新製品レビュー

クランプラー「トリプルA カメラスナップバッグ」

ショルダーストラップで使い道広がるカメラポーチ

7月26日に発売されたクランプラーのカメラポーチ「トリプルAカメラスナップバッグ」(Triple A Camera SnapBag)を試してみた。実勢価格は税込4,320円。

カラーはブラック、タクティカルグリーン、ネイビーの3色。

本製品は、ゴムベルトで巻いて固定するタイプのカメラポーチに、取り外し可能なショルダーストラップが備わっているのが特徴。一見ふつうのポーチだが、このショルダーストラップが備わったことでグッと使い道の可能性が広がっており興味を持った。

サイズは、コンパクトカメラ〜APS-Cミラーレスカメラが合うだろう。M型ライカも丁度いいサイズだが、いくらか全長のあるレンズの場合は、レンズが上向きになるようカメラを寝かさないと入らない。

シンプルながら気が利いているのは、カメラが収まるであろう高さの部分まで、機材を衝撃から守ってくれそうなクッションが入っていることだ。内部には、バッテリーやSDカードを仕切っておけそうなポケットもある。割り切りのバランスが非常に良い。それでいて、価格も4,000円程度と決して高価ではない。

側面と底部にクッションが入っている。
内部のメッシュポケット。
リコーGRを入れたところ。
物をたくさん入れた時のイメージとして、リコーGRとライカM10を縦向きに入れて口を閉じた。上部までクッションは入っていないが、緊急時になんとか口を閉じられるのは心強い。

筆者がこれに期待する使い道は、旅先で観光してホテルに戻った後、移動のメインとなる大きなバッグは置いて、夕飯に出る際にちょっと提げていくポーチという位置づけ。さすがにカメラだけを提げて出かけるのは心許なく、スマートフォン用のモバイルバッテリーや、パッカブルな上着など小物を入れておいて、状況に応じてカメラも収納したい。

ショルダーストラップを使わない時は、背面にまとめられる。ここもゴムベルトなので、ベルトループとしては使えなそう。
ショルダーストラップを外したところ。
ストラップはベルクロで取り付ける。長さ調節が可能。

公称の内寸は幅15cm×奥行き10cmと、サイズとしては実にコンパクト。仮にワンサイズ上がラインナップされたとしても便利ではありそうだが、この割り切ったサイズ感で使ってこそ、ミニマムである心地よさを味わえると思う。次の遠出には必ず持参したい。

余談:最近のクランプラー

クランプラーと聞けば、オーストラリア発の鮮やかなデザインが施されたメッセンジャーバッグを思い浮かべる方が多いだろう。しかし現在流通しているカメラバッグ関連商品は、ブランドの所在などに変化があり、ドイツ・ケルンをベースとした「Crumpler EU」の新しい製品群だ。この新生クランプラーに見られる特徴は、ほどよいクッション性と、それに伴うバッグ全体の軽さだ。

現行クランプラー製品の一例「ライト デライト 6000」(税込実売7,020円前後)。

昨今のカメラバッグは、カメラユーザーの裾野が広がるに伴い、カメラを入れずに普段使いのバッグとしても使えるカジュアル性を売りにしている製品が増えてきた。これによってハードに使う人は頑丈装備のバッグを選び、街中で気軽に使う人はカジュアル志向のバッグを選ぶという楽しみが広がっている。今回試用したスナップバッグもメインを張るような収納アイテムではないが、あると便利なシーンは必ずあるだろうし、前述の通り筆者自身は「こんなの欲しかった!」と心躍った。

余談。ベルクロ式フラップのベリベリ音が気になるので、ベルクロのオス/メスそれぞれをロールで買ってきて、適当なサイズに切って塞ぐことを思いついた。こうしてベルクロの接触面を小さくすればベリベリ音は小さくなり、フラップを片手でも扱いやすくなる。セキュリティを気にするときには接触面を塞いでいるベルクロを剥がせば、また元通りにベリベリする。

本誌:鈴木誠