Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
新型パイプを採用した軽量三脚で撮る星空風景
成澤広幸さんがレオフォトの新型三脚「AZ-204C」の魅力を解説
- 提供:
- 株式会社ワイドトレード
2025年8月25日 07:00
星空風景やタイムラプスの撮影で活躍する成澤広幸さん。一度に写真とタイムラプスの両方をこなすため、複数の撮影機材と三脚を持ち歩くことが多い。撮影地へのアプローチにはトレッキングを伴うケースも多く、携行性が重要になる。そんなニーズにマッチするのがレオフォトから新たなシリーズとして登場した軽量三脚の「AZ-204C」だ。コンパクトさと利便性を兼ね備えた新機軸の三脚の使い勝手をレビューしてもらった。
1980年生まれ、北海道留萌市出身。星空写真家・タイムラプスクリエイター・YouTuber。写真スタジオ、天体望遠鏡メーカー勤務後、2020年に独立。全国各地で星空・タイムラプス撮影セミナーを多数実施
※本企画は『デジタルカメラマガジン2025年9月号』より転載・加筆したものです。
多様な星空風景を描くための携行性という強み
暗闇の中で星が輝く環境で、星空風景を描写するには光をセンサーに蓄える長時間露光が必須となる。そのため、三脚は欠かせないアイテムだ。
さらに、露出中のブレを防ぐため三脚や雲台には剛性が求められる。点像の星を表現するなら十数秒の露出時間で済むが、星の軌跡を表現しようとすると露出時間は十数分~数時間にもなる。貴重な晴れ間を有効活用して一度にさまざまな表現を狙う場合、複数台のカメラが必要だ。
そして同じ数の三脚も用意しなければならない。とはいえ、一度に持ち運べる機材の量には限りがある。最も効果的な対策は、必要な剛性や耐荷重を最大限に確保しながら、三脚を軽量化すること。レオフォト製品にはこうした撮影に応える軽量かつ剛性のある三脚・雲台が数多くそろっており、私のようなトレッキングフォトグラファーからは絶大な支持を得ている。
そんなレオフォトから新型軽量三脚AZ-204Cが発売された。
価格:5万9,400円(税込)/全伸長:1,330mm/伸長:1,085mm/最低高:89mm/収納高:405mm/段数:4段/最大脚径:35mm/耐荷重:7kg/質量:960g
なんとパイプ径は20mm。さすがに細過ぎないかと疑ったのだが、実物を見て納得。脚部のチューブが楕円形で、外側からの圧力には弱くなるものの、ひねりの強さは損なわれない設計になっているのだ。風ブレの防止にはひねりの剛性が重要で、軽量ながらも安定を保つ効果がある。
雲台にはさらなる軽量化を求めてMBC-20を選択した。ボール径16mmと小型でありながら、耐荷重8kgの自由雲台だ。
価格:1万2,430円(税込)/ボール径:16mm/高さ:54mm/耐荷重:8kg/質量:104g
小さいのにとても頑丈でしっかりとカメラを固定できる。寒冷地での動作もスムーズだ
レオフォト製品は、使用レンズに合わせて重心バランスを整えて、雲台の耐荷重を最大限に発揮させられるプレートも充実している。バランスプレートのNR-100を組み合わせることで、前玉が大きな明るい広角レンズを使用するときも重心バランスを取りやすくしている。
価格:1万1,000円(税込)/長さ:127mm/幅:38mm/高さ:18mm/質量:110g
バランスプレートのNR-100は、取り付ける機材の重心に合わせて前後させることで、安定感を出せるアイテム。超広角レンズの使用が多い星空撮影で重宝する
AZ-204Cは軽量三脚だと分かっていても、取り出した瞬間「軽い」と口にしてしまった。三脚の外周が短いため、手が小さい私でも運搬時に握りやすく、余計な凹凸が少ないのでカメラバッグにも取り付けやすい。
脚を全部伸ばすと強度にやや不安を感じたが3段までで使用すれば満足できる安定感が出た。風が強かったので三脚を開こうとしたところ、開脚角度が4段階選べることに気付いた。通常の三脚は3段で角度の選択に制限があったのでこの配慮はありがたい。
風ブレを防ぐため、設置場所には岩場を選んだのだが、石突キャップを取り外せばスパイクでの使用が可能で、がっちりと硬い岩場に三脚を設置できた。
脚部はレバーロック式なので不意に脚が緩んでしまうことはなく便利だが、分解清掃ができない点に注意しよう。
この軽さでセンターコラムが使用できるのはいざというときに心強い。トレッキングを伴う撮影行において、「もう1本持っていけるかも」という可能性を感じさせる新型三脚が登場した。