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OM SYSTEM OM-3の充実機能で自分色に染める

「Coordinate」第1回 藤原嘉騎×自然風景

OM SYSTEM OM-3
藤原嘉騎

美しいデザインと最先端技術が融合した「OM SYSTEM OM-3」。最先端のコンピュテーショナル フォトグラフィ、色合いを自在に操れるカラープロファイルコントロールなど、充実の画作り機能を駆使しながら写真家・藤原嘉騎さんが自然風景と対峙し、その魅力に迫る。(編集部)

※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年3月号』より転載・加筆したものです。

風が強く、砂丘を越えて細かな砂粒が吹きつけてくるが、OM-3の強力な防塵・防滴性能のおかげで細かな砂粒を気にすることなく撮影に集中できた。このカメラは自然と向き合うフォトグラファーの武器であり、過酷な環境でもその瞬間を逃さない頼れる相棒だ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO/26mm(52mm相当)/マニュアル露出(F8、1/60秒)/ISO 200/WB:オート
OM-3にはライブND機能が搭載されている。通常、水の流れを滑らかに写し撮るには外付けフィルターが必要になるが、ボタン操作だけでND2~ND64の効果がカメラ内で得られる。足場の悪い場所でもフィルター交換を必要としないので瞬時に思いのままの表現が可能になる
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO/12mm(24mm相当)/マニュアル露出(F8、6秒)/ISO 200/WB:オート/ライブND(ND8)
OM SYSTEM OM-3
発売予定日:2025年3月1日
予想実勢価格(税込):26万4,000円前後(ボディ)、29万7,000円前後(12-45mmキット)

●SPECIFICATION
イメージセンサー:有効約2,037万画素、4/3型 裏面照射積層型 Live MOSセンサー
記録メディア:SD、SDHC、SDXC(UHS-I/II)
ファインダー:OLED、約236万ドット
背面モニター:3.0型、約162万ドット、タッチパネル
手ぶれ補正効果(※CIPA2024規格準拠):中央6.5段、周辺5.5段(ボディ単体)/中央7.5段、周辺6.5段(シンクロ手ぶれ補正時)
常用ISO感度:200~25600
シャッター速度:1/8,000~60秒(メカ)、1/32,000~60秒(電子)
連続シャッター速度:最高約120コマ/秒(AF/AE固定)、最高約50コマ/秒(AF/AE追従)
動画:C4K 60p、縦位置対応
外形寸法(W×H×D):約139.3×88.9×45.8mm
質量:約496g(付属充電池およびメモリーカード含む、アイカップなし)

OMシリーズの歴史と最新技術が融合した理想的なカメラの登場!

およそ50年前に発売されたフィルムカメラOLYMPUS OM-1を彷彿とさせるこのカメラは、街中でもファッションアイテムの1つとして使用できるほどの洗練されたデザインが特徴だ。柔らかで温かみのあるレトロデザインは、街の風景によくなじみ、日々の通勤や散歩といった日常使いにも便利。その洗練されたデザインは、カメラをアクセサリー感覚で楽しみたいユーザーにも高い支持を得るはずだ。

一方で、OM-1 Mark IIに初めて搭載されたライブGNDを搭載するなど、見た目からは想像もつかない最上級のスペックを誇り、性能面ではフラッグシップモデルOM-1 Mark IIに迫る。新たに追加されたCPボタンにより、ハイレゾショットやライブNDなどといったコンピュテーショナル フォトグラフィ機能を簡単に呼び出せるのもうれしい。

さらに、OLYMPUS PEN-Fなどに搭載されていたプロファイルコントロール機能も備わり、撮影時から自分好みの色みを追求し、よりクリエイティブな写真作りを楽しめる。

ライブコンポジットは、写真の明るさが一定で明るく変化した部分のみが合成される機能。写真は30分間のライブコンポジット撮影によるもので、シャッターボタンを押すだけで簡単に時間の流れを1枚の写真に収められた
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II/25mm(50mm相当)/マニュアル露出(F2.2、30秒)/ISO 800/WB:オート/ライブコンポジット(60コマ)

FRONT:フィルムのOM-1から継承した洗練されたデザイン

シンプルで無駄のないデザイン、ボディの中央に向かうにつれ、緩やかな曲線を描きながらボディの厚みが増していくフォルム。このOM-3には、フィルム一眼レフ「OLYMPUS OM-1」の伝統が息づいており、手にした瞬間、歴史そのものを手にしているような感覚を味わえる。

OM-3
OM-1(フィルム)

マウント周りの上下を絞り込み小型化に貢献

絞り込まれたマウント周りは、OM-1を彷彿させるとともに、小型化にも貢献している。コンパクトサイズを損なうことなく、所有する喜びも与えてくれる高い質感に仕上がっている。

多彩な表現を可能にするクリエイティブダイヤル

カメラ前面には「クリエイティブダイヤル」が配置されており、「カラープロファイルコントロール」や「モノクロプロファイルコントロール」、さらに「アートフィルター」や「カラークリエイター」を簡単に切り替えられる。「カラープロファイルコントロール」ではプリセットのほか、彩度やシェーディングなどの設定項目も用意され、自分好みの色や表現にこだわれる。

REAR:直感的な設定が可能な背面ボタン類

小型・軽量サイズを実現しながらも優れた操作性を備えている。新たに搭載されたCP(コンピュテーショナル フォトグラフィ)ボタンは、右手親指で簡単に操作できる位置に配置されており、ハイレゾショットやライブND、ライブGNDなどの各機能を素早く呼び出せるようになった。

