ソニーサイバーショットDSC-RX100【第4回】

定番カスタムグリップ「リチャードフラニエック」をつけてみた

Reported by 本誌:折本幸治


 発売以来、市場での高評価が続くサイバーショットDSC-RX100。私にとっても画質、機能、操作性、携帯性のすべてがバランス良く、いつも身近にいるカメラとして心強い存在だ。

「リチャードフラニエックSONY DSC-RX100カスタムグリップ」を装着した状態

 そんなDSC-RX100にも、数少ない悩みはある。それは「右手が滑りやすい」こと。カメラのホールディングには個人差があると思うが、もともと前面右手側にはパームグリップ的な凸部がなく、しかも表面がサラサラしているので、油断すると滑りそうになる。片手撮りしなければならないときなど、ちょっとどきどきしてしまう。

 そこで常々思ってたのが「リチャード・フラニエックまだかなあ」ということ。知っている人も多いと思うが、Richard Franiec氏のデザインによる後付けカスタムグリップのことだ。

 これまでにもリチャードフラニエックのカスタムグリップは、グリップのない(あるいは浅い)高級コンパクト機やレンズ交換式デジカメ向けに、数多くの製品が生み出されている。美しい曲面とアルミの高い質感、カメラボディにフィットするデザインが受け、カスタマイズの定番ともいえる位置付けにあるアイテムだ。

 小誌でも2010年1月、PowerShot S90専用カスタムグリップを試した記事を掲載。当時、国内で珍しかったリチャードフラニエックの記事に、たくさんのアクセスをいただいたのを思い出す。

 話をDSC-RX100に戻すと、グリップがないDSC-RX100だけに、「そのうちリチャードフラニエックが出るよな」と多くの人が思ったに違いない。自分もその一人だ。

 その後海外では無事7月に発売。日本でも8月に販売代理店のオリエンタルホビーが販売を開始したので、さっそく購入してみた。価格は5,250円だ。


貼付ける前のカスタムグリップ。右は裏面貼付けるとこんな見た目になる

 おさらいになるが、リチャードフラニエックのカスタムグリップは、アルミブロックから対応機種に合わせて削り出された部材を、アルマイトやニッケル皮膜で表面処理。グリップとしての実用性に加え、デザインの美しさや高級感も人気の秘訣だ。

 届いたDSC-RX100用カスタムグリップは、レンズの右手側正面をほぼ覆う大きさ。表面の色や触り心地はもとのボディと良く似ており、グリップのデザインもうまくボディにとけ込んでいる印象だ。パッと見だと後付けに見えないところが、リチャードフラニエックらしさだ。



 パームグリップ部の突出は、沈胴時のレンズの高さと同じくらいなので、携帯性を著しく損なうわけではない。ボディとグリップの継ぎ目も極力目立たたず、接合面はボディの曲面にみごとにフィット。そのため正しく取り付ければ、簡単にとれるようなものではない(ただしオリエンタルホビーでは、万が一に備えてストラップとの併用を勧めている)。

 実用面でも満足。これまでは左手でレンズを支え持ち、右手は本体前面に走る横線を中指の側面に引っ掛けるようにしていた。これはこれで安定するが、いかんせん指がすべりそうで、特に片手撮りのときに不安を覚えていた。それがカスタムグリップをつけると、かなり安定感が増す。ラバー素材を巻いたグリップには敵わないものの、なめらかなカーブが指に馴染む。個人差はあると思うが、自分としてはかなり使いやすくなったと感じている。



 ただし、以前より右手側が窮屈になった印象。慣れてしまえばどうということはないが、もともとDSC-RX100のレンズ部はボディに比して太い。手が大きく指が長い人は、ある程度覚悟した方が良いかもしれない。気に入らなければ取り外したり貼り直したりすることも可能だ。

 見た目も良く、実用性も高いカスタムグリップ。見た目も変わったことで新鮮な気持ちにもなれたし、改めてDSC-RX100への愛着も湧いた。ホールディングに不満のあるDSC-RX100ユーザーにはおすすめのアイテムだ。

追記:その後、日中ずっとDSC-RX100を持って撮影する機会があったが、リストストラップとの組み合わせがとても使いやすく感じた。右手にさげながらの移動中、カスタムグリップが自然と指にひっかかてくれるので、これまで以上に気軽に歩きまわれる。カメラを右手にぶら下げて移動する人にはおすすめ。


2012年9月8日:「アルミブロック削り出し」にまつわる箇所が誤っていた(アルマイト処理をしてから削り出すのではなく、削り出してからアルマイト処理をする)ので修正しました。




本誌:折本幸治

2012/9/7 00:00