写真展

柴田れいこ写真展「届かぬ文(ふみ) 戦没者の妻たち」

(ニコンサロン)

戦後70年の節目にあたる今年、私は、あの戦争の時代を生きた最後の世代である「戦没者の妻」と呼ばれる女性たちの姿を通して、今一度あの戦争を振り返ってみたいと思います。

赤紙1枚で夫を戦場へ送られた彼女たちは、愛する者の無事をただ祈り、苦しい生活に耐え、帰りを信じて待ち続けました。しかし彼らは二度と彼女たちのもとに戻って来ることはありませんでした。彼女たちは口ではとうてい言い表すことのできない悲しみを抱えて、それでも生きていかなければなりませんでした。もう会うことのできない恋しい夫を想い、耐えて耐えて、耐えきれない時には、秘かに涙を流した夜もあったことでしょう。それでも彼女たちは前を向いて生きてきました。

私は地元岡山県内の「戦没者の妻」54人の方々にお会いし、貴重なお話を聞かせていただくことができました(取材期間:2012~14年)。皆様はご苦労の甲斐あって、今は人生の晩年を穏やかに過ごされています。

「戦争は絶対にしてはなりません。私たち母や子のような悲しみを持つ人間を、二度と作ってほしくありません」と静かに語っておられました。 (柴田れいこ)
カラー40点。

(写真展情報より)

会場・スケジュールなど

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1STRATA GINZA(ストラータ ギンザ)1・2階
  • ・会期:2015年6月17日水曜日~2015年6月30日火曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

  • ・会場:大阪ニコンサロン(追記)
  • ・住所:大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • ・会期:2015年8月6日木曜日~2015年8月19日水曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:8月15日土曜日・16日日曜日
  • ・入場:無料

作者プロフィール

1948年岡山県生まれ。2001年大阪芸術大学写真学科入学、05年同大学卒業。
主な写真展(個展)に、「団塊世代の女たち 天女の羽衣」(05年銀座ニコンサロン、同年大阪ニコンサロン、09年ギャラリー・トムテの森/岡山県)、「Sakura さくら 日本人と結婚した外国人女性たち」(10年新宿ニコンサロン、同年大阪ニコンサロン、同年岡山県天神山文化プラザ)、12年「写真のなかのわたし」(奈義町現代美術館)があり、他にグループ展も開催。

(本誌:河野知佳)