特別企画

秒18コマの「E-M1 Mark II」は、UHS-IIで撮るべき!

レキサーの比較動画で衝撃の事実が判明

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II

今年9月に掲載して反響を呼んだこちらの記事。覚えておられるだろうか。

デジタルカメラで連写し続けると、記録メディアへの書き込みが追いつかなくなり、カメラ側のバッファがフルになる。そうなるとたいていの場合、カメラそのものの連写性能が発揮されなくなり、結果、思うように撮影できなくなる……これがいままでの定説だった。

それをあっさり覆したのが、上のリンクで紹介したマイクロンの動画。私自身、初めて見たときの衝撃ったら半端なかった。

そのマイクロンから「新しい動画を作ったので見て」とのメールが。記載されたURLの先には、前回のEOS-1D X Mark IIのときと同様、レキサーブランド公式のYouTube動画が公開されていた。

今回のターゲットは新製品「OM-D E-M1 Mark II」

さっそく動画をスタートさせてみる。どうやら今回は、12月22日発売の新製品、OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II(以下E-M1 Mark II)でテストをしたようだ。

なるほど、E-M1 Mark IIといえば、AF/AE追従で約18コマ/秒、AF/AE固定なら最高で約60コマ/秒という、驚異的な連写性能のミラーレスカメラ。ほかにもプロキャプチャーモードやハイレゾショット、4K動画など、記録メディアの能力が問われる機能が盛り込まれている。

そんなE-M1 Mark IIが記録メディアとして採用するのが、UHS-II SDメモリーカード(スロット1がUHS-II、スロット2がUHS-Iに対応)。

UHS-IIとは

レキサー プロフェッショナル 2000x SDXC UHS-II 64GB

SDアソシエーションが定義した高速規格UHS-Iをさらに高速にしたもの。

従来のSD系に対して新たな転送用のピンが追加されており、UHS-I採用カードの最大104MB/sを大きく超える、312MB/sでの高速転送が可能だ。UHS-Iカードとの互換性もある。

E-M1 Mark IIに目をつけるとは、さすが無限連写を世に知らしめたマイクロン(レキサー)である。

動画の中で使われている記録メディアは、マイクロンが発売した「レキサー プロフェッショナル 2000x SDXC UHS-II 64GB」。対抗として、他社製UHS-1カードでのテストも同時に行われている。

まずはAF/AE追従の約18コマ/秒モード、JPEGで連写。連写速度が落ちた時点でシャッターを放し、その時点での撮影コマ数をUHS-IIとUHS-Iで比較する内容だ。

両者とも快調にスタート。それにしても動画内の液晶モニターの明滅を見ているだけで、秒18コマのすごさが伝わってくる。これを見るだけでも、この動画の価値はあると思うぞ。

しばらく再生すると、UHS-Iは68コマであえなくダウン。シャッターを放して書き込みタイムに移った。一方UHS-IIは、マイペースに連写しっぱなしが続く。

そんなUHS-IIも84コマ(!)でようやく速度が低下。書き込みが始まる。

ここからもすごい。68コマの書き込みが終わっていないUHS-Iを横目に、UHS-IIは全84コマの書き込みがもう完了した。連写コマ数もさることながら、復帰もUHS-IIだと早い早い。

規格上、UHS-IIの高速性能は疑うべくもないが、正直ここまで差が出るとは思わなかった。この結果を見る限り、UHS-IIに対応した製品に、UHS-Iを組みあわせる意義は薄いだろう。

動画は次のテストに移る。今度は同じく約18コマ/秒での連写で、記録フォーマットをRAWに変えたテストだ。

このテストでももちろん、UHS-IIが圧勝した。

連写の終了後も面白い。UHS-IIは早々に書き込みが完了したというのに……UHS-Iはまだ書き込みが終わらない。

まだUHS-Iは書き込んでいるぞ。

ようやくUHS-Iの書き込みが完了。UHS-Iは連写終了から書き込み終了まで、30秒近くかかった計算だ。一方のUHS-IIは、10秒強で書き込みを終えている。

メモリバッファが早く開放されるということは、連写しきった後のシャッターチャンスを逃しにくいということ。実際にありがちな小刻みに連写を繰り返すようなケースでこそ、有利に働くだろう。

動画はその後もテストが続く。10コマ/秒モードでの連写では、UHS-IIがついに200コマを超える連写を達成。公開されている動画をご自身で確認してほしい。

PCへの転送も圧倒的ではないか

マイクロンからは、もう1本動画のURLを受け取っている。それはUHS-IIとUHS-Iを使った、PCへの転送テストだ。

使用しているUHS-IIメディアは、連写テストと同じく「レキサー プロフェッショナル 2000x SDXC UHS-II 64GB」。そのUHS-IIカードに付属するカードリーダーを使い、Macのデスクトップへ2.84GB分の画像を転送。その速度を計測している内容だ。

早速再生してみる。テスト開始から5秒が経過したが、この時点で明らかにUHS-IIの転送速度が速い。

10秒経過。もはやどうしようもないくらい差が付いてきた。

UHS-IIの方は約15秒で転送を終了。UHS-Iはというと、ようやく半分を超えたところ。

手持ち無沙汰のUHS-IIを尻目に、30秒経っても頑張り続けるUHS-Iさん。

ようやく両方の書き込みが終了した。

とまあ、かように差がつくUHS-IIとUHS-I。撮影時だけでなく、帰宅してからの時間節約につながるのは重要だ。撮影コマ数が増えれば増えるだけ、その恩恵は大きくなるだろう。

結論はただひとつ

UHS-II対UHS-Iのテストを見てきたが、連写をする場合はもちろんのこと、連写をしない場合でも、PC転送でしっかり差が出るのがわかった。UHS-II対応のE-M1 Mark IIをお買い上げの際は、ぜひUHS-IIメディアをお求めいただきたいと思う。

ちなみにUHS-IIは規格上、UHS-Iより低電圧・低電流で動作する。(個々の利用状況は様々だが)そんなに連写しないという人でも、バッテリーの持ちという点から見ても、UHS-IIの方が有利といえる。

他にもいろんなテストの動画がレキサーブランドのYouTubeチャンネルに上がっているので、興味のある方は確認してほしい。

制作協力:マイクロン株式会社

本誌:折本幸治