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新機軸が満載!ユーザーに合わせて使い方が広がる「マルチモードバックパック」
ハクバ新GW-PROカメラバッグの魅力を解説(その1)
- 提供:
- ハクバ写真産業株式会社
2023年9月29日 12:00
ハクバのフラッグシップカメラバッグシリーズである「GW-PRO」がフルリニューアルした。8モデルが新しくランアップされそれぞれ特徴的な機能が豊富に盛り込まれたカメラバッグに仕上がっている。本連載では4回に分けて、新GW-PROの魅力を探っていこうと思う。
第1回目の今回は、「マルチモードバックパック」2サイズをとりあげる。同時に、新シリーズ共通の新機能などを紹介したい。
GW-PROとは?
1981年に誕生した「Godwin」シリーズから2003年に「GW-PRO」と名前を変え現在に至る、実に42年という長い歴史を持つカメラバッグシリーズだ。キャリアの長いフォトグラファーなら、国産カメラバッグの雄としておなじみの存在だろう。
アウトドアシーンからスナップ、スタジオやポートレートなど幅広い撮影ジャンルに適した、大容量で多機能、堅牢なカメラバッグをこれまで多くラインアップしている。
筆者自身、写真を始めた当初からGodwinを使用していたし、GW-PRO G2も所有しており、今回のリニューアルについても、とても楽しみに思っていた。
新GW-PRO共通の特徴
新GW-PROの共通の特徴を見ていこう。
まずは生地が非常に丈夫で耐水性に優れている。トップカバー、表面にはDIMENSION-POLYANT社の「X-Pac X50」を採用。
X-Pacは、すれやひっかきに強く耐久・撥水加工が施された500Dコーデュラナイロン、強靭な引き裂き強度と斜め方向への生地の延びを防ぐX-PLY、低伸張性の防水生地のポリエステルフィルムの3層構造からなる。
さらにバッグ側面には耐水性1,750mmで耐摩耗性にも優れた高強度500Dナイロンを採用している。このように生地単体としては雨などによる浸水のリスクはほとんどないといえる強靭さだ。
しかし、ジッパー部分から浸水してしまっては元も子もない。もちろん抜かりはなく、YKK社製止水ジッパーを採用することで、徹底的に雨への対策を施している。
その自信の現れとも感じられるのが、レインカバーが付属しないということだろう(ローラーバッグモデルを除く)。
止水ジッパーは通常のジッパーに比べて開閉時の抵抗がやや重たく感じるものが多いが、GW-PROは専用設計のU字の大型リングプラーを採用しているので力がかかりやすくスムーズな操作ができる。リングプラーは冬場のグローブでも掴みやすいようにかなり大型になっているのがフィールドユーザーにとってうれしい配慮だ。
大容量なのに背負いやすい…「マルチモードバックパック30」
ここからは「マルチモードバックパック30」の詳細を見ていきたい。新GW-PROシリーズではバックパックだけでも4製品が取りそろえられており、その中で大容量かつ最も凝った仕組みを持つ本製品は、シリーズの顔ともいえる存在だ。
「マルチモードバックパック30」は、大容量の30Lモデルらしい大柄なモデル。外形寸法が約375×530×240mmで、単体で見ると背が高くて厚みもけっこうあるな、といった印象を受ける。
しかし背負ってみると想像以上にバランスがよく、大きさをほとんど感じなかった。筆者は身長165cmと小柄な方だが、背負ってみた際の見た目にも大きすぎるといった感じはしない。
おそらく、トップ部分のフォルムを内容量により変更できるエキスパンダブル構造にしたことが理由と思われる。パンパンに詰め込まない限りトップがなだらかな斜めのラインを描くので、ゴツゴツしさを感じにくいのだろう。
容量はといえば、さすがは30Lタイプであり機材がこれでもかというほど入る。容量=カメラ収納部という構造のため、その大きな空間すべてに機材を詰め込むことができる。
大口径レンズを多く使うユーザーであっても、必要な機材はたいてい入ってしまうサイズ感だ。サブカメラやドローン、ジンバルや1泊程度の着替えなどをカメラと一緒に入れたいユーザーにもおすすめできる。
重量は2,500g。30Lと考えると平均的な重さだと思うが、たくさんの機材を詰め込んだ状態で手に持つと、当たり前だがそれなりに重く感じる。しかし背負ってみるとショルダーハーネスの形状が肩にジャストフィット。日本人の体型に合わせて設計されたというのが効いているようだ。
ハーネスのクッションも厚手で柔らかく、結果的に機材の重量はかなり軽く感じられる。肩にかかる最大圧力が前モデルから約24%も抑えられているとのことだが、背負えばその効果は明確に感じられるはずだ。
