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自然風景撮影の“頼れる相棒”…OM SYSTEM「OM-1 Mark II」を使ってみて
頑強・軽快なボディはそのままに、画期的な新機能「ライブGND」を搭載
2024年2月7日 07:00
OM SYSTEMから新たに発表されたミラーレスカメラ「OM SYSTEM OM-1 Mark II」(以下OM-1 Mark II)。定評ある「OM-1」をベースにAFなどの基本性能をブラッシュアップ。そのうえで「ライブGND(グラデーションND)」など、撮影者の表現力を高める新機能を盛り込んだ期待の製品だ。
自然風景の撮影において「OM-1 Mark II」はフォトグラファーに、どのような恩恵を与えてくれるのか。先行して試用した藤原嘉騎さんに紹介してもらう。
米国 Walt Disney Company、National Geographicとフォトグラファー契約を結び、世界を旅してまだ見ぬ風景を求め撮影を行う。
世界最高峰のコンテストである2019 National Geographic Travel Photo Contest People部門において世界2位を受賞。さらに、写真界のアカデミー賞といわれる国際コンテストInternational Photography Awards 2018 プロ部門Natureカテゴリーで世界2位、国際コンテストTIFA 2019ではPeople部門 Goldを受賞した実績を持つ。
多くの企業から依頼を受け、JAL、アメリカン・エキスプレスなど様々なクライアントへ写真を提供すると共に、Adobe Lightroom CCプロモーションムービーへ出演する他、新聞・書籍・雑誌など数多くのメディアでも活躍している。
世界に誇れる実績を持つメンバーのみで構成されたクリエイティブ集団 Japan Art Entertainment (JAE)に所属。JAEはマーベル新作映画『ブラック・ウィドウ』のVFXなども担当する。
元プロスノーボーダーでもある。兵庫県出身。
OM-1 Mark IIとは?
国内だけでなく海外での撮影も多い私は、機材の軽さやコンパクトさを重視している。
自然風景を主な被写体として撮影していると、山の中に入ることが当然多い。季節を問わず登山することもあるので、雪山に登り雪洞を作って撮影することもある。
そうなると登山するための道具や食料なども持ち運ぶことになる。そのためカメラも極力軽いもの、コンパクトなものを求めてしまう。
OM SYSTEMはボディだけでなくレンズも含めてシステム全体でコンパクトなのも魅力だ。
さらに、 天候の変わりやすい山で突然雨や吹雪に襲われたとしても強力な防塵防滴性能のおかげで気にすることなく撮影を続けられるのも魅力の一つだ。
今回のモデルにも継承されているが、ND効果が内蔵されているライブND機能は非常に気に入っている。
ライブNDは物理的なフィルターをつけないので画質の劣化もなく、透明感と瑞々しさ溢れる写真を撮ることができる。さらにフィルター装着などの作業もないのですぐに撮影を行える効率の良さも気に入っている。
今回のOM-1 Mark IIではさらにND128も追加され撮影表現の幅が広がった。
カメラさえあれば、フィルターを持ち出すことなく様々な表現が可能なOM-1であったが、Mark IIになりその機能はさらにアップ。カメラ一つさえあればできる撮影表現がさらに広がったと感じた。
フィルターワークをカメラ内で……「ライブGND」
風景写真家であれば、他メーカーからの乗り換えもあり得るのではないかと思えるほどの魅力的な新機能が搭載された。それが今回からの新機能であるライブGNDだ。従来からあるライブND同様、物理的なフィルターをつけないので画質の劣化もなく、 面倒な装着も必要ないので素早く撮影できる。
ND2/4/8と濃度が3段階用意され、グラデー ションの度合いもsoft/medium/hardから選択可能。全9種類の効果を内蔵している。ボディを購入するだけで高価なフィルターを9種類も手に入れることができるというわけで、これだけでもかなりお買い得感がある。
