リコーGXR【第10回】

シャッターボタンアジャストサービスを体験

Reported by 本誌:折本幸治


 今回は、リコーのサービスセンターで受けられる「シャッターボタンアジャスト」サービスを体験してきたのでレポートしたい。

 シャッターボタンアジャストサービスは、GXRのシャッターボタンを押す際の重さ(抵抗)を微調整するサービス。GR DIGITAL III、GR DIGITAL II、GR DIGITAL、GX200、Caplio GX100でも行なっていたので、ご存知の方も多いだろう。

 受付および作業は、リコー銀座カメラサービスセンター(東京)、またはリコー大阪カメラサービスセンター(江坂)で行なわれる。料金は3,150円。GR DIGITALなどと同じだ。予約は必要ない。

リコー銀座カメラサービスセンターの入口サービスセンター内のカウンター

 サービスセンターでユーザーは、シャッターボタンの重さが異なる3つのサンプルから、好きな重さのものを1つを選ぶ。重さは出荷状態を「0」とした数字で表記され、「+1」を選ぶと出荷状態より重くなり、「-1」だと出荷状態より軽くなる。「-2」は「-1」よりさらに軽い。もちろん、「0」のままサービスセンターを後にすることも可能。試すだけなら無料だ。

シャッターボタンのバネ圧を確認するためのサンプル

 「-2」、「-1」、「+1」の差は、その場で比べてみるとはっきりわかる。いずれも半押し後の2段目以降の抵抗が変わる印象で、「+1」は1段目と2段目の境がはっきりしなくなり、大げさにいうと、一眼レフカメラの上級機を思わせる、2段目の抵抗が感じられない触りごこちに近くなる。「-2」と「-1」は、半押し後の抵抗が少なくなるため、半押し後に指がすっと降りる感触だ。

 調整は、シャッターボタンの下に組み込まれているバネを交換することで行なう。デフォルトのバネよりバネ圧が強いのが「+1」、弱いのが「-1」と「-2」になる。シャッターボタンやスイッチそのものの交換は行なわないという。取り出したデフォルトのバネは、ユーザーに返却される。

元々GXRに入っていたデフォルトのバネは、ユーザーに返却されるGXRのシャッターボタンに取り付けられていたバネ(手前)

 サンプルを前に迷うこと数分。自分の好みとしては2段目がはっきりしないのがタイプだが、GXRはボディが軽いので、今以上に力を入れるとブレにつながるような気がする。結局、思い切って「-2」をお願いしてみた。

-2に調整後のシャッターボタン。見た目に何の変化もないが、押し心地は別物だ

 交換作業は15分ほどで終了。その間、銀座に買い物に行っても良いし、サービスセンター内で懐かしいリコー機を眺めて時間をつぶしても良いだろう。

 調整から3日たったが、別のカメラを触っているような新鮮な気持ちが続いている。どうもレリーズ時に力が入りすぎているようだ。なまじデフォルトに慣れていただけに、余分な力が抜けるには、もう少し時間がかかるかもしれない。プロ機や高級機を除くと、こうした調整は珍しいだけに、それもまた面白い経験だと思う。

 リコー銀座カメラサービスセンター(東京)、またはリコー大阪カメラサービスセンター(江坂)窓口に出向かないといけないのが面倒だが、銀座ならリコーのフォトギャラリー「RING CUBE」も歩いていける距離だ。GXRを持って街に出たついでに、立ち寄ってみてはいかがだろうか。

サービスセンター内の現行品展示コーナー。GR LENS A12 28mm F2.5やCX5もある懐かしのリコーデジタルカメラの展示も。これで全部ではないそうだ
リコーブランドの銀塩カメラも数多く展示されている。RING CUBEにも同様の展示があるライカLマウントのGR LENS 21mm F3.5(左手前)とGR LENS 28mm F2.8(左奥)も発見。発売予定のMマウントユニットが待ちどおしい




本誌:折本幸治

2011/6/8 00:00