富士フイルムFinePix X100【第8回】

貼り革キットにチャレンジ!

Reported by澤村徹


 Aki-Asahi.comからFinePix X100用貼り革キットが発売になった。貼り革ドレスアップはGR DIGITALのフードアダプターに端を発し、OLYMPUS PENでブームを巻き起こす。当初はシボ付きのビニックスレザーを用いることが多かったが、現在はカラフルなリアルレザー製貼り革キットが人気だ。今回のFinePix X100長期リアルタイムレポートは、この貼り革キットの貼り替えを試してみよう。

貼り革を交換するだけで、カメラの印象がずいぶんと変わる。好みの貼り革でドレスアップしてみよう

 Aki-Asahi.comの貼り革キットは、ビニックスレザー、リアルレザー、ウッドキットといった種類がそろっている。精密にカットされた4ピース構成で、裏面の両面テープでボディに貼り付ける。ドレスアップらしさを満喫できるのは、やはりリアルレザーとウッドキットだろう。特にウッドキットは本物のチェリーウッドとウォルナットをスライスしており、数ある貼り革のなかでもひときわ個性的だ。

Aki-Asahi.comの貼り革キットはバリエーション豊富だ。価格は各色2,100円ウッドキットは貼り付けが難しいため、予備も含めて2枚セットで販売されている

 FinePix X100の貼り革作業は、OLYMPUS PENなどと異なり、慎重な判断が求められる。純正状態で貼り革が貼ってあるため、単に革を貼るのではなく、貼り替え作業が必要だ。そう、純正の貼り革を剥がさなくてはならない。この革を剥がすという行為は改造にあたるため、保証期間内でもメーカー保証が受けられなくなってしまう。見た目を大きく変える魅力的なドレスアップだが、あくまでも自己責任で作業してほしい。

 貼り革のファーストステップは、まず純正の貼り革を剥がさなくてはならない。純正の貼り革は両面テープで貼り付けられている。精密ドライバーなどを四隅に差し込み、貼り革の一端を持ち上げよう。そこをつまんでゆっくりとボディから剥がしていく。急いで剥がすとボディに糊が残ってしまうので、ていねいに作業しよう。なお、剥がした貼り革は伸びてしまうので、再利用は難しい。一度剥がしたら元に戻せないものと考えよう。

精密ドライバーなど、先端の尖ったもので四隅から剥がしていく。ボディを傷つけないように気をつけようファインダー切換レバーは貼り革の上から取り付けられている。剥がしづらい箇所なので、慎重に作業しよう
貼り革を剥がすと、ボディ上にネジが見える。気持ちが高ぶるが、不用意な分解は避けよう裏面も貼り革を剥がしておく。貼り革は表裏合わせて4ピースで構成されている
剥がした貼り革は歪みが生じるため、再度貼り付けることは難しい。再利用は諦めよう

 貼り革を剥がし終わったら、ボディに糊が残っていないか確認する。そしていよいよ貼り付け作業だ。台紙から貼り革を剥がし、貼り革の一端をボディに合わせ、そっと置くように貼り付けていく。貼り革は正確にカットされているので、引っ張りながら貼ると位置がずれてしまう。テンションをかけずに貼り付けていこう。

 最大の難関はファインダー切換レバーだ。レバーの底面に貼り革をまわし込むのだが、これが思いのほか難しい。精密ドライバーなどで貼り革を押し込むか、ファインダー切換レバーとAF補助光ランプの間の革に切れ目を入れて貼り付けよう。特にウッドキットは伸縮性がないので、無理に力を入れると破れてしまう。この箇所をどれだけきれいに仕上げられるかがポイントだ。

レンズ外周に貼り革を合わせ、そっと置くように貼っていく。革を引っ張らないのがコツだ貼り革はファインダー切換レバーとAF補助光ランプの穴が空いている。この間をカットすると貼りやすくなる

 ここではゴールディシュ・ブラック・クロコダイルを貼ってみた。クロコダイル柄を型押しした牛革に、うっすらとゴールドが吹いてある。この他にはライカM8.2に似たビニックスレザー4034、ウッドキットのウォルナットあたりがオススメだ。手持ちのストラップやケースとカラーバランスを考え、好みの貼り革キットを選んでみよう。

貼り革の種類によっては厚みがあるため、ファインダー切換レバーの動きが渋くなることもあるリアルレザーを精密カットしているので、背面の操作ボタンも一切干渉しない
端子カバーは樹脂に型押ししているため、貼り革で柄をそろえることができない側面の切れ目がピタリと合って気持ちいい。AF/MFスイッチも問題なく操作できる
左がビニックスレザーの4034、右がウッドキットのウォルナットだ。価格はともに2,100円


(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2011/7/19 00:00