デジカメアイテム丼
ARTISAN&ARTIST「イージースライダー」ストラップを再検証する
伸縮自在のストラップに待望の一眼レフ用も。4タイプを一挙紹介
Reported by 本誌:鈴木誠(2013/9/12 08:00)
アルティザン&アーティストの「イージースライダー」ストラップは、独自機構により素早く長さを調節できるカメラストラップだ。2011年9月のデビュー当初はミラーレスカメラ向けの細身タイプのみだったが、現在では一眼レフカメラにも対応する幅広タイプなど4モデルが揃っており、累計出荷数は1万本を超えたという。
同社はレザーや組紐といった素材感や使い心地にこだわったカメラストラップをリリースしていて、カメラファンに定評がある。しかし、イージースライダーストラップはそんな高級志向の同社がリリースした初の“便利系”と呼べるストラップだ。
イージースライダーの長さ調整方法は全タイプで共通。ストラップのD字型パーツに指を掛け、上もしくは下方向に引っぱるだけ。スムーズにスライドし、かつ手を離したところでピタリと止まってくれる。
ワンアクションで即座に長さを変えられるので、ぶらぶらと散歩がてら撮影するようなシーンにもってこいだろう。使用イメージの動画を以下に掲載する。
メーカーに聞いたところ、長さ調節の操作性を高めるべく、ストラップの素材は「よく滑り、よく止まる」ものを厳選。何千回とスライドを繰り返してもケバが出ないものを採用したという。実際、発売直後から9カ月ほど使用している筆者のACAM-E25Rも、使用感は購入当初と変わっていない。
今回は個人的にも同シリーズのストラップACAM-E25Rを愛用している者として、一眼レフ用の新顔も含めた4モデルを一気にお借りしてみた。改めてラインナップと使い心地を検証してみたい。
ACAM-E38
待望の一眼レフカメラ用ストラップ。中級一眼レフカメラ+標準ズームレンズ程度の組み合わせにも合う、ストラップ幅37mmの幅広タイプだ。価格は7,140円。
取り付けは幅11mmのテープを使用。ほとんどのデジタル一眼レフカメラに取り付け可能だろう。外観はテープ側面にちらりと覗くアクセントカラーの糸が特徴的だ。長さは720〜1,300mmの範囲で調整可能。イージースライダーの使い心地はほかのタイプと同様、スムーズそのものだった。
ACAM-E25
イージースライダー採用ストラップのスタンダードといえる製品。24mm幅のストラップに10mm幅のテープを組み合わせており、ミラーレスカメラやハイエンドのコンパクトデジタルカメラなどに合うだろう。価格は6,825円。
ストラップ部分のブランドネームがほかにない外観上の特徴になっている。長さの調整範囲は725〜1,460mm。
ACAM-E25S
吊金具の穴が狭い一部のカメラに向けたモデル。ストラップ部分の幅は上のACAM-E25と同じだが、一般的なストラップでは10mm程度の先端テープ幅を、6mmと細くしている。価格は7,035円。
ビビッドなカラバリはシリーズ唯一。テープ部分は多少細いが、一般的なミラーレスカメラ+ミラーレス専用レンズの組み合わせであれば不安は感じない。ACAM-E25とカラバリの好みで選んでもよいだろう。長さは855〜1,765mm。
取り付け部の幅が狭いカメラの一例は、Nikon 1シリーズ(付属の三角環)、パナソニックLUMIX DMC-GF3、PENTAX Q、リコーGXRなど。ストラップの選択肢が少なく、かといってコンパクトカメラ用では心細いと考えていたユーザーも多いだろう。
ACAM-E25R
丸リングを介して取り付けるタイプ。クラシカルな銀塩カメラのほか、クラシックデザインのミラーレスカメラにもよく似合うだろう。価格は7,035円。
現在ではテープタイプのストラップが一般的だが、ルックスや安心感から丸リングを好むユーザーも少なくない。ライカファンにも人気の同社製品らしく、先端部分にはカメラへの傷つきを防ぐ“あて革”を備えるという気の配りようだ。長さ調節範囲は820〜1,390mm。
街撮り派にオススメしたい理由
さて、お好みのタイプは見つかっただろうか。そもそもカメラストラップの長さ調整が容易なメリットというのは、使ってみないとわかりづらいかもしれない。
筆者の実感としては、カメラストラップは撮影時と移動時で扱いやすい長さが異なる。長すぎるとカメラが低い位置でブラブラしてしまったり、取り回しがちょっと面倒になる。かといって短くすると、今度は撮影時に(特に縦位置)窮屈だったり、背面モニターを確認しにくくなる。
こうした背景があるため、スナップ撮影派としてはシーンに応じてサッと伸ばしたり縮めたりできる便利さがやみつきになってしまった次第だ。ストラップがループ状になっているため、見た目にスマートなのも嬉しい。
カメラをバッグから出し入れする際など、ふと首ではなく肩に掛けてしまうことがある。誰でもやってしまうことだが、何かの拍子にカメラが滑り落ちたり、視界の外でどこかへぶつけてしまう危険性がある。また、人の多い場所では他人の体にカメラをぶつけてしまう可能性もあるし、高価そうなカメラが近づいてくることに不安を感じる人もあるはずだ。
行楽シーズンの観光地など、事故が起きてしまってはお互いに気分良くいられないだろう。そうした場所でカメラを手にする際は、周囲への配慮としてカメラの首掛け・体の前への斜め掛けをしてみてはいかがだろうか。
協力:ARTISAN&ARTIST