トピック
風景写真家と技術者の両者の視点から迫るフィルター新定番のカタチ
「CREATION CPL/ND WR」と「PRIME PLASMA SPUTTERING C-P.L」
- 提供:
- マルミ光機株式会社
2026年7月21日 07:00
風景撮影で欠かせないアイテムの代表格がPLフィルターとNDフィルターだ。中でも画期的な技術で大きな進化を遂げている注目の2製品について、開発にも深く関わった写真家・辰野清さんとマルミ光機の技術者・北村貴司さんの2人にそれぞれの視点から製品についての使用感と技術的な裏付けを聞いた。
1959年生まれ、長野県在住。インテリアデザイン事業を経営後フリー。第11回前田真三賞受賞(2003年)。豊かな構成力と詩情あふれる作風で、日本の風景表現の物語性を追求している。(公社)日本写真協会会員、日本風景写真協会指導会員、自然奏主宰
※本企画は『デジタルカメラマガジン2026年8月号』より転載・加筆したものです。
注目の新定番フィルター1
PL/NDの一体化でケラレや画質低下を抑制
風景写真にとってPLフィルターは必須というか、もはや定番のような存在であって常にレンズに装着しているという人もいるほどです。さらにNDフィルターも反射を抑えたり、水の流れを表現したりするのに欠かせない存在です。おのずと2枚を同時に利用したいシーンというのは少なくありません。
しかし、2枚重ねをするとケラレが出たり、内面反射によって画質が劣化したりとデメリットがあります。PLフィルターの構造を考えると多少なりとも減光する特性を含んでいて、いわば軽度なND効果があることから、当時の製品開発部長に「もっと暗いPLフィルター」を作れないか相談しました。10年以上も前の話です。
PLとNDが1つに融合した「CREATION CPL/ND」が2014年に商品化され、2021年には現在の撥水・防汚・低反射コーティングが施されたWRモデルにリニューアルしました。自分のアイデアがカタチになり、本当に使い勝手の良いフィルターができました。
風景写真の場合、しっかりと被写体を止めて撮りたい人が多いので、動感を出す表現にはまだまだ可能性があると思っています。その手段としてND効果はとても重要です。例えば最初に紹介した滝の1枚。手前に広がる水流の印象が強いと思いますが、岩肌に光が当たっているところと当たっていないところの表現や光芒が差し込んだ先にある小さな若葉の表情。そうした細部まで意識を配りながら作品の価値を高めています。
PLとNDの品質を信頼しているからこそ作り込める表現だと思います。ちなみに僕のおすすめはND64です。シャッター速度のコントロールは感度で対応できますから。
PLとNDを一体化させるフィルター構造
PLとNDを2枚重ねるとどうしても内面反射が悪影響を及ぼします。特に長時間露光となればなおさらです。広角だとケラレることもあります。そこで単純な発想なのですが、CPLフィルターそのものの両面にNDコーティングを施す構造を考え、一体化を実現しました。この仕様はマルミ光機が特許を取得しています。(北村)
注目の新定番フィルター2
特殊な成膜技術で驚異の低反射率を実現
実はマルミ光機さんからPLフィルターの辰野清モデルを出したいという打診があったんです。僕のリクエストは単純明快で「すべての性能で圧倒的No.1の製品を作ってほしい」。自分の名前を冠して全面監修をするならば、そのぐらいの覚悟を求めたかったのです。特にこだわったのは低い反射率とニュートラルなカラーバランス。どうしても黄色みを帯びてしまう製品が多く、それをクリアにしたかったという思いがありました。
2年たっても回答がないままだったので、無理だったのかと諦めかけていたところに飛び込んできたのが「プラズマ・スパッタリング成膜技術」という技法でした。半導体などに使われているものです。この製品のために使用する専用の治具や工具を1から作るという情熱にも驚きましたが、最も驚かされたのが製品の完成度です。
傷に強いコーティングとニュートラルな色合いがうれしかったですね。青空の抜け具合や水の透明感、そして草花が持つ色彩が濁らずに美しく写せる。反射率が0.18%と低いため、逆光時でもゴーストやフレアが少ない。皮肉にもフィルターは存在していないと思わせることが最適解で、それに近づけられました。2023年にKIYOSHI TATSUNO LIMITED EDITIONとして限定商品が登場、現在は通常モデルが販売されています。
強度と精度を両立するプラズマ・スパッタリング
下図で言うと、高電圧下でプラスの電荷を持ったアルゴンイオンが高エネルギーで陰極のコーティング材料に衝突し、飛び散った材料が、雨のようにかつ整然と下部のフィルターへ降り積もるという仕組みです。従来のフラッグシップであった「EXUS CIRCULAR P.L Mark II」が片面9層で計18層だったのに対して、プラズマ・スパッタリングの手法を使った場合は片面14層の計28層まで重ねることが可能になりました。この技術をPLフィルターに応用したのは弊社が初だと思います。(北村)








