私はこれを買いました!

いざとなればGRがある。謎の安心感が得られるカメラ

RICOH GR IIIx(中原一雄)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2021年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

精神安定剤的な存在です。

今年は各社のプロ機が出そろった豊作の1年でしたが、私が買ったのはRICOH GR IIIx。コンデジを買ったのはもう何年ぶりでしょうか(コンデジなんていうと怒られそうですね)。

今までの私はちゃんと撮るときは“一眼”で、日常のなんてことない写真は“iPhone”でという使い分けをしていたのですが、「あのGRが40mmになった!」ということで手にしてみました。

40mmは私にとって気負うことなく自然体で撮れる画角(28mmはちょっと気合いを入れないと上手く撮れません……)。GR IIIxもポケットやカバンの隙間に入れて、普段の生活の中で気になったものに向けてただシャッターを押す。そんな使い方をしています。

仕事柄、カメラを買ったらアレコレ設定をいじりながら使うのが好きなタイプですが、GR IIIxでいじったところといえば最初にイメージコントロールを自分好みに変えたくらい。メニューの中にどんな機能があるかも実はあまり知りません(笑)。本当にただシャッターを切るだけでなんだか満足できてしまう不思議なカメラなのです。

もちろん画質に関してもiPhoneや1型センサーのコンパクトカメラでは得られないクオリティで非常に満足。撮影後の撮って出しのJPEGデータを4Kモニターで見ても全く問題ありません。

撮る枚数はそれほど多くないのですが、ポケットに入っているだけで「いざとなればGRがある」というような謎の安心感を得られます。私にとってはカメラと言うより精神安定剤的な存在です。

まだ手にして日が浅いカメラですが、来年はレンズ交換式/GR IIIx/iPhoneの布陣で楽しい写真ライフを送りたいなと考えています。

JPEG撮って出しでこの雰囲気が出てくれるのがお気に入り。本当に適当に撮ったので中央のススキにはピントが合っていないのですが、これはこれでアリだな・・・と思わせる独特の空気感を出してくれるカメラです。
RICOH GR IIIx / 絞り優先AE(F2.8・1/1600) / ISO 100

近況報告

10年過ごした東京を脱出して春から北海道民になりました。東京では考えられないほど広い土地と家を手に入れ、夏はカメラマンである事を忘れDIYと庭いじりに明け暮れました(笑)。来年はもう少し真面目に写真と向き合おうと思っている今日この頃です。北海道でのお仕事の依頼もお待ちしています!

中原一雄

1982年北海道生まれ。化学メーカー勤務を経て写真の道へ。バンタンデザイン研究所フォトグラフィ専攻卒業。広告写真撮影の傍ら写真ワーク ショップやセミナー講師として活動。写真情報サイトstudio9を主催 。