、今日行って楽しかった場所と、作品タイトルを発表しました。すべての講評が終わったのは、23時40分! この後、キャメラびとは世羅高原からUstream配信を行ないました。

ツアー2日目のはじまりです。スケジュールは、弘法大師により開基されたと言われる今高野山へ行き、撮影後は古民家を改装して作られたおへそカフェでランチを食べました。その後、世羅幸水農園でワイン用のブドウを撮影し、せらワイナリーでワイン工場見学&試飲、せら大豊農園でブドウ狩りを楽しみました。

今高野山は、緑に囲まれた神秘的な場所。世羅町甲山を中心とする世羅郡の東半一帯は、鎌倉時代以来、紀州高野山領大田荘で、龍華寺をはじめとする数多くの史跡が残されています。現在は、芦田川沿いにそびえる山一帯が森林公園として整備され、春は桜、秋は紅葉と年間を通して楽しめます。また、パワースポットとしても有名とのこと!
ここでは、山本まりこさんが前ボケの作り方をレクチャーしてくれました。透過光で透ける木々にピントを合わせた状態で、山本まりこさんがレンズの前に落ち葉をかざすときれいな前ボケが! 前ボケがきれいに撮れるたび、参加者からは歓声があがっていました。前ボケを作るコツは、レンズを望遠側に設定し、ピントを合わせる被写体とレンズの前に配置する被写体の距離を離すこと。
「まりこ先生と一緒に前ボケを作りました。今までは、前ボケの作り方は知っていても上手く作ることができませんでした。まりこ先生が、葉っぱの位置を調節してくれたので、レンズと被写体と前ボケにするものの距離感がわかりました」 撮影:ミホさん
築150年の古民家を改装したおへそカフェ。ご夫婦2人で、オーガニック食材や世羅の野菜を使った美味しい料理を提供しています。小麦や米にいたっては、ご自身で生産されるそうです! きょん♪さんから、ごはんを美味しく撮るコツのレクチャーがありました。自然光がたくさん入る窓際の席で、逆光とプラス補正するのがポイントだそうです。心もお腹もホッコリするカフェでした。
世羅幸水農園でワイン用のブドウを撮影しました。世羅幸水農園は、ワイン用・食用のブドウのほかに、イチゴやナシ、桃など多くの果物狩りを楽しむことができます。ブドウの品種を説明するために同行してくれたワイナリーの醸造長さんに、むらいさちさんがポーズを注文。醸造長さんがモデルになり、人物撮影会が始まりました。
せら夢公園内のある、せらワイナリーで、普段は入ることができないワイナリー内を見学させてもらいました。金属製の大きな大きな貯蔵タンクや、キラキラ光るビンなどを撮影しました。世羅ワインは設立11年目。世羅の土地にあうブドウの品種を探し、ブドウ畑を作ることから始まったそうです。ワイナリーでは、ワインの試飲コーナーがあり、8種類のワインを飲み比べることができました。
せら大豊農園でブドウ狩り。世羅高原は朝晩の寒暖差が大きいので果物が甘くなります。美味しいブドウの見分け方のレクチャーを受けたら、はさみとバケツを手に取り、狩りへGo! 写真を撮って、ブドウを採って大満足なカメラ女子の方々♪
最後は、最初の集合場所だった世羅町役場に集まり、キャメラびとのあいさつ。
2日間、温かいおもてなしをしてくれた世羅町コンシェルジュのみなさんと、ツアーを盛り上げてくれた木下アツオ先生。楽しい時間をありがとうございました! 「カメラ女子にツアーを楽しんでほしい。世羅を好きになってほしい」という気持ちが、いろいろな場面で伝わってきました。
バスに乗り込んだツアー参加者をキャメラびとと、世羅町コンシェルジュのみんなで手を繋いでお見送り♪ カメラ女子たちは、「また世羅に来ます!」と笑顔いっぱいで家に帰っていきました。

キャメラびとのメンバーが個人で、セミナーをすることは今まで何度もありましたが、キャメラびととして3人集まってセミナーを開くことは今回が初めて。今回のモニターツアーに参加したカメラ女子に、感想を聞いてみました。

