セキュライン「アクションレベルクロス」

~2軸に進化したLED電子水準器

 最近はレンズ交換式デジタルカメラを中心に電子水準器を内蔵したモデルが増えてきたが、まだまだ電子水準器非内蔵のカメラを使っているユーザーも多いと思う。そこで今回は、以前にレビューした韓国セキュラインの電子水準器「アクションレベル」の進化版「アクションレベルクロス」を採りあげたい。

 アクションレベルが1軸だったのに対して、新たに2軸の傾き検出に対応した点が特徴だ。国内での取扱いはベルボンで、価格は9,975円。

文字通りクロス配置のLED表示を備える「アクションレベルクロス」

 アクションレベルクロスは水平を知るためのアイテムだが、カメラ用としては従来から液体式の水準器がポピュラーな存在だった。液体式は比較的安価なのが長所だが、暗い場所では見にくいなどの欠点もあった。そこに登場したアクションレベルクロスはLEDの表示を採用しており、夜景の撮影などでも視認性がよいのが大きなメリットとなっている。また、検出精度の設定や水平の校正といった液体水準器には無い機能も備えている。

 アクションレベルクロスは、水平方向に加えてチルト方向(レンズの光軸方向)の検出に対応している。風景写真において、チルト方向の傾きは水平方向のそれに比べて重視しない傾向にあるが、例えば超広角レンズによる建築写真などではチルト方向を水平にする写し方も多く見かける。

上面に電源スイッチ(右下)、精度選択ボタン(右上)明るさ選択ボタン(左上)を備える。スイッチはこれらのみ前面にも水平用のLEDを装備。これは、上面の横に配置したLEDと同じ表示となる
直径は33mmと小さいが、コンパクトデジタルカメラなどは横にあるポップアップストロボと干渉する機種もある。今回試したシグマ「DP1x」はぶつかってしまった。底面はアクセサリーシューに装着できる形状になっている

 なお、「アクションレベルサウンド」というLED+音で水平を知らせる製品もあるが、本機はサウンド機能は備えていない。

 主に使うであろう設定項目は、検出の精度(5段階)とLEDの明るさ(3段階)の2つだ。検出精度をあまり高くするとLED表示が敏感すぎて安定しないため、状況によって適当に設定したい。

セット内容。ストラップも取り付け可能

 LEDは上面に十字に配置したほか、前面にもある。LEDは1軸5個で、水平を表す中央のLEDが緑色になっておりわかりやすい。前面のLEDは水平のみを表示しており、ファインダーを覗いたときに少し上に眼をずらすと見ることができる。

ペンタックス「K10D」への装着例
シグマ「DP1x」への装着例

 一方上面は横が水平、縦がチルト方向を表している。この上面を見るためにはファインダーから目を離して一度上から覗く必要がある。カメラを縦位置にすると自動的に縦位置モードに切り替わり、2軸の検出が可能となっている。縦位置でも軸と対応するLEDは横位置と同じなので混乱が無くて良い。

 動作の様子を動画で撮影した。LEDの明るさはもっとも明るくしてある。精度は横位置の例はもっとも高くしてある。縦位置にするとLED表示が敏感になりすぎるため、動画中では2番目に高い設定を選んだ。

 

 今回は試さなかったが、面白い機能として「リモート表示」がある。2台のアクションレベルクロスを付属のケーブルで繋ぎ、一方をアクセサリーシューに付けておくと、手元に置いたもう一方のアクションレベルクロスで水平を見ることができるとのことだ。

リモート表示を行なうには、もう一方にアクションレベルを接続する

 電源はコイン電池(CR2032×1個)。明るさ=中で約35時間、同=暗で70時間となっている。電源を切り忘れても20分でオートパワーオフに入るので安心だ(完全にOFFになるわけではないので注意)。

バッテリーは比較的入手しやすいCR2032

 検出が2軸になって、より完成度が高まったアクションレベルクロス。1つ揃えて、これから華やかになる冬のイルミネーション撮影で活用してみては如何だろうか。

同梱のマグネット付き台座裏面に4つの磁石を備える
撮影には直接関係ないがスチール家具などにアクションレベルを貼付けて垂直を見る、といった使い方ができる。この場合は、垂直表示だけを見ればよいので、どの向きに貼付けてもよい



(本誌:武石修)

2010/11/29 00:00