デジカメドレスアップ主義

無骨なカメラをナチュラルに飾る

OLYMPUS PEN-F + LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M

  • ボディ:オリンパス PEN-F(シルバー)
  • レンズ:ロモグラフィー LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M(シルバー)
  • マウントアダプター:レイクォール LeicaM-M4/3
  • ケース:鳥井工房 PEN-Fエバレディケース(プエブロ/サビア)
  • ストラップ:ランス Adjustable Neck Strap(オリーブグリーン)

オリンパスPEN-Fはとかくダイヤルの多いカメラだ。軍艦部は無論、フロント面にもクリエイティブダイヤルやプレビューボタンを備え、昨今のデジタルカメラの中ではダントツの物々しさである。メカ好きにはたまらないデザインだが、だからといって重厚路線のドレスアップに走るとやり過ぎな気がしないでもない。今回は無骨なカメラを控えめに飾るドレスアップを考えてみた。

まずケースは鳥井工房製を選んだ。プエブロのサビアという明るい色が新鮮だ。一見すると素のヌメ革のようだが、鏡面はダメージ加工済みでマットな風合いだ。PEN-Fの重厚路線をうまくカジュアルに落とし込んでくれる。ちなみに、PEN-Fエバレディケースは背面オープンタイプで、同社の製品の中ではシンプルなデザインだ。その分価格も手頃で、鳥井工房デビューにうってつけの製品である。

鳥井工房のPEN-Fエバレディケースは1万9,800円。カラーを変えながら数量限定で展開していくと言う
本ケースはゆるやかなカーブでカメラ前面を覆う。こだわりを感じさせるきれいなカーブだ
背面オープンで液晶チルトが可能。ただし、180度開いて回転すると、革の厚みで若干干渉する
付属のネジで三脚穴に固定する。均一なハンドステッチが美しい

ストラップはランスのアジャスタブル・ネック・ストラップを組み合わせた。この手のストラップは長さ調整できないものが大半だが、本製品は2本のロープを組み合わせ、長さ調整に対応している。また、ロープ自体に上品な光沢があり、アウトドアテイストは控えめだ。調整機構なしのタイプもラインアップされており、好みで選択できる。

ランスのアジャスタブル・ネック・ストラップは税別1万4,000円。カラバリは全5色だ
2本のロープで長さ調整に対応する。これが本製品の真骨頂だ
両端はレザーではなく、ラバーリングで仕上げている。これも本製品の特長のひとつだ

レンズはロモグラフィーのLC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 Mを選んだ。本製品はブラックとシルバーの2色展開で、今回はカメラがシルバーなのでシルバータイプを組み合わせている。本製品は同社のLC-AのレンズをMマウント化したものだ。ここではレイクォール製のマウントアダプターでミラーレス機に付けているが、M型ライカなら直接取り付けて距離計連動で使用できる。ミラーレス全盛の昨今だが、あえて距離計連動させている点が興味深い。

LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 Mは4万5,800円。ゾーンフォーカス採用のフォーカスレバーが機能面の特長だ
レイクォールのLeicaM-M4/3は2万520円。マウントアダプター経由で色々なボディに装着できる

描写については、思っていた以上にクセ玉だった。周辺部は無論、中心部も甘さが残り、かなりローファイな描写が楽しめる。開放近辺はとかくゆるい描写なので、シャープに撮りたいならF8まで絞ろう。並み居るオールドレンズよりもクセが強いので、この手のレンズが好きな人はかなり楽しめるはずだ。

PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/640秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート
PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート
PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/1,600秒 / F2.8 / ±0EV / ISO200 / WB:オート
PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/2,500秒 / F2.8 / ±0EV / ISO200 / WB:オート
PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/1,250秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート
PEN-F / LC-A Minitar-1 Art Lens 2.8/32 M / 1/1,000秒 / F2.8 / ±0EV / ISO200 / WB:オート

澤村徹

(さわむらてつ)1968年生まれ。法政大学経済学部卒業。ライター、写真家。デジカメドレスアップ、オールドレンズ撮影など、こだわり派向けのカメラホビーを提唱する。2008年より写真家活動を開始し、デジタル赤外線撮影による作品を発表。玄光社「オールドレンズ・ライフ」シリーズをはじめ、オールドレンズ関連書籍を多数執筆。http://metalmickey.jp