OM-3
OM-1(フィルム)

先進機能を瞬時に呼び出すCPボタン

CP一覧
・三脚ハイレゾショット
・手持ちハイレゾショット
・ライブND(ND2-64)
・ライブGND(GND2-8)
・深度合成
・HDR
・多重露出

TOP:デザイン性と操作性に優れる天面ダイヤル

天面ダイヤルは、OM-1のデザインを継承しつつ、直感的で使いやすい操作性を実現している。OM-1を思わせるクラシカルな電源スイッチの形状や配置は懐かしさを感じさせる一方、新たな世代にも対応する機能的なボタンが追加され、「伝統と進化の融合」を象徴するデザインとなっている。

OM-3
OM-1(フィルム)

手にフィットするデルタカット

全体は直線基調ながら、ボディ両サイドはデルタカット形状で手当たりが良い。

OM-3にマッチする小型単焦点もリニューアル!

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II
●SPECIFICATION
レンズ構成:6群9枚
最小絞り:F22
絞り羽根枚数:7枚(円形)
最短撮影距離:0.25m
最大撮影倍率:約0.08倍(35mm判換算0.16倍相当)
フィルター径:φ46mm
外形寸法(最大径×全長):約57.6×37.6mm
質量:約112g

最も魅力的な進化は防塵・防滴性能の追加。これにより、多少の雨やちり、吹雪など過酷な環境下でも安心して使用可能になった。35mm判換算34mm相当の画角は使いやすく、スナップや風景撮影にぴったりだ
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II
●SPECIFICATION
レンズ構成:7群9枚
最小絞り:F22
絞り羽根枚数:7枚(円形)
最短撮影距離:0.25m
最大撮影倍率:約0.12倍(35mm判換算0.24倍相当)
フィルター径:φ46mm
外形寸法(最大径×全長):約59.4×42.0mm
質量:約156g

新たに金属外装が採用され高級感のあるデザインとなった。さらに、こちらも防塵・防滴性能を搭載。明るいF値と35mm判換算50mm相当という画角は、風景撮影だけでなくポートレートにも最適だ
新レンズ25mm F1.8 IIで撮影した朝つゆの玉ボケ写真。カメラを横にスライドさせながら良い感じの玉ボケポイントを探した。当然、カメラを動かすとカメラは雨で打たれた後のようにぬれるが、この新レンズも防塵・防滴のため安心だ
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II/25mm(50mm相当)/マニュアル露出(F1.8、1/3,200秒)/ISO 200/WB:オート

OM-3に搭載された多彩な機能を使いこなす

OM SYSTEMの代名詞ともいえる強力な手ぶれ補正や防塵・防滴性能もしっかりと継承されていて、悪天候下や過酷な環境でも安心して撮影に集中できる。軽量で持ち運びやすく、長時間の撮影でも負担が少ない。どこにでも持って行けるのでシャッターチャンスも逃さない。初心者からプロフェッショナルまで幅広い層に満足感を与えてくれるだろう。OLYMPUSの歴史とOM SYSTEMの最先端技術が融合した、まさに究極のカメラの誕生だ。

STYLE 01.自在な色再現をかなえるカラープロファイルコントロール

カラープロファイルコントロールは、色表現を簡単にカスタマイズできる機能。4つのプリセットが用意され、さらに12色の彩度やハイライト&シャドウ等を細かく調整し、追求できる。今回は紅葉の鮮やかさを出すため、COLOR3を使用した。

COLOR3
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II/25mm(50mm相当)/マニュアル露出(F8、1/60秒)/ISO 200/WB:オート
COLOR1
COLOR2
COLOR4
COLOR3に加え、それぞれの設定がデフォルトのCOLOR1、渋みと濃厚感のある色調が得られるCOLOR2、淡く柔らかいトーンのCOLOR4の、合計4つのプリセットが用意されている

STYLE 02.カメラ内でハーフND効果を実現するライブGND

GND4
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II/17mm(34mm相当)/マニュアル露出(F8、1/5秒)/ISO 200/WB:オート/ライブGND(GND4/Medium)
BEFORE

物理的なフィルターを使用せずに、選択範囲の明るさを調整でき、明暗差の大きいシーンなどで活躍する。段数はGND2/4/8、フィルタータイプはSoft、Medium、Hardの3種から選択可能。右のシーンでは前景と空の明暗差が大きかったが、どちらの階調も損なわずに撮影できた。

STYLE 03.ライブNDでかなえるスローシャッター表現

3.2秒
M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II/17mm(34mm相当)/マニュアル露出(F10、3.2秒)/ISO 200/WB:オート/ライブND(ND64)
1/20秒

ライブNDは、物理的なNDフィルターを使わずにスローシャッター効果が得られる革新的な機能だ。ND2/4/8/16/32/64相当の効果をリアルタイムでシミュレートし、光の強さを調整できるので、撮影の自由度を大きく向上してくれる。このシーンではND64を使用し、水面を滑らかに捉えた。

米国 Walt Disney Company、National Geographicとフォトグラファー契約を結び、世界を旅してまだ見ぬ風景を求め撮影を行っている。世界最高峰のコンテストであるNational Geographic Travel Photo Contest `People’ 世界2位を受賞。その他にも国内外の写真賞多数受賞。多くの企業から依頼を受け写真を提供すると共に、新聞・書籍・雑誌など数多くのメディアでも活躍している。兵庫県出身。元プロスノーボーダー。