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【レビュー】Insta360 Mic Pro

高機能ワイヤレスマイク界に新規参入、その性能は?

独自のロゴも表示できる

動画撮影のクォリティを上げるために重要なアイテムとなっているのが外付けマイクだ。オンカメラマイクも手軽だが、被写体の声を明瞭に録れるとしてワイヤレスマイクの人気が高まっている。

そうした中、アクションカメラで知られるInsta360が新たな製品「Insta360 Mic Pro」(以下、Mic Pro)を5月にリリースして独自の機能が話題になっている。

今回試用したのは「Mic Pro(2送信機+1受信機)」というパッケージで、価格は5万7,000円だ。ほかに送信機1台のセットも3万4,500円で用意されている。

なお、同社初のジンバルカメラ「Insta360 Luna Ultra」のクリエイターキットに、Mic Proの送信機が付属している。

E-Inkディスプレイで好きな表示に

送信機2台と受信機、それに充電ケースなどをセットにしたものは現在のワイヤレスマイクの標準的なパッケージで、各社がラインアップしている。

Mic Proが独自性を発揮しているのは送信機にE-Inkディスプレイを搭載し、好きな画像を表示できるという点だ。

送信機は上と横に2つの3マイク構成で、指向性をコントロールする
充電やデータ転送のUSB端子を装備。赤ボタンを押せば単体で録音可能

自分のチャンネルのロゴマークや好きなキャラクターはもちろん、識別のための番号や出演者の名前など様々なものが表示できる。

ディスプレイの書き換えはスマホアプリから行える。最初からいろいろなグラフィックも用意されているが、ユーザーが用意した画像を読み込んで送信機に転送できる。

このようにアプリで画像を選んで送信機に転送する。書き換えは30秒ほどかかる
左はうどんの写真を表示したもの。右のように黒の画像を表示させて目立たなくもできる

実際に表示させてみるとロゴマークのようなグラフィックはかなり鮮明に表示できた。一方写真はドットの荒い表示になっていた。CGのような輪郭のはっきりしているグラフィックが表示に向いているようだ。

アプリには識別に便利な数字やアルファベットも登録されている
同社の最新カメラ「Luna Ultra」や「GO Ultra × Hello Kitty Limited Edition」のイラストも用意されていた

E-Inkディスプレイの特徴としては高コントラストで見やすい上に、表示中は電力消費が抑えられるメリットがある。

反面、自発光しないので暗い場所では見にくいことや、書き換えに時間がかかること。また一般的なディスプレイほど解像度は高くなく、表示色も6色と少ないのが短所ではある。

付属のアダプターで受信機をスマホに装着可能
オプションになるがピンマイクも用意されている

高性能なノイズリダクション機能

送信機と受信機はいずれもかなり軽く、装着で重さが問題になることはなさそう。送信機はクリップのほか、同梱のマグネットで服を挟んで付けることも可能だ。

送信機の裏側と付属のマグネット

受信機はカメラのホットシューに装着できる。ダイヤルが付いており、録音レベルの調整が手軽にできるのも良かった。スクリーンはタッチ式でスワイプで設定などが行える。同社のカメラと同じような操作感だ。

受信機をカメラに付けたところ
録音レベルなどを設定するダイヤルを装備
受信機には音量のメーターやバッテリー残量が表示される

まず送信機を声優の襟に付けて録画してみた。ボイストーンプリセットが3種類用意されている。「Std.」に対して「Full」は中低域を強調し、「Bright」は高音域を強めて明瞭になるとのこと。

今回はモデルが声優で明瞭な声質、発音なので違いは少ないように感じたが(それでもBrightはより明瞭)、一般ユーザーであれば活用できる機能だと思う。

ボイストーンプリセットの設定画面

Mic Proの送信機は受信機の上に装着できるようになっており、オンカメラマイクのように使うこともできる。カメラ内蔵マイクと比較するとかなり明瞭に録音できていた。

受信機の上に送信機を付けたところ。ウインドジャマーも付属している

その際の指向性は「無指向性」「Voice Focus」「単一指向性」「双指向性」から選べる。

カメラと被写体は3mほど離れているが、特にVoice Focusは声の帯域が持ち上がり一層聞きやすくなる印象だ。双指向性は作例には入っていないが、撮影者も話す場面などに使える。

指向性の設定画面

またNPUチップを搭載しているそうで、「AIノイズキャンセリング」機能が利用できる。道路沿いで撮影した作例を見ると「弱」ではクルマの音がだいぶ小さくなって声が聞き取りやすい。

そして「強」にすると車の音がほぼ消えていた。それでいて声は不自然になっておらず、かなり優秀なノイズキャンセリングになっていると感じた。

AIノイズキャンセリングの設定画面

受信機のロゴが気になる人にも朗報

ワイヤレスマイクは似たような製品が多数あるため迷うが、ディスプレイを搭載しているという点でMic Proはユニークな製品と言えそうだ。それだけでもこの製品を選ぶ動機にはなる。

他社製品ではブランドロゴが目立つ送信機も多く、仕事(に限らないが)ではそのままでは使いにくいという向きもあったと思う。そうした部分に新しいアイデアで挑んだ点を評価したいところだ。

同梱のバッテリー付きケース
ケースを開けたところ

加えて音質も申し分なく、ノイズリダクションも優秀。トレンドになっている送信機内での32bitフロート録音ももちろん対応している。受信機1台で4台の送信機に対応するという拡張性もあり、多人数の収録にも対応できるだろう。

ライバルにはもっと小型のタイプもあり、本機は充電ケースがやや大ぶりといった部分もあるが、ワイヤレスマイクを検討しているなら1度手に取ってみてほしい製品だった。

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。