岡嶋和幸の「あとで買う」

1,970点目:「鉄道沿線タイムスリップ」的なファン必読の本

大木茂『ディスカバード・ジャパン』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

大木茂『ディスカバード・ジャパン』

108点目で紹介した善本喜一郎さんの写真集『東京タイムスリップ1984⇔2021』の鉄道版とも言えるような定点観測の本です。

サブタイトルは「鉄道沿線に見るこの国の姿、今昔」。著者は若いころに約10年かけて、北海道から鹿児島まで蒸気機関車を追いかけられました。

それから半世紀を経て、当時の撮影地を10年をかけて再訪。34路線、234地点をほぼ同じアングルで撮られています。

モノクロ写真とカラー写真、今昔の対比は興味深く、こんなに変わってしまったのかという驚きもあります。久大本線など九州のいくつかの場所は子どものころに訪れたことがあり懐かしいです。

当時は車両ばかりを追いかけていて、すでに手遅れですが、私も駅やその周辺の景色も撮っておけば良かったと思いました。「今」を写真で記録する大切さをあらためて教えてくれる一冊でもあります。

販売価格は7,700円です。

1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集『ディングル』『風と土』のほか著書多数。写真展も数多く開催している。日本写真協会(PSJ)、日本作例写真家協会(JSPA)会員。カメラグランプリ選考委員。