様々な方法で内部にアクセス
さて「マルチモードバックパック30」は、名前が示す通り変幻自在なバックパックであり、収納部の開閉方向が天面、両サイド、背面の合計4つもあるマルチアクセス仕様となっている。
さらに天面はトップカバーを開けた全開状態と、カメラがサッと取り出せる程度が開くジッパーの開閉口の2タイプがある。仕切りのレイアウトを変更すれば、バッテリーグリップを装着したα7R VにFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを装着したままの状態でも、天面から余裕で収納できた。
トップカバーの開閉にはドイツFIDLOCK社製のマグネットバックル「V-Buckle」が採用されているが、プルタブを引くだけで簡単に開き、閉じるときはマグネットで吸い付くように自動で閉じる感覚はとても気持ちがいい。
両側に設けられたサイドアクセスには「Lクイックアクセス」という構造を新たに採用している。
L字型のファスナー部分と、上部側はマグネットでの開閉というユニークな構造により、従来のコの字型のファスナーでの開閉よりも素早いカメラの出し入れが可能だ。
収納部の横幅も320mmあるので、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSを取り付けたまま、カメラボディを収納することもできる。
ちなみに「Lクイックアクセス」の蓋にサイドポケットが位置する。適度な深さがあり、ドリンクがしっかり収まる感じが良い。
背面の開口部はカメラ収納部全体にアクセスでき、レンズ交換がしやすい。また別売の「GW-PRO ウエストベルト」を装着すれば、バックパックを地面に降ろさず、前に回すだけで背面を開けられる。これは筆者おすすめの利用法だ。ただし、開けた勢いで中身が転がり出さないように注意しよう。
このように4方向に開口部を持つ構造だが、背面部に内蔵された軽量フレームとサイドアクセス部の上部に内蔵された補強プレートによって、バッグ全体がしっかりとした剛性に仕上がっている。
バッグの底面にはフットスタンドが装備されており、バッグを下ろした際にも自立するようになっている。
また底面は防汚性、耐水性に優れたターポリン生地を採用しているので地面に置いても水分が染み込んでくるようなこともないし、汚れてしまっても容易に拭き取れるのが良い。
またバッグ側面上部にはベルトが収納されているのでサイドポケットに中サイズ程度の三脚を固定することができる。
しっかりしたトップハンドルも付いている。バックパック自体が自立することもあり、活用度は高い。
なお、本シリーズから肩ベルトが背面アクセス用のジッパーより下に位置するようになった。背面をオープンにする際、肩ベルトに干渉しなくなっている。
ハクバ独自の「くびの負担がZEROフック」も取り付け可能。カメラのネックストラップを首ではなく、バックパックの肩ベルトに取り付けることで、カメラの重さを感じさせないようにするアイテムだ。
機能は上位モデル譲り…軽快な「マルチモードバックパック20」
「マルチモードバックパック20」は、「マルチモードバックパック30」の小容量版。容量が20Lになっていること以外、基本的に違いはない。外形寸法が約355×480×210mm、カメラ収納部が約300×460×150mmと、「マルチモードバックパック30」から全方向でひと回り小さくなっている。
とはいえ、カメラ収納部は20Lモデルでもかなり広い印象で、カメラ機材だけを入れる想定であれば十分だろう。もちろんフルサイズカメラを中心としたシステムでも、十分収納可能なサイズ感となっている。
「マルチモードバックパック30」に比べて寸法的にひと回り小さいため、見た目的にもややシュッとした印象。タウンユースや小柄な方などにも合いそうだ。
まとめ
全体の使い勝手に関しては、大容量かつ器用なカメラバッグという印象だ。4方向からのマルチアクセス仕様は、各々の好みや利き腕に合わせて、また使う機材や撮影状況に合わせてカメラの取り出し部を変更できる面白さがある。
また、2モデルで共通で感じたことは、バックパック単体で見るとそこそこ大きい印象を受けるものの、背負ってみると想像していたよりもゴツい感じがなくなり、シュッとした雰囲気があること。
ショルダーハーネスのクッションが良いのでそのままでも十分に背負いやすいが、やはり別売の「GW-PRO ウエストベルト」を使用することでフィット感がとても良くなる。ぜひ一緒に使ってみてほしい。
豊富な収納力と圧倒的なカスタマイズ性が面白いバックパックだ。カメラの取り出し方法やレンズ収納方法などいろいろなパターンを試して、自分にもっとも合ったバックパックに仕上げてみてほしい。