特別企画

スマホユーザーに贈る「キヤノンPowerShot S110」活用術(第3回)

〜PC不要のお手軽フォトプリンターを試す

 これまで2回に渡り、スマートフォンとSNSの時代に寄り添うコンパクトデジカメとしてキヤノン「PowerShot S110」を紹介してきた。同シリーズの定評ある高画質をアピールしつつ、新たに無線LAN機能も搭載した意欲作だ。

PowerShot S110とSELPHY CP900(右)

 今回はその高画質を手軽にプリントしてみよう、という趣旨だ。登場するのはキヤノンのコンパクトフォトプリンター「SELPHY CP900」。ポストカードサイズまでの用紙サイズに対応し、こちらも無線LAN機能を搭載している。

 書類印刷のためにA4プリンターをお持ちの方は多いと思うが、写真プリント向けの高級機というのは、本体価格も維持費も相対的に高くなりがちだ。加えて使いこなしやメンテナンスに関する不安もつきまとう。

SELPHY CP900(左)とPowerShot S110(右)
用紙とインクは専用パッケージで用意

 SELPHY CP900の実勢価格は8,660円前後(執筆時点)で、Lサイズの用紙36枚とインクのセットを同時購入して1万円といったところ。これだけあれば、PowerShot S110やスマートフォンから撮影画像を無線でプリントすることができるのだ。

 加えて、用紙とインクはセットの専用パッケージで売られている。用紙とインクを一緒に新しいものと交換するので、「久々のプリントでインクがかすれる」といったメンテナンスにまつわる心配もない。

 まずはPCレスでデジカメ画像をプリントできるというだけでも、ユーザーによってはかなり魅力的ではないだろうか。

用紙は付属のトレーに入れて(左)本体にセットする(右)
インクはカートリッジ(左)を本体側面からセットする(右)

 消耗品の実売価格は、Lサイズ(89×119mm)36枚のセットが990円前後、カードサイズ(54×86mm)36枚のセットが1,270円前後。いずれもインク付きだ。さらにポストカードサイズ(100×148mm)の用紙や8分割(1枚あたり17.3×22mm)のシールも用意されており、カジュアルな写真プリントを楽しむにはもってこいの環境といえるだろう。

Lサイズ36枚セットの中身。用紙とインクがセットになっている

実際にプリントしてみる

 CP900はUSB接続やSDカードを用いた直接プリントも可能だが、まずはPowerShot S110からの無線プリントを試していただきたい。画像選択や設定変更にカメラ背面のコントロールホイールが使えるのは、CP900本体の方向キーで操作する以上に快適だからだ。

 まずは前回紹介したスマホ転送と同様、再生画面で方向キー上を押して、送信先の選択画面を呼び出す。CP900側は「インフラストラクチャーモード」を選び、アクセスポイントとしてPowerShot S110のSSIDを選択する。

送信先にプリンターを選択する
カメラの画面に表示されたSSIDをCP900側で選択し、暗号化キーを入力する

 接続に成功するとカメラの画面に撮影画像が表示され、任意の画像を選択すると、印刷設定の画面に移る。レイアウトなどを決定し「印刷」を押すとプリントが始まる。

プリント設定の画面。枚数や仕上がりの設定を行なえる。「印刷」を押すとプリントが始まる
フチあり・フチなしなど、レイアウトを選ぶ画面。フチなしを選択した

 Lサイズ1枚のプリント時間は1分足らず。メーカーの仕様表によると約39秒となっている。プリントが完了したら、用紙の端の部分を折ればフチなしのプリントが仕上がる。

プリントしたところ。上下の点線部分(左)で前後に折ると、余白を取り除ける(右)

 続いて、せっかくの無線LAN対応プリンターなので、スマートフォンからのプリントも試してみた。iOS/Android端末からは、専用アプリ「Easy-PhotoPrint」を使って端末内の画像を無線でSELPHYに送信し、プリントできる。

iPhoneからCP900に接続する
画像選択とプリント設定を行なえる。複数画像をまとめて選択・プリントできる

 CP900はデフォルトでは「自動補正」がオンになっていて、暗い部分を自然に明るくするといった処理をプリンターが行なってくれる。デジカメ写真に詳しくないユーザーには嬉しいポイントだが、コントラストや色合いにこだわったプリントの際は、きちんとその作画意図を反映できるよう、自動補正はオフにしておこう。

 自動補正のオン/オフで仕上がりを比べてみたところ、やはり自動補正をオフにしたほうが狙った通りのメリハリのついた仕上がりになる印象だ。特にPowerShot S110のような高画質訴求のカメラは、明るさ・暗さの表現範囲が通常のコンパクトデジカメより広いので、せっかくならプリントもその性能を活かしたダイナミックな仕上がりとしたい。

iPhoneの「Easy-PhotoPrint」アプリからプリントしているところ
楽しくなってあれこれプリントしてみた。スマホアプリでトイカメラ風のエフェクトを施した画像も、画面に近い仕上がりになった

 巷ではカメラの性能を「描写の緻密さ」や「ボケの大きさ」のみで判断する向きもあるが、その場にある光を受け取るというカメラ本来のはたらきを考えれば、明るい部分・暗い部分の情報がより豊富に残ることも大事なカメラ性能のひとつと納得いただけるだろう。

 ちなみに、キヤノンの担当者によると「PowerShot S110の画質なら、本当はもっと大きなサイズのプリントを楽しんでいただける」とのことだった。というわけで、一歩進んでより大きなサイズに挑戦したいと考えるなら、同社インクジェットプリンター「PIXUS」にステップアップするのもオススメ。こちらもシリーズ最新モデルでは、CP900のような無線LANプリントを楽しめるようになっている。

余裕ある画質だが、カードサイズの楽しさも捨て難い

 このところ、筆者の周りでもイベントで撮影した写真はFacebookアルバムなどのオンライン共有でおしまい、というケースが多くなっている。その分、プリントされた写真の価値というのは相対的に高まっているように感じる。だからこそ、デジカメ写真も大切な1枚だけはプリントで手渡しする、というのも粋ではないだろうか。

 PowerShot S110の満足画質とSELPHY CP900のお手軽プリントで、もっと写真のある生活を楽しんでいただければ幸いだ。

(協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)

本誌:鈴木誠