「キャメラびとは、主に東京を中心に活動しているので、3人そろって関西方面に来てくれたのがうれしかったです」

「めちゃくちゃ楽しい2日間でした! 写真撮りまくり、ごはん食べまくり、みんなで笑いまくりでした!!」

「訪れた場所すべて、かわいいものがいっぱいで楽しかったです。一番感動したのは、玉ボケを作れたこと。自分にもこんなにステキな写真が撮れるんだ♪って、撮れたときはすごくうれしかったです」

「カメラ初心者で参加したのですが、キャメラびとのメンバーが撮影中にアドバイスに回って来てくれて、キレイな写真を撮ることができました」

「初めてオート以外で撮りました。自分で設定できるって楽しいですね!」

また、キャメラびとの方々にもお話を聞いてみました。

「世羅は、とても魅力的な場所がたくさんあり、2日間はずっと宝探しをしているようにステキな被写体をたくさん見つけることができました。まだまだ、回れていない場所があるので、また訪れたいです」

「最初に今回のモニターツアーのお話しをいただいたとき、カメラ女子のみなさんが集まってくれるか心配でした。しかし、広島からの参加者だけでなく、福岡、兵庫、東京、福島など、全国から48人ものカメラ女子に集まっていただくことができました。知らない人同士が集まり、笑いあい、楽しめる写真のチカラはすごいと改めて感じました」

「ツアーの最初から最後まで、始終みなさんが笑顔だったことがうれしかったです。キャメラびとが3人そろって、写真セミナーを開かせてもらうことは今回が初めてで、とても楽しく、よい経験でした。世羅の町コンシェルジュのみなさん、今回のツアーのディレクションを担当してくださった波止場写真教室の木下アツオさん、JTBさん、アスカネットさん、参加していただいたカメラ女子のみなさん、本当にありがとうございました!」

カメラ女子旅に連動して世羅高原では、女性限定のお花のフォトコンテストが開催されています。テーマは、「ワタシのとっておき花写真☆」。応募写真は、撮影地は問わず、画像の加工もOK。応募期間は2013年10月31日まで。

特賞は、写真家むらいさちさんが自宅近くまで出張する個人レッスン。ほかにも世羅高原・季節のお花1年分、せらワイン、特産品、マイブッククーポンが賞品として用意されています。この機会に、ステキなお花写真があるカメラ女子は、フォトコンテストに応募してみてはいかがでしょうか。

最後に、キャメラびとが撮影した世羅高原の写真を紹介します。

ジェラート工房ドナのジェラートを切り株の上でパチリ♪(撮影:きょん♪さん)
ジェラート工房ドナのヤギさん。あえてピントをぼかし、遠い記憶のような映像にしたそうです(撮影:きょん♪さん)
ロケハンでは、日が暮れて暗くなっても撮影し続けたきょん♪さんとまりこさん。暗くなったので、同行した木下先生がクルマのヘッドライトを点けてくれ、その光で撮影したそうです(撮影:きょん♪さん)
世羅ゆり園ではコスモス畑が満開でした。青空を背景にパチリ♪(撮影:むらいさちさん)
ジェラート工房ドナに置いてあった、古いミルク容器。世羅の木々と一緒に光が降り注ぐイメージで撮影したそうです(撮影:むらいさちさん)
月とダリア。ダリアを大きなピンクの前ボケにして(撮影:むらいさちさん)
前日のロケハンでいただいたご飯に添えられていた、稲穂を揚げたポップコーンのようなお米。ポップ米?(笑)(撮影:山本まりこさん)
月とダリア。山本まりこさんの一番好きな花は、今回の旅でダリアになったそうです(撮影:山本まりこさん)
ロケハン中に通ったトンネル。トンネル内で撮影しているきょん♪さんをパチリ(撮影:山本まりこさん)

撮影協力:笠原竜太

(2013/10/26)
加藤マキ子(ツナ☆カメラ)
1981年生まれ。写真編集者。カメラ書籍を手掛ける編集プロダクションで女性向けのカメラ雑誌や書籍を多数手掛ける。その後、実用書系編集プロダクションを経て、2013年に独立。『光と色の写真の教科書 〜ふんわりフォトもこっくりフォトも思いのまま〜』『まりこ先生が教える やさしい写真の教室』などの企画・編集を担当。ときに、撮影や執筆も手掛けることも。仕事が好きで、マグロのように止まらず常に全力疾走中!