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High-FIVE「EOS R5 Mark II」で挑む感動の撮影体験

ELLEGARDENの高田メタルさんがポートレートでEOS R5 Mark IIを使う理由

奥から光が差し込む高架下で逆光気味に撮影。RF50mm F1.2 L USMの開放絞りで柔らかい描写を狙う。これ以上近づくと奥の目がぼけ過ぎてしまうので、被写体との距離感に気を配りながら撮影している(モデル:大野舞)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF50mm F1.2 L USM/50mm/マニュアル露出(F1.2、1/250秒)/ISO 400/WB:オート

5本の指を高く掲げて手を合わせる。キヤノンの「EOS R5 Mark II」は、結果を見て思わずハイタッチをしたくなるような、感動的な撮影体験ができるカメラに仕上がっている。EOS R5を超える存在として進化を遂げた次世代機の魅力を、ELLEGARDENのベーシストで、アイドルやポートレート撮影でも活躍する高田メタルさんに語ってもらった。(聞き手:デジタルカメラマガジン編集部)

高田メタル

1976年、千葉県生まれ。ロックバンドELLEGARDENのベーシストとして活動する傍ら、さまざまなアイドルグループのオフィシャルカメラマンも担当。近著に『IDOL AND READ 高田メタルSpecial!』(シンコーミュージック)。

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年3月号』より転載・加筆したものです。

EOS R5 Mark II
発売日:2024年8月30日
キヤノンオンラインショップ参考価格(税込):65万4,500円(ボディ)、80万8,500円(RF24-105L IS USM レンズキット)

●SPECIFICATION
イメージセンサー:約4,500万画素(裏面照射積層型)
画像処理エンジン:DIGIC X & DIGIC Accelerator
常用感度:ISO 100~51200
最高シャッター速度:1/32,000秒(電子)、1/8,000秒(メカ)
最高連写速度:約30コマ/秒(電子)、約12コマ/秒(メカ)
手ブレ補正:周辺協調制御&5軸対応、中央8.5段、周辺7.5段
動画記録:8K/60p 他
ファインダー(倍率):0.5型・約576万ドット(約0.76倍)
外形寸法(W×H×D):約138.5×101.2×93.5mm
質量(バッテリー・カード含む):約746g

さらなる進化を遂げた被写体検出性能でポートレートにのめり込む

——EOS R5 Mark IIを導入された理由を教えてください。

EOSシリーズは肌の質感描写が他社よりも優れているという印象を持っています。自然な描写に仕上げてくれるので、人物撮影用として気に入っています。2020年にはEOS R5とEOS R6が立て続けに発売されましたが、どちらも手に入れたほどです。RAW現像の自由度などを考えると、より高画素機のEOS R5が自分のスタイルに合っていたので、後継機のEOS R5 Mark IIも導入しました。

——EOS R5 Mark IIを使ってみて、EOS R5からどう進化を感じましたか?

いちばん驚いたのは瞳検出の速さと精度です。EOS R5の瞳検出にも満足はしていたのですが、激しい動作を伴うアイドルのライブを撮影するとAFが追従しないことがありました。しかし、EOS R5 Mark IIはそれらが段違いであることが、ファインダーでAFフレームの挙動を見ただけでも伝わってきました。もちろん、実際の撮影結果もしっかりとピントが合っているので、信頼して撮影できました。

この記事で掲載している写真はすべて瞳検出を使用している。大口径レンズや望遠レンズで被写界深度がごく浅い表現を多用しているが、AF精度、スピードともにまったく問題がなく、カメラマンは構図だけに集中できる(モデル:大野舞)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF50mm F1.2 L USM/50mm/マニュアル露出(F1.2、1/250秒)/ISO 100/WB:オート
被写体検出AF(人物)
フレキシブルゾーンAFと組み合わせて瞳検出を使用している

被写体検出は人物に設定して、瞳検出も自動に設定しておけば、AFフレーム内の人物の瞳にピントを素早く合わせられる。大口径レンズや望遠レンズのごく浅い被写界深度でも高い精度でピントを合わせてくれる。

少し暗めの室内で望遠レンズを使うことを考慮しつつ、ボディ内手ブレ補正の優秀さも加味して、シャッター速度は1/160秒に設定。ISO感度は1250とやや高めだが、ノイズは感じない(モデル:花梨りこ)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z/168mm/マニュアル露出(F2.8、1/160秒)/ISO 1250/WB:オート

——AF解析を中心に行う専用エンジンDIGIC Acceleratorが搭載されたことも大きいと思います。

AF速度が上がったことはもちろんですが、フォーカスエリアの選択肢が増えたことも助かっています。EOS R5で人物を検出する場合、画面全域を対象にしたAF設定にする必要がありましたが、EOS R5 Mark IIでは、好きなAFフレームと組み合わせて被写体検出機能が選べます。

例えば、アイドルグループのライブ撮影で推しの子を中心に撮影したいとき、AFフレームでエリアを指定すれば、複数人が写り込むシーンでも推しの子がいるエリアだけに被写体検出ができます。フレキシブルゾーンAFを大きめの長方形フレームにカスタマイズしてエリアを指定し、その中で被写体検出を使うという流れが基本スタイルです。最初に対象人物をつかめば、後は自動でトラッキングしてくれますからね。

