私はこれを買いました!

自分の感覚を鍛え直してくれるレンズ

PENTAX HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW(佐々木啓太)

今年、デジカメ Watchでレビュー系の記事を複数執筆していただいた写真家・ライターの皆さんに、2018年に購入したカメラ系の製品(新品に限る)を1つだけ挙げていただきました。(編集部)

フィルム時代のような光の再現性

今年購入した中で一番印象に残ったのが、この50mm単焦点レンズ。すでに数本の50mm単焦点レンズを所有しているのにレビューで使って一目惚れ、そのまま注文という最もいけない流れにハマりました(笑)。

惚れた理由はニュートラルなこと。デジタル世代のレンズはレンズ自体の個性が強い場合がありますが、このレンズはあくまでもニュートラルで、フィルム時代のように光の強弱がそのまま再現されるところが気に入りました。

この特徴のためにモノクロでは楽ができず、今回使った作品のように曇天で光の弱い状態では、その弱さがそのまま再現されます。改めて、撮影時の光と露出の見極めの大切さを教えてくれるように感じました。

と、言ってもメーカーが新世代の高性能スターレンズというだけあって、描写性能や解像力の高さは素晴らしいの一言です。その力を活かせば、曇天の柔らかな光の微妙な違いを再現できます。

光に対する感覚を鍛え直してくれる。そんなことを感じたのでその値段は全く気になりませんでした(笑)。このレンズの力を発揮させるために、ボディーはK-1 Mark IIの方がベターだと思います。

最新は最良。デジタルの進化を追うことだけが全てではないと思いますが、そこに新しい可能性が広がっているとも感じています。

そうそう、値段以上にレンズの重さを気にする方がいますが、レンズの重さは正義です。この写りを得るためには必要な要素だと思います。価格や重量では語れない魅力を感じてください。

作例

1日1自転車。そんな標語のようなつぶやきで被写体探しで悩むと自転車を探して撮影する。この日は少し離れたところから周りの雰囲気とまとめた。

PENTAX K-1 Mark II / HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW / 1/500秒 / F2.5 / -0.7EV / ISO AUTO / 絞り優先AE/ 50mm

プロフィール & 近況報告

今年はKeita’s Bookというミニ写真集のようプライベートブックを毎月作って、久しぶりに写真展も開催。機材だけでなく作品作りも充実した1年でした。Bookの注文はfacebook pageで承ります。

佐々木啓太

(ささきけいた)1969年兵庫県生まれ。街角写真家。写真専門学校を卒業後、貸スタジオ勤務、写真家のアシスタント生活を経て独立。雑誌での執筆と作品作りが主な活動。Facebookページ