これからGNDフィルターに挑戦しようと考えている初心者の方にも、色々な濃度とグラデーションが最初から試せるOM-1 Mark IIはおすすめだ。
使い方は簡単で、実際のGNDフィルターのように濃度とグラデーションの幅を選ぶだけ。海岸線の様に水平な場所で使用するときはhard。山並みの稜線で使用するときはsoftなど撮影場所に合わせて柔軟に変更することができる。
実際のフィルターのように風景に合わせて傾けて使うこともできる。ダイヤルを回すだけで傾きを細かに調整でき、回転する中心点も自由に動かせるのはわかりやすい。
手ブレ補正が最大7.0段分→最大8.5段分に
OM SYSTEMの強力な手ブレ補正はカメラ業界でも有名だが、今回さらに進化を遂げている。前モデルではボディ単体で最大補正能力7.0段分であったが、OM-1 Mark IIで最大8.5段分と強力になっている。
手ブレ補正効果がパワーアップしたことで、手持ちハイレゾショットの能力も向上している。ハイレゾショットは一瞬のうちに複数枚撮影し、カメラ内で高画素データへと合成を行う機能だが、手ブレ補正が強力になったことで、一枚一枚の写真がこれまで以上にブレのないしっかりした写真が撮れるようになった。これにより、さらに高精細で立体感のある手持ちハイレゾショットが作り出されるようになっている。
手持ちハイレゾショットに限らず、強力になった手ブレ補正のおかげで、三脚を持ち運ぶには危険な崖などの撮影場所でも、手持ちでしっかりした写真を残せるようになった。望遠レンズ使用時の撮影でもスローシャッターで撮影しやすくなったのもありがたい強化だ。
前モデル「OM-1」譲りの機動力はそのまま
ボディ外観はOM-1からそのまま継承されており、コンパクトだが、カメラのグリップが深くしっかりしているので手に馴染みやすい。がっちりとカメラを握っている感覚があり、シャッターを切る際も安定してボタンを押すことができる。
新しいボタンの追加などはないが、右手下にあるゴミ箱ボタンをMENUボタンとして設定できる様になった。左手をレンズから外すことなくメニューを呼び出すことができるため、ファイン ダーを覗いたままでMENUから撮影の各種設定ができる。より撮影に集中できる仕様といえるだろう。
OM SYSTEMはコンピュテーショナル フォトグラフィのパイオニア的存在で、今回の新機能であるライブGND以外にも、ライブNDをはじめ、星や車の光跡などを作り出せるライブコンポジットなど様々な機能が盛り込まれている。
また、マクロ撮影などで多用する深度合成の精度がアップしていたり、遡って撮影できるプロキャプチャーモードの撮影枚数が増加するなど、これまであった機能もより使いやすく進化した。
自然風景の撮影を強力にアシスト
OM SYSTEMのカメラはその機動力を活かして足場の悪い場所にも撮影者への負担少なく挑むことができるというのはもちろんだが、そのような過酷な環境だけでなく、旅行などの撮影旅にも持って行きやすい。カメラの圧迫感が少ないので街中を撮影する際も人に緊張感を与えずに撮ることができるのも魅力だ。
マイクロフォーサーズはそのイメージセンサーの特性上ピントの合う深度が深いので、35mmフルサイズセンサーよりも前景から遠景まですべてにピントの合った写真を撮りやすい。写るものすべてをはっきりと捉え表現する自然風景にぴったりのシステムである。
それに加えてコンピュテーショナル フォトグラフィの各機能を活用すれば、使用するあなたの想像力を刺激し、さらに面白いワクワクする様な写真を作り出すことができるはずだ。
OM-1 Mark IIの発売を記念したキャンペーンが実施中だ。期間内にOM-1 Mark IIを購入すると、1万円分のVISAギフトカードがもらえるというもの。
2月22日(木)までに公式キャンペーンサイトで事前登録後、4月10日(水)までにOM-1 Mark IIを購入。事前登録時に発行された受付番号とあわせて「OM-1 Mark II 発売記念キャンペーン」ページから応募する。