デジカメドレスアップ主義:ネオクラシックと舶来ギターの香り

LUMIX DMC-GX1 + Cine Raptar 25mm F1.9
Reported by澤村徹

  • ボディ:パナソニックLUMIX DMC-GX1(ブレードシルバー)
  • レンズ:ウォーレンサック シネラプター 25mm F1.9
  • マウントアダプター:デジタルホビー METABONES製マイクロフォーサーズマウント用Cマウントアダプター
  • ストラップ:on and on Fenderレザーカメラストラップ (ブラック)
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 昨今のLUMIX Gシリーズは、どちらかといえば女性やファミリー層を意識したモデルが多い。小型軽量というミラーレス機の特徴を思えば、これは理にかなった展開だ。ただし、こうしたモデルにオールドレンズを付けると、ミスマッチという印象は否めない。幸いなことに、ニューモデルのLUMIX DMC-GX1は、ネオ・クラシックデザインをうたったシックな佇まいだ。今回はそのGX1をベースにオールドレンズとのマッチングを楽しんでみよう。

 GX1はメカっぽさをうまく押し出したモデルなので、ここではシルバー鏡胴のCマウントレンズを組み合わせてみた。さらにマウントアダプターもメタボーンズ製(デジタルホビー扱い)のシルバータイプを合わせ、質感を整える。Cマウントアダプターはいろいろなメーカーから発売されているが、シルバータイプは比較的めずらしい。また、メタボーンズはデザイン性を重視した製品が多く、このCマウントアダプターも洗練を感じさせる姿だ。

 オールドレンズ付きのデジタルカメラは、往々にして無骨な姿になることが多い。それに対してこのセットアップは、ボディとレンズのサイズ感がよく、さらにマウントアダプターとレンズがシルバーで統一され、違和感なくなじんでいる。どことなく高級フィルムコンパクトのような気品さえ感じられるほどだ。レンズとマウントアダプターのカラーをそろえたのが、スタイリングのポイントである。

レンズ固定式カメラのような一体感のある佇まいだ。大型グリップがよいアクセントになっているブランドと型名のフォントにセンスを感じる。こういうディテールがメタボーンズ製品の良さだ
シネラプター25mm F1.9は純正フードが用意されている。ただし、装着するとケラレるので要注意だメタボーンズ製Cマウントアダプターはデジタルホビーにて5,900円。真鍮を用いている

 セットアップに合わせたストラップは、ギターストラップをカメラ向けに転用したものだ。ギターブランドとして名高いフェンダーの復刻版ビンテージストラップを、カメラに装着できるように加工している。肉厚の肩パッドが付いているので、重量のあるセットアップでも安心だ。昨今アメリカを中心に、ギターストラップのテイストをカメラストラップに落とし込むという手法が流行っている。こうしたトレンドがついに日本にも波及したようだ。ギターと比べてカメラは軽量なので、ギターストラップメーカーとしては作りやすいという理由もあるだろう。

 本製品もギターストラップをそのままカメラ用に転用しており、フェンダーギターを国内で取り扱う山野楽器の公認商品となっている。また、ギタリストにはお馴染みのフェンダーモノグラムのストラップもラインナップしている。

ギター用だけあって肉厚レザーで存在感がある。on and anにて6,300円。キャメル色もある大きなレザー製肩パッドが付属する。ミラーレス機はむろん、一眼レフにも使えるだろう
フェンダーのオリジナルバックルも再現している。かつてのギター少年は血が騒ぐ!?商品タグを見ると「Guitar Straps」の文字が。本物のギターストラップをそのまま転用している

 Cマウントレンズはとかくクセ玉やレア玉に人気が集まりがちだ。そうしたなか、ウォーレンサックのシネラプターはじわじわと人気と高めている。アメリカ製の普及価格帯レンズで、取り立ててネームバリューや有名なエピソードがあるわけではない。そのためシネレンズが軒並み高騰する昨今でも、比較的安価に入手できるレンズだ。

 なぜそのようなレンズを取り上げたのかというと、マイクロフォーサーズカメラと組み合わせたとき、すこぶる描写がよいからだ。Cマウントレンズとマイクロフォーサーズを組み合わせると、たいていのレンズは周辺が派手に流れる。シネラプターは流れが最小限に抑えられ、シネレンズビギナーでもハンドリングしやすいはずだ。開放からシャープで発色とコントラストも安定し、ユーザースキルを問わず使いやすい。特に入門用シネレンズとしてお薦めだ。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなしの撮影画像(JPEG)を別ウィンドウで表示します。
DMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/1,600秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmDMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/800秒 / F1.9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm
DMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/4,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmDMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/100秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm
DMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/4,000秒 / F4 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mmDMC-GX1 / Cine Raptar 25mm F1.9 / 4,592×3,448 / 1/1,600秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 25mm

 DMC-GX1はオールドレンズと相性のよいボディだ。DMC-GF1およびGF2のフラットなスタイルを、よりクラシカルにリファインしたと考えるとわかりやすいだろう。ここではシネレンズと組み合わせたが、一眼レフ用レンズやレンジファインダー機用レンズとも好相性だ。また、ストラップの取り付け部はスリットが広く、フルレザータイプのストラップも装着しやすいだろう。操作面はタッチパネルの使い勝手がよい。任意の場所をタッチすると、すぐさまそのエリアが拡大表示される。シャッターボタン半押しで通常表示に戻ることができ、ピント合わせがスムーズだ。外観、操作性ともに、オールドレンズを合わせやすいボディである。



(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp

2011/12/22 00:00