Leofoto FIELD REPORT 三脚のある美しい写真
流し撮り名人になれるビデオ雲台と利便性抜群の三脚
長根広和さんが鉄道の流し撮りで活用する雲台&三脚「LS-365C+LB-75+BV-15」
- 提供:
- 株式会社ワイドトレード
2024年6月21日 12:00
全国各地で列車のある風景を撮影している鉄道写真家の長根広和さん。四隅まで構図を作り込んだ上で、列車が走ってくるのを待つ撮影スタイルには三脚が欠かせない。さらに、ハイクオリティーな列車の流し撮りを狙うために導入したのがビデオ雲台だ。機動力と利便性を兼ね備えた組み合わせとして選んだシステムが、レオフォトの「LS-365C+LB-75+BV-15」だった。
※本企画は『デジタルカメラマガジン2024年7月号』より転載・加筆したものです。
ビデオ雲台を使えば流し撮り名人になれる
鉄道写真における撮影スタイルは、機動力重視の手持ち撮影派、構図の細部にこだわる三脚使用派で好みが分かれる。もちろん正解はなく自身の撮影スタイルに合った撮影を楽しめば良いのだが、鉄道風景が大好きな私は後者であり、マナーやモラルの観点から三脚が使用可能な場合は、100%三脚を使って撮影をしている。
師匠の鉄道写真家・真島満秀に教わったテクニックはただ1つ、「写真は四隅だ!」である。フレーミングをする際、構図の四隅の処理が何よりも大切で、四隅を意識することで主役の鉄道が引き立つという理論だ。
山の稜線の切れ方、花びらで隅を極力埋めるということから、余計な枝は入っていないか、家の屋根はこの位置でカットしようなどなど、私はフレーミングにかなりの時間をかけている。この作業をするのに三脚は必須であり、可能な限り列車が来る1時間以上前には撮影地へ行くように心掛けている。
今回のメインカット(本記事1枚目の写真)に選んだ高山本線を走る特急「ひだ」の流し撮り写真は、LS-365Cにビデオ雲台のBV-15を装着して、1/8秒のシャッター速度で撮影している。
動画撮影ではないのに、なぜビデオ雲台を使うのかと思う人がいるかもしれないが、これは流し撮りの成功率が飛躍的に上がる秘密兵器みたいなものだ。特に超スローシャッターでの流し撮りに威力を発揮する。基本的な真横流しの場合、三脚を使用することによって上下のブレをなくせる。
雲台のパン機構を使用して流し撮りをするわけだが、通常の雲台だとパンの抵抗が少ないために列車の動きにシンクロできず、列車より先にカメラを振ってしまうという失敗をよくしてしまう。そこでビデオ雲台の登場である。油圧とスプリングによる「ネチ~ッ」とした抵抗によって、一度列車の先頭を捉えてしまえば、面白いほど列車の動きにシンクロさせ続けられる。これは本当に感動もので、急に流し撮り名人になった気分になれるのだ。
流し撮りは苦手なんで……という人は多いと思うが私も同じ。ぜひBV-15を装着して流し撮り名人になっていただきたい。ちなみに、ビデオ雲台はパンとチルト方向の角度調整のみで水平を柔軟に出せないが、ハーフボールを搭載したレベリングベースのLB-75を装着すれば解決する。
三脚は5段で縮長48cmのLS-365Cをメインに、高さが必要な場合などはLM-404CLも使い分けている。