7月号【渡辺万美 + キヤノンEOS Kiss X3】2週目
~動画機能は便利かも


 2週目カメラの設定は、上ブロックはISO200、F2.8、シャッタースピードは右下以外1/160秒、右下のみ1/100秒。下ブロックはISO100、F3.5、シャッタースピード1/160秒。レンズはどちらもEF 35mm F2を使っている。自然光の上ブロックの露出がほぼ同じなのは、この時間帯かなり陽が安定していたため。私服1パターン目なので撮り始めだ。9時半頃だったと思う。

 下ブロックは純正のストロボ「580EX II」を使い、白いカポックに反射させるいつものパターンだ。露出的にはフル発光するまでもないので、チャージにかかる時間はごくわずか。このためストロボを使っている事をあまり考える必要が無く、普段のペースでシャッターが切れる。撮影中チャージが間に合わなかったのは数枚程度だった。

 ただEOS Kiss X3のボディは小さく、流石にこのストロボを付けた場合、持った時のバランスはかなり悪い。特に縦位置では手首がストロボの重さに引っ張られ、ねじれるのを抑えながらの撮影となり、普段では感じない変な負担がかかってしまう。ハイエンドモデルなどボディが重い機種だと、バランス的には重心が本体側にあるので、こういったねじれるような手首の負担は無く、単に重いだけとなる。

 Digital Photo ProfessionalでのRAW現像に関してはほぼノーマルな状態だ。「明るさ」と「ホワイトバランス」の調整を行なった。あとは、ピクチャースタイルは「スタンダード」、絵によって「色の濃さ」を+1や「シャドウ」を-1、「トーンカーブ」のRGB中央をちょっと引っ張る……といった感じに処理をしている。シャープネスは±0、「オートライティングオプティマイザ」は使っていない。

 このEOS Kiss X3は、これで入門機なの? と思うほど豊富な機能を搭載し、ファインダーの見え方やシャッター音、ボディの質感など機械的な部分以外は、少し前のハイエンド機にも匹敵する。その中で唯一対応して欲しいデジタル的な機能があるとすればsRAWだろう。直ぐPCで確認できるようにRAW+JPEGで撮影すると1枚約20MB強のデータサイズとなる。2GBのメディアを使って約100枚。4GBで約200枚。被写体によっては15Mピクセルも必要なく、8Mピクセルでも十分な解像度が得られるので、sRAWがあれば先の撮影枚数がほぼ倍増する。EOS Kiss X3にsRAWが無いのは「あえて外している」のか「コスト的な問題」なのか不明であるが、あった方がより便利ではないだろうか。

 この連載では扱っていないが、EOS Kiss X3も動画対応となっている。H.264フォーマットで1,920×1,080ピクセルなら20fps、1,280×720ピクセルと640×480ピクセルなら30fpsで撮影可能だ。最近ちょっと筆者として考え方が変わったのは、特に「入門機」では動画もありかもと言うこと。これはコンパクトデジタルカメラや、最近出てきた“レフ”無し「一眼」カメラなども同様で、つまり1台持っていれば写真も動画も撮れるのは便利。かさばらないし、バッテリーやアクセサリーを二重に持ち歩く必要も無く、もちろん財布にも優しい。ハイエンド機に関しては写真を撮る事に全機能を集中して欲しいが、普段使いのカメラならより便利な方へ進化するのもいいと思う。

 万美ちゃん、この1つ目の私服だけ、ほかとは随分雰囲気が違う。基本、全部自前なのだが、普段はどっち系なのだろうか。(つづく)

actress渡辺万美SUNS
photographer西川和久
EOS Kiss X3
EF 35mm F2



西川和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!http://www.iwh12.jp/blog/

2009/7/10/ 00:00