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バラバラに分割してコンパクトに…一脚や自撮り棒にもなる多機能三脚

Fotopro「FY-830」

Fotopro「FY-830」

Fotoproから、一脚や自撮り棒としても使えるという多機能三脚「FY-830」が登場したので簡単ながらレポートしたい。価格は1万6,720円だ。

中国・広東省を拠点とするFotoproは、「写真撮影の楽しさを知るすべての人々」に向けて撮影用品を提供するグローバルブランド。高い携行性と撮影機能を両立したという三脚を中心に、幅広い製品を展開する。日本国内では株式会社浅沼商会が正規代理店をつとめる。

分割してコンパクトに

アルミパイプを使用した6段の三脚。脚パイプはインナーロック式を採用しており、引き出して石突き部分を回すと一度に全段をロックできる。そのためセッティングが素早くできた。

石突きの口径が大きいのでロック時に回しやすかった

脚のみの展開だとアイレベルにはならないが、この三脚はセンタポールが3段になっており、それもすべて伸ばすと約150cmとほぼアイレベルと言える高さが実現する。

すべてのパイプを伸ばしたところ

それでいて収納時は脚を反転できる、いわゆるトラベルタイプなので比較的コンパクトになる。またセンターポールと各脚を分割できるため、さらに小さくして運ぶこともできる。

旅行や登山など、少しでも三脚を小さくして持ち運びたい場合には向いている。雲台もセンターポールから外すことはできるが、イモネジの操作がいるので分割と組み立てがやや面倒にはなる。

脚を反転させた収納状態。雲台を含めない収納時の長さは250mm
このように各部を分割することも可能

センターポールを外して一脚に

この三脚は脚パイプが細いのと、アイレベルに近づけるほどにセンターポールをかなり持ち上げて使うことになるので、重いカメラだとブレが収まるまでに少々時間がかかった。フルサイズ機は軽量なレンズなら使えると思うが、どちらかというと小型センサー機やコンパクト機、アクションカメラやスマートフォン向きの三脚だと感じだ。

雲台はクイックシュー式の自由雲台だ。操作感は問題なく、滑らかに動く。クイックシュー部分はどうやら樹脂製のようだ。今回使用したところでは強度に不安のあるような感じではなく、むしろ軽量化に貢献している感じだろう。

雲台部分
本体には1/4ネジ穴が1つあり、アームなどの接続が想定されている

一方でセンターポールの分割機構は無いため、ご覧のように最大に開脚しても最低高は34cm程度となる。地面すれすれといった低い位置の撮影が難しい点は知っておきたい。

低いセッティング。バッグなどを吊せるカラビナも付属していた
脚を開いてもセンターポールの分高くなる

引き抜いたセンターポールに、外した脚を接続すると一脚にもなる。これも十分アイレベルになるので実用性は高い。また、センターポールだけを伸ばすと自撮り棒のようも使える。

センターポール下部のフタを取ると引き抜ける
一脚にしたところ
自撮り棒にしたところ

まとめ

「一脚にもなる三脚」は今では珍しくはないが、分割して運べるという製品はあまりなかったように思う。「小型のカメラを使っているのに三脚の収納スペースが大きい」という問題は筆者も感じるところで、その解決策の1つになる三脚だと感じる。

組み立てでは脚のネジを回して付けるので少々時間は掛かるが、今後ワンタッチの接続機構などが採用されるとさらに使い勝手は良くなりそうだ。とはいえ、1万円台という価格ではコスパは高いと思う。小型の三脚を探している人は選択肢に入れてみてはいかがだろうか?

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。