交換レンズレビュー
新ファームウェア適用後のキヤノン「RF100-300mm F2.8 L IS USM」を試す
ズーム操作時のピントはどうなった?
2024年5月9日 07:00
4月16日(火)に「RF100-300mmF2.8L IS」の新ファームウエア(Version 1.0.6)が発表された。昨年5月26日(金)の発売以来、初めてのアップデートとなる。
新ファームウエアの変更内容は以下の2つになっている。
- 速いズーム操作においても、ピントが合いやすくなりました。
- 電子シャッター方式において、連続撮影の2枚目以降の流し撮りアシストの制御を改善しました。
発売から人気が高いレンズで、最近はスポーツ取材の現場でも使用しているカメラマンを多く見かけるようになった。
私が昨年執筆したレビュー記事で、「ズーミングしながらの撮影でピントがはずれる現象が見られた」と綴っている。その気になっていた点が、新ファームウェアで改善されたようなので、早速試してみた。
速いズーム操作時のピント
このレンズはインナーズームなので、ズームリングをまわしてもレンズ全長が変わらず、安定したズーム操作が行える。そのため飛行機や鉄道の通過シーンでもズーミングで多くのバリエーションが撮れるのがメリットだ。
焦点距離300mmから飛行機の着陸に合わせてズームアウト。サーボAFとトラッキングを組み合わせ、約15コマ/秒で連続撮影した。ガラス窓越しだったがAF精度が良く、ピントがはずれるカットはなかった。
前ファームウェアでは、速いズーム操作でピントがはずれてしまうことやピントがはずれたままになることがあった。しかし、新ファームウェアではピントが外れることがほとんどなく、外れてももすぐに被写体に戻って追従し続けられた。
流し撮りアシストの制御改善
「EOS R3」とRFレンズの組み合わせで、流し撮りアシスト機能が使える。この機能を入れると流し撮り撮影時にピントが合う歩留まりが高まり、最大7.5コマ/秒の連続撮影も可能。
新ファームウェアでは連続撮影時の2コマ目以降の制御を改善したとのことで、流し撮り撮影後に画像をチェックしてみると、前ファームウェアより歩留まりがアップしている。選べるカットが増えていることを実感した。
水田に車両が写りこむ位置を選んで撮影ポジションを決め、流し撮りアシストを使いながら連続撮影した。
露光間ズーム
これまでは速いズームの最中にピントが外れてしまい、スローシャッターを使用した露光間ズームでの撮影がうまく決まらなかった。新ファームウェアではこうした状況でも歩留まりが向上している。
AFポイントを操縦席の窓部分に合わせ、サーボAF+トラッキング+流し撮りアシストで素早くズームした。
300mmからファインダー内で車両が同じ大きさになるように構図を保ちながらズームアウト。スローシャッターで流し撮りアシストを入れて連続撮影した。
まとめ
ファームウェアのアップデートにより、ズーミングで気になっていた点が解消された。さらに流し撮りアシストの制御が改善され、流し撮りの成功率がアップ。あらゆるシーンに対応できる使いやすい超望遠ズームレンズとなった印象だ。
なおレンズのファームウェアをアップデートするには、カメラに装着した状態で行う。
- キヤノンのホームページより最新のファームをダウンロード
- 初期化したメモリーカードにファームウエア変更ファイルを保存
- レンズを装着したカメラにメモリーカードをいれ、電源をオン
- カメラのメニュー画面からファームウエアを選択しレンズのアップデートを実行