85mmで被写体に寄ってF1.2のボケを最大限に引き出した。すでに奥の目がアウトフォーカスしているが、思い切って開放絞りのまま撮影して柔らかさを表現した(モデル:大野舞)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF85mm F1.2 L USM/85mm/マニュアル露出(F1.2、1/320秒)/ISO 100/WB:オート

——高速性という点では、連写性能もEOS R5から大幅に進化しています。

1対1でじっくりと撮るようなポートレート撮影では、EOS R5の約12コマ/秒でも十分だったのですが、大きく動いてもらうときやライブ撮影では約30コマ/秒まで使えるのはありがたいですね。特にライブ撮影などで推しの子が近くに来たときは見かけの速度も上がるので、連写性能がものをいいます。その点で、ピーク性能が約30コマ/秒であるのはとても頼りになります。

もちろん、常に最高速だとデータの管理が大変になるので、ボタンカスタマイズでAF-ONボタンを押すだけでドライブモードを呼び出せるようにして、必要に応じて連写速度をスムーズに変更できるようにしています。

最高約30コマ/秒の高速連続撮影

EOS R5 Mark IIは電子シャッターによる最高約30コマ/秒の高速連続撮影が可能で、動きのあるシーンに役立つ。連写速度を抑える設定もできるので、用途に応じて使い分けよう。

ドライブモードを瞬時に変更できるようにAF-ONボタンをカスタマイズしている
アクティブな動きは約30コマ/秒で対応する

——そのほかに撮影中に感じたEOS R5 Mark IIの魅力はありますか。

ファインダーの見やすさも大きな進化を感じた部分です。EOS R5からパネルの輝度が2倍に上がっているので、より抜けが良く自然な見え方になったと思います。昨今は撮影ポジションが限定されるスタジオ撮影やライブ撮影だけでなく、自然光を生かしつつ屋外でロケーションを自分で選んでいくスタイルのポートレート撮影に力を入れています。そういう光が強く降り注ぐような環境でファインダーの見えが良いのは、撮影のモチベーションにもつながります。

ファインダーにはEOS R5と比較して約2倍高輝度のパネルが採用されている
背景との距離がないので目立たないかもしれないがF1.2での撮影でしっかり柔らかくぼけているのが分かる。高架下で左サイドから光が差し込む状況で撮影して、右側の壁のグラフィティがなだらかに暗く落ちるのを狙った(モデル:大野舞)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF50mm F1.2 L USM/50mm/マニュアル露出(F1.2、1/250秒)/ISO 250/WB:オート

——高田さんがEOS R5 Mark IIを選ぶ理由を最後に教えてください。

RFマウントがスタートして6年以上が経った今、目移りするくらいにレンズのラインアップが充実しています。EOS R1やR3などさまざまな特徴を持つカメラがありますが、僕個人が求めるスペックとしては画質と速度のバランスが最良なんです。EOS R5 Mark IIこそフラッグシップだと呼びたいくらいです。

高田メタルがポートレートでおすすめするRFレンズ3本
RF50mm F1.2 L USM
開放F1.4やF1.8のRF50mmよりは大きいレンズになるが描写力は抜群。標準域なので室内などのロケーションでも扱えて、汎用性が高い。もしレンズ1本だけで撮影することになるなら、迷わずこのレンズを選ぶだろう
RF85mm F1.2 L USM
RFレンズ最高峰の描写力とボケ味が魅力のレンズ。特に浅い被写界深度を生かして人物の全身を撮影したときの立体感は圧倒的で、50mmレンズの描写と変化をつけたいときに役立つ1本だ
RF70-200mm F2.8 L IS USM Z
インナーズームを採用した新型望遠ズームレンズ。画質はさらに磨きがかかり、AFも高速化されているので扱いやすい。特に立ち位置が限定される屋外でのモデル撮影会やライブ撮影には持ってこいの1本
ISO 2000と感度が高めの撮影となったがノイズは気にならない。柔らかく回るサイド光を拾うイメージで、F値はここも開放絞りF2.8で撮影したが瞳にピントが合う(モデル:花梨りこ)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z/200mm/マニュアル露出(F2.8、1/160秒)/ISO 2000/WB:オート
右奥から部屋全体に回る光を拾って撮影。70mmという焦点距離は少し離れれば全身の撮影も問題なく可能だ。70-200mmは表現の幅が広いのでポートレート撮影で威力を発揮する(モデル:花梨りこ)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z/70mm/マニュアル露出(F2.8、1/160秒)/ISO 800/WB:オート
RF85mm F1.2 L USMの最大の魅力は、全身の撮影でも背景をぼかせることだ。写り込む人物や背景をボケとして生かしつつ、作品へと昇華させてくれるレンズだ(モデル:大野舞)
キヤノン EOS R5 Mark II/RF85mm F1.2 L USM/85mm/マニュアル露出(F1.2、1/160秒)/ISO 100/WB:オート
高田メタル