ミニレポート
快適操作を目指すなら「キーカスタマイズ」に注目
(ソニーα6000)
Reported by 北村智史(2014/5/22 08:00)
NEXのころの操作系については、多少表現が難しいところがあったが、αに代わってずいぶん親しみやすいものになったと思う。メニューの見とおしもずいぶんよくなったし、カスタマイズが可能なボタンも増えた。よく使う機能を登録できるファンクションメニューもある。このあたりは、α6000を使いこなすうえで、重要なポイントになるので、きっちり押さえておきたい。
機能が変えられるのは「AELボタン」「カスタムボタン1」「カスタムボタン2」「中央ボタン」「左ボタン」「右ボタン」「下ボタン」の7つ。各ボタンの機能をカスタマイズするにはメニューのカスタム設定6タブにある「カスタムキー設定」を利用する。
各ボタンに割り当てられる機能の候補は、「未設定」も含めて45種類。いちいち書き出すとキリがないのでやめておくが、このうち、「スタンダード」は中央ボタンにのみ割り当てが可能だ。
また、「押す間AEL」「押す間スポットAEL」「押す間AF/MFコントロール」「瞳AF」「AFオン」「絞りプレビュー」「撮影結果プレビュー」は、左ボタン、右ボタン、下ボタンには設定できない。
とにかく候補がたくさんありすぎるので、まずは、自分にとって「これはボタンで呼び出せたほうが便利だよなぁ」と思えるものをピックアップしてみるのがいいだろう。そのうえで、どのボタンにどの機能を割り当てるかを考えるわけだ。
◇ ◇
まずは「押す間AF/MFコントロール」。“親指AF”の使い手には必須の項目だ。AFモード時は、通常の“人差し指AF”で、ボタンを押しているあいだ、一時的にMFに切り替わる。MFモード時は、ボタンを押すとAF-S(シングルAF)でピント合わせを行なう。“親指AF”にするには、AELボタンにこれを割り当てるのが基本だ。
割り当てたボタンでAF作動を行なう「AFオン」を使う方法もあるが(メニューのカスタム設定3タブの「シャッター半押しAF」を「切」にしないと、“人差し指AF”もはたらいてしまう)、この設定だと、DMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)モードで、かつボタンを押しっぱなしにする必要がある。
MFでのピント調整を行なうのに、AF作動を求められるわけで、つまり、いつでも自由にAFとMFを使い分けられるのではないところが難点だ。
MFでの正確なピント合わせに欠かせないのが「ピント拡大」。メニューのカスタム設定1タブの「MFアシスト」が、フォーカスリングを回すと自動的に画面の一部を拡大してくれるのに対して、こちらは手動操作での拡大となる。どちらがいいかは好みの問題だが、個人的に、勝手に拡大されるのが好みではないので「ピント拡大」を使用している。
この機能は、AELボタン、カスタムボタン1、中央ボタンに割り当てた場合は、ボタンを押すごとに、全画面(拡大部分の枠線表示付き)→5.9倍→11.7倍→全画面(枠線なし)の順に切り替わる。
が、カスタムボタン2、左ボタン、右ボタン、下ボタンに割り当てた場合、倍率を変更は中央ボタンで行なうことになる。つまり、使用するボタンが2つになるわけで、だから、AELボタン、カスタムボタン1、中央ボタンのどれかに割り当てるのが実用的といえる。
それから「スタンダード」も外せない。これは中央ボタンにのみ割り当てられる項目だが、使用説明書にもオンラインのヘルプガイドにも機能や動作についての説明はない(まったくもう、って感じである)。
わかっているのは、メニューの撮影設定3タブの「フォーカスエリア」が「フレキシブルスポット」または「ゾーン」のときに、測距点を移動させるのに使えること。それ以外の動作は、あれこれいじってみたものの、よくわからないままである。
ちなみに、「フォーカスエリア」からも測距点の移動は可能だが、フォーカスエリアモードを選択するという手間が面倒だ。ワンプッシュで測距点の移動が可能になる「スタンダード」のほうが、使い勝手としてはいい。
「ドライブモード」と「ISO感度」は、初期設定で左ボタンと右ボタンに割り当てられていて、これはそのまま残しておいた。
前者は、電子レリーズ代わりの2秒セルフタイマーと連続ブラケットをよく使うからだが、そうそう頻繁に切り替えるわけではないので、ファンクションメニューに入れておいてもいいかもしれない。
後者は、「ISO AUTO」を使わないのでボタンが欲しいからだ。なにしろ、α6000の「ISO AUTO」は、レンズが18mm相当の超広角でも、なぜか1/60秒をキープしたがるという変わったクセの持ち主だ。これならシーンに合わせて自分で変えるほうが気分的に納得しやすい。
素早く切り替えられるほうがいいという点では「ホワイトバランス」も落とすわけにはいかない。個人的には、オートか太陽光がほとんどで、たまにカスタムを使う程度だが、使い勝手のいい場所に置いておきたい項目なのは間違いない。
残るひとつは、買ったばかりのころは「再押しAEL」にしていたが、もともとがAEロック機能を使わないたちなので、触らずじまいという結果。今は「モニター明るさ」も変えている。
α6000の液晶モニターは、ほかに比べて暗めで、「屋外晴天」という明るいモードにすると、輝度としては足りるのだが、明るい側の階調再現が悪くなって、ハイライトが白飛びして見える。それがおもしろくないので、あまり常用したくない(電池ももったいないし)。というのもあって、ボタンに割り当てることにした。
◇ ◇
さて、この7項目を、どのボタンに割り当てるかだが、「スタンダード」は中央ボタンしか使えないから、これは確定。「ISO感度」と「ドライブモード」も、初期設定からあえて変える理由はないだろう。
ついでに、下ボタンに「ホワイトバランス」を割り当てた。というのは、オリンパス機ではずっと、右ボタンに「ISO感度」、下ボタンに「ホワイトバランス」を定番にしているので、それと統一できて都合がよかった。
AELボタンには、もっともよく使うであろう「押す間AF/MFコントロール」を割り当てた。このボタンはシャッターボタンに指を置いたままでも押しやすいからで、パッとピントを合わせて、パッとシャッターが切れるようにしたいのだ。
シャッターボタンそばのカスタムボタン1には「ピント拡大」を割り当てた。この機能を使うのは慎重にピントを合わせたいときなので、シャッターボタンから指を離して押すボタンでいいからだ。
残るカスタムボタンC2はカメラを構えたままだと押しづらい位置ということもあって、撮影作業がひと段落ついたときに切り替える機能でいいので「モニター明るさ」を割り当てた。今のところ、いい感じで使えている。
ついでなので、ファンクションメニューについても触れておく。
こちらは「未設定」を含む26項目から12項目を登録しておけるもので、現状では、上段に「フォーカスモード」「フォーカスエリア」「ピクチャーエフェクト」「クリエイティブスタイル」「測光モード」「ゼブラ」、下段に「手ブレ補正」「ロックオンAF」「画質」「DRO/オートHDR」「ピーキングレベル」「ピーキング色」を登録してある。
こちらも使い勝手を考えて、AF関連は左側、画像の仕上げ関連を中央、表示関連のを右側というふうに配置している。普段は「RAW+JPEG」で撮っているが、「ピクチャーエフェクト」や「オートHDR」を使うときには「ファイン」に切り替えないといけないので、ワンステップで移動できる位置関係にしているのがひと工夫だったりする。
◇ ◇