ファーストインプレッション
キヤノンPowerShot N
ユニークな操作性と新感覚「クリエイティブショット」を試す
(2013/3/1 00:00)
キヤノンが4月25日に発売する「PowerShot N」(試作機)のインプレッションをお届けする。試作機のため、画像サンプルはサムネイルサイズでの掲載となることをご了承頂きたい。
PowerShot Nは、キヤノンが1月の「2013 International CES」で発表したコンパクトデジタルカメラ。正方形に近いボディ形状や、リング状のシャッターボタンをレンズ周囲に配するなど、一般的なコンパクトデジタルカメラとは異なる撮影スタイルを可能としている。「CP+2013」のキヤノンブースでも実機を展示し、注目を集めていた。
販売はキヤノンオンラインショップ限定。3月12日10時に予約開始し、4月25日に発売する。いずれも専用ボディケースとストラップがセットで、付属アクセサリーのカラーにより4モデルを用意する。価格は2万9,980円。なお、異なるタイプのストラップが付属する「ビンテージブラウン」(500セット限定)は3万2,980円。いずれもカメラ本体のカラーはホワイト。
本機の特徴のひとつである「クリエイティブショット」モードは、シャッターを押すと3枚の画像を連写し、“オススメ効果”を適用した6パターンの画像(オリジナル含む)を記録するというもの。
こうして記録された中からお気に入りを選び、スマホ経由でそのままFacebookやInstagramに投稿する、というのが本機の提案するスタイルのひとつだろう。
Wi-Fi接続は、カメラをアクセスポイントモードにし、SSIDと暗号化キーを用いてスマホ側から接続する。この手順は多くの既存Wi-Fiデジカメと同様だ。スマホの通信状況や端末設定によるが、2回目の接続からは「ワンタッチスマホボタン」でカメラのWi-Fi転送機能を起動すると、スマホ側がそれを見つけて自動的に繋がるイメージだ。
クリエイティブショットで生成される6パターンの画像は、単にランダムなエフェクト適用やトリミングを行なっているだけでなく、近年のインテリジェント系オート撮影機能のアルゴリズムを用いた被写体・シーン認識が加味されていると感じた。周辺減光やジオラマ風加工に用いられるようなぼかしなど、大胆な仕上がりも見どころだろう。
以下に、筆者が撮影したものをいくつか掲載する。この中から好みの1枚をそのままアップロードする気軽さが、クリエイティブショットの醍醐味だろう。
※各カットの1枚目がオリジナルです。画像はいずれも拡大しません。
こうして振り返ってみると、例えば縦位置の16:9などは普段の筆者には考えもつかない撮り方だった。何人かで同じ被写体を撮影して「私はこんな風に撮ってみたけどどう?」というやり取りをしているような感覚で、撮影後のプレビューには毎回見入ってしまう。
3枚を1秒ほどかけて撮影するため、撮影者の動作としてはワンショットだが、微妙にタイミングがバラつく。これがシーンによって変化を生んで面白い。以下にいくつか例を挙げてみた。
どこまで撮影者が手をかけてはじめて「私の写真」とするかは人それぞれだが、デジタルで後処理された画像も目新しくない今となっては、こうした画像を「好みで選ぶ」というのも、個人が写真に関わるひとつの手段と言えるのではないだろうか。本機を手に、将来のデジカメ写真を想像するのも楽しそうだ。