OLYMPUS PEN E-P3【第1回】

AFが速くてタッチパネルが便利な最新PENなのだ

Reported by 北村智史


 日通さんがやってきた。持ってきてくれた箱の中身はOLYMPUS PEN E-P3である。購入したのは、M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II Rが付属するレンズキットだ。

買ったのはM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R付きのレンズキット。色はブラック。とりあえず、標準のグリップを装着中です

 で、触ってみた第一印象。AFがこっそり速い。今まで使っていたE-PL2だと「よっこいしょ」という感じでピントが合う。「よっ」と「こい」でレンズが一往復して「しょ」で合わせ直してフォーカスロック。それがE-P3だと「よっ」の段階でピントが合ってる。しかも、キットレンズには動画撮影にも配慮されたMSC機構もあって、AF駆動がとても静か。なので「こっそり」速い。そんな感じなんである。もっとも、パソコンと同じで速いのにはすぐ慣れる。なので、ときどきは一眼レフカメラで作動するライブビュー時のコントラストAFと比べると、長いあいだ感動しつづけられるかもしれない。

 タッチパネル操作もPENシリーズとして新鮮である。画面に触れるだけで測距点の移動ができるというか、拡大枠AFに移行できる。これも便利。普通に測距点を移動するには十字キーの左キー押して十字キーで上下左右に移動という操作が必要だが、これならほんとのワンタッチでOK。枠内を拡大するのもタッチ操作か拡大ボタン押しでいける。楽ちんである。

カスタムメニューのタッチパネル設定の画面。「On」にすると、タッチ操作が可能になる画面にタッチすると、その場所に拡大枠が表示される。十字キー操作なしでダイレクトにポイントを指定できるのが便利で快適

 ちなみに、タッチ操作を使う設定にしておくと、画面の左側にタッチ操作のアイコンが表示される。でも、水準器を表示した状態ではアイコンは非表示になる(もちろん「表示off」モードでも)。アイコンが出っぱなしだったらうっとうしいなぁと心配していたので、これはうれしい仕様だ。

水準器を表示した状態だとタッチ操作のためのアイコンを消すことができる。まあ、アイコンより水準器のバーのほうがでかいですけど

 あと、アートフィルターで表示が速くなったのがすごい。E-PL2だと処理が重いトイフォトとかジオラマとかは動きがかくかくして見ているだけで気疲れしたが、E-P3はエンジンのパワーに余裕があるのだろう、けっこう滑らかに動いてくれる。一応、カスタムメニューの中に「アートLVモード」があって、これを「mode 2」にしておくこともできるが(こうするとシャッターボタンを半押ししたときだけ効果が弱くなってカクカク感が軽減される)、E-P3なら効果優先の「mode 1」のままでも今のところ大丈夫な雰囲気だ。

Eye-Fiにもめでたく対応。でも、今回はこれをオンにし忘れてたので位置情報が記録されてなかった。反省Eye-Fi入れてみたの図。RAW対応のPro X2だと容量が8GBあるから、RAW+ラージSFでもそこそこのカット数が撮れる

 あと、ダイヤルが2つになっていたり、Fnボタンが増えていたりで操作性がよくなってることもあるし、正式にEye-Fiに対応したとかも含めて、いろいろとE-PL2より便利になっているのがうれしいE-P3である。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
ローパス弱めのE-PL2の画を見慣れているせいか、それほどのすごみは感じない。悪いってことはないけど。むしろ、エッジの太さのほうが気になる。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 1.0EV / ISO200 / WB:オート / 42mm歩いててオリンパスのロゴを見つけたので撮ってみた。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F8 / 0.3EV / ISO200 / WB:オート / 14mm
ロープウェイは現在改修中で冬まで動かない。山頂からは夜景がきれいらしい。けど、きっと寒いんだろうなぁ。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/400秒 / F8 / 0.3EV / ISO200 / WB:オート / 20mm麓近くにある札幌平和塔まで行ってみることにした。これは途中の登山道で。まだセミは鳴いてなくてとても静かだった。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/15秒 / F7.1 / -0.3EV / ISO400 / WB:太陽光 / 14mm
日中はほぼ曇りだったけど、ときどき青空が見えたり陽が射したり。そうそう。書き忘れてたけど、個人的好みで3:2比率で撮ってます。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/160秒 / F7.1 / -1.3EV / ISO400 / WB:太陽光 / 14mm望遠端で寄れば少しはボケてくれる。でも、暗いズームなので、ちょびっと程度。早くM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8が発売されないかな。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/50秒 / F5.6 / 1.0EV / ISO400 / WB:太陽光 / 42mm
麓からは樹々に隠れて白い塔しか見えないが、仏様がいらっしゃる。ちなみにここも工事中なのであった。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/2,000秒 / F8 / 0.3EV / ISO400 / WB:太陽光 / 14mm「ゴミは捨てないでください」の看板。ほうきまで置かれているのはめずらしい気がする。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/40秒 / F8 / -0.7EV / ISO400 / WB:太陽光 / 14mm
プリントで見れば平気なんだろうけど、シャープネス処理のエッジが少々太め。ピクセル等倍で見るのが当たり前状態なので、ちょっと気になる。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/1,250秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 14mm平和塔の裏手から一般車両通行禁止の道を下っていくと墓地の上に出る。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F9 / 0.3EV / ISO400 / WB:太陽光 / 17mm
札幌の街並みが見渡せるのはいいけど、夜景を撮りに来るのはちょっと勇気がいる。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/1000秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 42mm墓地から麓まで長い階段。下りきると市電の車両センターの裏手に出る。水準器がなかったら間違いなく傾いてた構図。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/20秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 14mm
市電の車両センター。電車が動いてるのを見てみたい。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 0.3EV / ISO200 / WB:太陽光 / 14mm車両センターへの引き込み線。といっても、人も自動車もとおっちゃう。電車が出入りする頻度ってどれくらいなんだろ。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 42mm
電車事業所前駅のすぐそばにある電車待合所。ほかの駅では見たことがない。E-P3 / M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R / 4,032×2,688 / 絞り優先AE / 1/60秒 / F8 / 0.7EV / ISO200 / WB:太陽光 / 14mm


北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2011/7/26 00:00